放送局: ABC
プレミア放送日: 3/28/2001 (Wed) 20:00-20:30
製作: タッチストーン・テレヴィジョン・プロダクションズ
製作総指揮: ドン・レオ、デイヴィッド・ヒメルファーブ、デイモン・ウェイアンズ
製作: ディオンヌ・カーシュナー
監督: アンディ・カディフ
脚本: ドン・レオ、デイモン・ウェイアンズ
撮影: ドナルド・モーガン
編集: スキップ・コレクター
音楽: デリク・ソーントン
美術: カルロス・バルボサ
出演: デイモン・ウェイアンズ (マイケル・カイル)、ティシャ・キャンベル-マーティン (ジャネット)、ジョージ・ゴレ (ジュニア)、ジャズ・レイコール (クレア)、パーカー・マッケナ・ポーズィ (カディ)
物語: マイケルは愛する妻のジャネットと息子のジュニア、二人の娘のクレアとカディに囲まれて幸せに暮らしている。宅配便の事業が成功してほとんど自宅にいても生活には困らなくなったが、今度は苦労して大学の学位を取ったジャネットが、フルタイムの仕事に意欲を燃やし始めたのが、気に入らないといえば気に入らない。古い価値観の持ち主であるマイケルは、妻には家にいて家事や食事の準備をし、子供たちの面倒を見てもらいたいのだ。一方、思春期に入った長女クレアと長男ジュニア、物心のつき始めた次女のカディの教育も頭を悩ます種であり、今日もまた新しい難問に頭を悩ませながら、忙しい毎日が過ぎていくのだった。
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「ホワット・アバウト・ジョーン (What about Joan)」の翌日にプレミア放送されたABCの新シットコム。これでABCは「ザ・ジョブ (The Job)」、「ホワット・アバウト・ジョーン」、そしてこの「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」と、3月になって立て続けに3本の新シットコムを編成している。本当は「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」は、その先陣を切って3月7日水曜夜8時にプレミア放送されるはずだった。しかし放送日が発表された直後に、CBSが、本当なら木曜夜8時から放送されるはずの「サヴァイヴァーII」を、カレッジ・バスケットボール中継のため2週間だけ水曜夜に移動することが判明した。その結果、裏番組として同じ時間帯にかち合うのを嫌がったABCが、「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」のプレミアを3月末まで延期していたものである。
アメリカでは割合早くから新番組の発表を行って前評判を煽るが、それだけ宣伝を行っても、何かあるとすぐ前言を撤回して、いとも簡単に放送日を移動する。この「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」もその例の一つになるわけだが、不思議なのがそれで一番迷惑を被るはずの視聴者が、そういうことに別に文句を言うわけでもないことだ。歴史的にネットワークというのはそういうものなので、慣らされているのだろう。極端な話、既に発表していたスケジュールを当日になって差し替えたりする場合もある。当日の新聞にすら変更が反映されないので、その時になってTVをつけた視聴者が、全然別の番組をしているので面食らうということもある。
しかし「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」は、そういうぎりぎりになっての編成シャッフルがうまい方に転んだ例である。とにかく「サヴァイヴァーII」を裏番組に回すのを徹底的に嫌ったのが功を奏し、プレミアはわりと高い視聴率を記録した。これでABCが今月放送した3本の新シットコムは、どれも納得のできる視聴率を獲得し、揃って今秋の新シーズンに再編成される見込みが大となった。私としては、なんでもいいから早く週4回も放送されているクイズ番組「フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア」が編成から消えてくれさえすればいいので、とにかく他の番組が好評なのはそれはそれで結構である。
主演のデイモン・ウェイアンズは、コメディ俳優として知られるウェイアンズ兄弟の一人。兄弟揃って出演した「リヴィング・カラー (Living Color)」以来、多くのシットコムやコメディ映画に主演している。しかし「リヴィング・カラー」もウェイアンズ兄弟の出世作というよりは、ジム・キャリーがレギュラー出演していたシットコムとしての方が有名になってしまった。最近はその上「最終絶叫計画 (Scary Movie)」や「レクイエム・フォー・ドリーム (Requiem for a Dream)」と、話題作に続けて出ている弟のマーロンの方が人気が高い。デイモンも「マイ・ワイフ」をヒットさせて挽回したいところだ。
「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」は、完全に家族向けのシットコムである。「ザ・ジョブ」が皮肉やきついジョークを利かし、視聴者を選ぶタイプであるのとはまったく異なる。言わば、一時家族向けシットコムの代表であった、ビル・コスビーが主演していた「コスビー・ショウ (The Cosby Show)」の焼き直しといった感が強い。この毒気のなさはABCというよりもCBSといった感じが濃厚で、もしたまたまつけたチャンネルでこの番組をしているのを見たら、ほとんどの人はCBSを見ていると勘違いするに違いない。
しかしこれといって毒はないが、確かに笑えるギャグはある。私が最も笑ったのが、危ない歌詞のラップにはまっている息子に、自分たちの若い頃の歌手はまだ健全だったとマイケル・ジャクソンの例をとって諭しているところで、マイケルの真似をする主演のデイモン・ウェイアンズが、そこはかとおかしい。彼と私はほとんど同じ年齢なので、ウェイアンズのパロディのいちいちが、そう、マイケルはそうだったと、結構私のツボにはまる。要するに、そういうところがまた、あまり毒もなく、家族向けということなのだが。
その他にも、チンポコに毛が生えてきた長男、学校で男の子の気を引こうと眉毛を全部抜いてしまう長女等、ギャグのいちいちが家庭的なものを題材としている。最後のシーンで、家族の皆が食卓で落ち着かずわいわい騒いでいるのを、ウェイアンズがそれでもこれが家族なんだとにこやかに見守るシーンで終わるところなんか、私なんか、うーん、あまりに保守的に過ぎるんじゃないかと思ってしまったが。しかし、同様に確かに笑えることは笑えるが、毒にも薬にもならないCBSの「エヴリバディ・ラヴス・レイモンド (Everybody Loves Raymond)」が、現在シットコムで視聴率ナンバー1のNBCの「フレンズ」とほとんど視聴率でためを張っている。「マイ・ワイフ・アンド・キッズ」もまだまだこれから視聴者を増やす可能性は大いにある。
