全米プロまでは調子が今一つだったタイガー・ウッズがやっと優勝に絡んできて、面白くなる。あんたはそうでないといけません。3日目終了時点で、首位は13アンダーのジム・フューリック、2打差でウッズが追うという展開。結局最終日は難しいピン・プレイスメントのせいもあり誰もスコアを伸ばせず、優勝はこの二人に絞られた。


じりじりとウッズが追い上げ、二人共13アンダーで迎えた最終18番、二人共第2打がグリーン奥のバンカーにつかまる。先に打ったフューリックのショットはバンカーの外に出ただけで、ボールはフリンジに止まる。それを見たウッズのショットは、ショートを避けようと力を入れ過ぎ、ピンを大きく超えてグリーン奥のフリンジへ。フューリックはパー・パットをショートさせ、これを入れれば勝ちのウッズのパー・パットは、左から右の弧を描きながら僅かにカップの右に外れる。結局二人共ボギーとなり、レギュレイションを12アンダーで終えて勝負はサドン・デスのプレイ・オフに。


18番で行われたサドン・デスはフューリックがまたしても第2打を先程と同じバンカーに入れてしまう。しかもフューリックの第3打はボールがバンカーを出ず、その時点で万事休したかに見えた。これを見たウッズは慎重に30フィートのパットを打って4フィートショート。しかしフューリックは第4打目のバンカー・ショットを直接カップ・インさせガッツ・ポーズ。ウッズのパー・パットは外し頃だったがこれを手堅く決める。


17番パー4で行われたサドン・デスのセカンド・ホールは、ウッズが第2打を引っかける。グリーンとラフの境目に止まったボールを打つ難しいチップ・ショットは、ピンを15フィートオーヴァー。まだフューリックより遠いウッズは、しかしこのパー・パットを沈め、流石に勝負強いところを見せる。しかし、それでも10フィートのバーディ・パットを沈めれば勝ちのフューリックのパットは、カップの右端に蹴られ、結局二人共パー。


次の18番ではウッズは今度はティ・ショットを大きく左に曲げてしまう。林の中からデッドにピンを狙えないウッズを尻目に、フューリックは第2打をピン奥7フィートにつける完璧なショット、ウッズの第2打はグリーン手前のフェアウェイに出しただけという時点で、今度こそ勝負あったかに見えた。しかしウッズは約30 ヤードのチップ・ショットをピンそば3フィートにつけ、パー・セイヴのチャンス。それでもこのバーディ・パットを決めれば勝ちのフューリックのパットは、左にそれる。ウッズはパー・パットを沈め、勝負はまたもや次のホールへ。


勝負はこれから二人共チャンスがありながらこれをものにできないという展開のまま、延々と18番、17番、18番、17番、18番、17番とパー・プレイのままプレイ・オフが続いた。そして迎えた7番目のサドン・デス・ホールとなる18番、これまでフェアウェイをキープしていたフューリックのティ・ショットが右ラフの木の下へ。ほとんどクラブを振れない第2打はボールがフェアウェイまで届かず、第3打もグリーン手前まで持っていくのがやっと。一方、パーフェクトのドライヴ、パーフェクトの第2打のウッズのショットは、ピンそば2フィートのバーディ・チャンス。フューリックは第4打のパットをピンそば3フィートに寄せ、これを入れてボギーで上がるが、ウッズはバーディ・パットを沈め、接戦に終止符を打った。最後のプレイ・オフは誰が勝ってもおかしくなかったんだが、結局ウッズだったか。それにしても7ホールも続いたサドン・デスって、もしかしたらPGAの記録じゃないのか。


これでウッズはこのトーナメント3連勝。ウッズはメモリアルも3年連続で勝っている。 実は初日、65の5アンダーでフューリックと共に首位に立ったのは誰あろうグレッグ・ノーマンで、おお、やるじゃないと思ったのだが、段々調子を落とし、最終日はなんと80の大叩き、初日首位から最終日が終わった時点ではトータル10オーヴァー、下から3番目という信じられないようなゴルフをしていた。彼ももう昔のノーマンじゃないんだなあ。







< previous                                    HOME

 

NEC招待

2001年8月23-26日   ★★★1/2

オハイオ州アクロン、ファイアストーン・カントリー・クラブ

 
inserted by FC2 system