放送局: CBS

プレミア放送日: 11/13/2001 (Tue) 21:00-23:00

製作: デイヴィッド・ゲスト/マイケル・ジャクソン・プロダクションズ、ワールド・イヴェンツLLC

製作総指揮: フランク・マキアロリ

製作/クリエイター: デイヴィッド・ゲスト

製作: マイケル・デンプシー

監督: ブルース・ゴーワース

出演: マイケル・ジャクソン

ゲスト出演: ジャクソンズ、ホイットニー・ヒューストン、マイヤ、アッシャー、デボラ・コックス、ビリー・ギルマン、98°、モニカ、ラー・ディガ、シャギー、リクロク、スラッシュ、タミア、クリス・タッカー、ルーサー・ヴァンドロス、アル・ジャロウ、グロリア・エステファン、ジェイムス・イングラム、マーク・アンソニー、ライザ・ミネリ、デスティニーズ・チャイルド、イン・シンク、サミュエル・L・ジャクソン


内容: マイケル・ジャクソンのソロ活動30周年を記念して今年9月7日、10日にニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデンで行われたコンサートの模様を収録。


曲目: Wanna Be Startin' Something (マイヤ、アッシャー、ホイットニー・ヒューストン)

Ben (ビル・ギルマン)

Angel/It Wasn't Me (シャギー、リクロク)

Heal the World (モニカ、デボラ・コックス、ラー・ディガ、マイヤ、タミア)

She's Out of My Life (マーク・アンソニー)

Bootylicious (デスティニーズ・チャイルド)

You are Not Alone, Over the Rainbow (ライザ・ミネリ)

I Just Can't Stop Loving your (グロリア・エステファン、ジェイムス・イングラム)

Men in the Mirror (98°、アッシャー、ルーサー・ヴァンドロス)

Can You Feel It (ザ・ジャクソンズ)

ABC (ザ・ジャクソンズ)

I'll Be There (ザ・ジャクソンズ)

I Want You Back (ザ・ジャクソンズ)

Dancin' Machine (ザ・ジャクソンズ、イン・シンク)

Shake Your Body (ザ・ジャクソンズ)

The Way You Make Me Feel (マイケル・ジャクソン)

Black or White (マイケル・ジャクソン)

Beat It (マイケル・ジャクソン)

Billie Jean (マイケル・ジャクソン)

You Rock My World (マイケル・ジャクソン)


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今年、マイケル・ジャクソンの復活はそれなりに話題となった。6年ぶりに新アルバム「インヴィンシブル (Invincible)」をリリース (この番組の放送日はそのリリース日に当たっている)、9月11日のテロリスト・アタック直後には犠牲者救援の特別コンサート「ユナイテッド・ウイ・スタンド (United We Stand)」を主催した。そのコンサートも、実はハリウッドの映画スターや人気アーティスツが多数出演した「ア・トリビュート・トゥ・ヒーローズ」に自分から出てもいいよと言ったのを断られたので、自分で自分を中心とするコンサートを企画したというマイケルらしい裏話がついていた。その、今年のマイケルについての話題の白眉が、このソロ活動30周年記念の特別コンサートだろう。


実はこないだのハロウィーンの時、なにげにMTVにチャンネルを合わせていたら、その新アルバムを出したマイケルの新しいミュージック・ヴィデオをやっていて、ホラー好きのマイケルらしく、また「スリラー」よろしくホラー仕立てになっていたのだが、それはともかく、やたらと前置きのドラマ部分が長く、なかなか歌が始まらない。やりかけの仕事の途中で、歌とダンスだけを見ようと思って立ちながら見ていたのに、あまりにも始まらないので、ついにカウチに座って見る羽目になった。そしたら、このヴィデオ、延々と1時間も続いたのにははっきり言って肝を潰した。こんなヴィデオが撮れるのはこの世にマイケルしかいない。マイケル以外のアーティストがたとえ1時間のミュージック・ヴィデオを作っても、それを放送する放送局なんかないだろう。 マイケルの影響力というのはまだまだ健在だったのだ。


さて、今回の特別番組だが、今年9月7日と10日 (テロリスト・アタックの直前だ) にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われたものを収録したものである。マイケルの影響力を物語るようにゲスト・パフォーマーの顔触れが半端じゃなく、それぞれが皆マディソン・スクエア・ガーデンでソロ公演を行えそうな面々が大挙して出演、一曲だけ歌って去るという信じられないようなもったいない使い方をし、それでもコンサートが終わった時には日付が変わっていたほどの時間がかかったというからすごい。


番組では冒頭、いきなり司会にサミュエル・L・ジャクソンが登場、マイケル登場を前に前座を紹介 -- と、それが今若者の間では知らぬ者のないラッパーのアッシャーに、マイヤ、それにホイットニー・ヒューストンで、おいおい、ヒューストンが前座かよ、といきなりこの贅沢な人の使い方に唖然とさせられる。その後も、マイケルが登場する前にマーク・アンソニー、デスティニーズ・チャイルド、ライザ・ミネリ、グロリア・エステファン、ルーサー・ヴァンドロス等の錚々たる面々が登場し、マイケルに歌を捧げては去っていく。


それにしてもヒューストンのこの痩せ方はいったい何だ。本当に骨と皮だけじゃないか。ヤク中か? 「ア・トリビュート・トゥ・ヒーローズ」で、カナダ人のセリーヌ・ディオンが「ゴッド・ブレス・アメリカ」を歌うのになんでヒューストンは出ないんだと思ったが、要するにこういうことだったんだな。これじゃ視聴者にショックを与えるだけだ。しかもその後、エンタテインメント・ウィークリーを読んでいて知ったのだが、ヒューストンのあまりにもがりがりの姿をなんとかするために、CGアーティストが撮影後のヴィデオ画面上で多少の肉をつける修正を施したということだ。番組で見た修正後の姿ですら痩せたなあと思ったのに、修正前の写真を見ると、なんとヒューストンは骨が浮き出しており、これではまるで栄養失調の難民だ。歌って踊れるのが不思議にすら見える。


痩せているといえばライザ・ミネリも、確かこのコンサートの2週間後にニューヨーク・メッツの試合途中に出てきて咽喉を披露した時には既に太っていたのに、なぜこの時は痩せてるんだ。たった2週間で10キロくらい体重が増えた、というか、元に戻ったように見える。マイケルのコンサートに合わせて痩せたのに、その後また担ぎ出された時は予定外の出来事だったので、いつもの自分を披露してしまったという感じだ。こんな短期間での体重の増減を見ていると、何かやばいことをしているに違いないという気がする。


実はこれらのパフォーマンスを前にマイケルはステージ横の特別席で座ってこれらを観賞しており、つまり、これらは前座というよりも、マイケルを讚えるまったくの別のパフォーマンスであるわけだ。今のマイケルの歌と踊りに興味のあった私としては、こういうのよりマイケル本人のパフォーマンスが見たかったなと思ったのだが、ま、しょうがない。しかし、マイケルのそばに陣取るエリザベス・テイラーとマコーリー・カルキンはいったい何だ。テイラーはともかく、マイケルとカルキンが並んで座ると、アメリカ芸能界の2大フリークスという感じが濃厚にする。その上、番組には収められていないが、なぜだかマイケルの新曲「You Rock My World」のミュージック・ヴィデオにも出ていたマーロン・ブランドがコンサートにも現れて、恵まれない子供たちに愛の手を、的な説教と寄付の依頼をしたそうで、ちょっとこのフリークス加減は尋常じゃない。


マイケル、およびおおよそ20年振りに一緒にステージに立つジャクソンズのパフォーマンスは後半の1時間になるわけだが、この6人が揃ってステージに立つと、観客の熱狂の度合いが違う。いや、マイケル、およびジャクソンズは健在なんだ、と認識を新たにしてしまった。しかし、マイケルだけがなぜかベイスボールのキャッチャーがするレッグ・プロテクタをしていたり、舞台下から風が吹き出すいつもの演出を飽きもせず繰り返したり、泣き真似をしたりと、十年一日のごとくの演出は、見ててちょっと恥ずかしい。しかもこうやって兄弟一緒に立つと、マイケル一人だけが顔の色と作りが違う。鼻の高さも唇の厚さも、なぜあんただけが兄弟の中でこうも違う。マイケルって、本当に白人になりたかったんだねえ。


しかし、マイケルのソロになると、いまだにあのダンスは健在で、さすがマイケルと思わせる。「The Way You Make Me Feel」も「Beat It」もミュージック・ヴィデオそのままの振り付けで、あまり芸はないのだが、それでもあのダンスの切れ味はさすがである。もう動けなくなったかと思っていたが、まったくそんなことはない。多分昔のようなスタミナはもうないと思うが、曲と曲の合間を充分とれば、まだまだやれる。「Billie Jean」なんてこれまでに何度も見ているにもかかわらず、惚れ惚れしてしまった。泣きながら見ているファンがいるほど会場を盛り上げることのできるスーパースターは、やはりあまりいないだろう。こうやって見ると、イン・シンクのジャスティンは今、歌って踊れるパフォーマーとしては他のアーティストから頭一つ抜け出ているかなと思っていたが、まだまだマイケルには及ばない。 番組には収められていないが、一日はブリトニー・スピアーズも現れてマイケルと一緒にデュエットしたそうで、それも見たかったぞ。


ヒューストンと同じように実はマイケルも撮影後のヴィデオに手を入れて自分を修正しているそうで、あんた、整形してその上にヴィデオにも手を入れるのかと思っていたら、顔に浮かんだ見苦しい汗を消したのだそうだ。汗の玉って見苦しいかあ? マイケルのパフォーマンスの最中、なぜ手でマイクを覆って自分の顔を隠すと思っていたのだが、汗なんか消すより、それを止めたほうがよほど効果的に見映えがする。しかし、確かにマイケルは顔が火照ってくると、口の回りが巨大な布団巻きのように赤くなるのがわかる。 何か、お猿さんみたいだ。それを隠そうとしているのかも知れない。ところが、多分休憩が挟まっているんだろう、コマーシャルの後には元に戻っている。休んでいる間に化粧直しをみっちりとしているようだ。


このコンサート、チケットの方は下は45ドルから始まって、一番高いのはなんと2,500ドルにも達したそうだ。2,500ドルである、2,500ドル。ダフ屋に払う金額じゃない。ちゃんとした正規の額面の金額である。いったい誰が払うんだ、そんなの。と思っていたが、結構会場は埋まっている。頭がくらくらする。本当に払っているやつがいるんだ。雑誌にその金を払って見に行った女の子のコメントが載っていて、ぼられたような気がする、と言っていた。気がするんじゃなくて、ぼられてんだよ、あんた。たとえマイケルといえども、そんだけ払って見る価値があるとは私には到底思えん。この世にその金額に見合うだけのコンサートを開けるパフォーマーなんて存在しないということになぜ気づかん。


ところで前出のマイケルが中心人物となって開催した「ユナイテッド・ウイ・スタンド」の救済コンサートであるが、マイケルは当然そこで新曲の「You Rock My World」を披露した。このコンサートはABCが特番として11月1日に放送し、マイケルの「You Rock My World」も放送される予定だった。そしたら、この「サーティース・アニヴァーサリー」を放送予定のCBSから横槍が入った。 「ユナイテッド・ウイ・スタンド」でマイケルのパフォーマンスをしっかりと見せてしまったら、その後で放送予定のこの番組の価値が半減してしまう。それでCBSは、マイケルに、ABCにマイケルのパフォーマンスは削ってくれるよう要請することを頼んだそうだ。そうしなければこのコンサートの放送予定日をずらすとほとんど脅したらしい。


この番組の放送はマイケルの新アルバム「インヴィンシブル」の発売日と同じ日に予定されており、だからこそ意味があった。それが来月や再来月辺りに再編成されたりしたら、マイケルとしたら結構な打撃である。それでCBSの依頼通り、ABCに自分のパフォーマンス部分は削ってくれるよう頼んだそうだ。そうか。私は「ユナイテッド・ウイ・スタンド」も見たんだが、なぜあんな出たがりのマイケルが今回に限って何にもしてないんだ、彼も成長したのかと思っていたのだが、なんだ、実はちゃんと歌っていたんだが、カットされていただけだったのか。皆色々あります。



追記 (2002年1月):

マイケルのこのコンサート中継は、放送したCBSもが驚くほどの高視聴率を獲得した。怖いもの見たさ、とか何とか陰口を叩かれていても、とにかくマイケル神話はまだ健在だったことを証明したのだった。さて、それから話は二転三転するが、1月にCBSのライヴァル・ネットワークのABCは、毎年恒例となった「アメリカン・ミュージック・アウォーズ (AMA)」を中継する。実はこのアウォーズ中継にマイケルが登場して、20世紀を代表する「アーティスト・オブ・ザ・センチュリー」という何やら仰々しい名を冠した功労賞のようなものを頂戴する手筈になっていた。


そこまではいいのだが、それに何やらグラミー賞を主催するNARASが裏工作をしたらしい。3月に開催されるグラミー賞は、アカデミー賞に匹敵する、アメリカ音楽界で最も大きな賞である。それを特別なものにするために、グラミーに出演するアーティストはその近辺で他の賞番組に出たりするのを止められる。それで、AMAはせっかくマイケル出演の口約束を得たのに、もしかしたら賞だけ与えて本人が現れないという可能性が出てきた。それでAMAのプロデューサー、ディック・クラークは、それだけは阻止したいと、天下のNARASを訴えるという挙に出たのだ。


はっきり言って困ったのマイケル本人である。どちらも大事なのに、あちらを立てればこちらが立たない。さらに事態をこじらせたのがCBSで、そのAMA中継の裏番組として、高視聴率を獲得した、この「サーティース・アニヴァーサリー」をもう一度再放送すると発表した。これもなかなか含みがあって、グラミー賞を中継するのもCBSなのだ。CBSは、たまたまそうなったのであって、AMAの裏番組に「サーティース・アニヴァーサリー」を持ってきたのは他意はないと言っているが、その言葉を真に受けるほど純な人間はTV業界にはいない。その結果、マイケルはNARASのご機嫌を伺いながらAMAに出て彼のためだけに設けられた特別賞をもらい、その裏番組が実は自分の特番であるという、なかなか身悶えする事態が到来したのであった。


しかし、この展開は、我々視聴者にとって漁夫の利があった。つまり、「サーティース・アニヴァーサリー」の再放送で、見たい見たいと思いながらも見れなかった、ブリトニー・スピアーズとマイケルが絡むパフォーマンスを今回は見れることになったのだ。前回の時はブリトニーは、番組が放送された直後に自分自身のコンサート中継「ライヴ・イン・ラスヴェガス」がHBOで放送予定だったために、マイケルの特番で彼女のパフォーマンスが放送されるのを嫌がったHBOの要請により、彼女のパフォーマンス部分が削除されていた。このデュエットは最も見たいものの一つであったので、この展開は願ったりかなったりであった。


それで私はAMAと「サーティース・アニヴァーサリー」の再放送があった1月10日の晩に、CBSとABCをかけもちで見る羽目になった。基本的にマイケルの特番の方ではブリトニーが見たいだけなので、10時半頃まではAMAの方を見て、そろそろマイケルのソロになったかなという時間になって、チャンネルを変えてマイケルとブリトニーを見て、その後にまたチャンネルを戻してAMAで功労賞を受賞するマイケルを見るということになったのであった。ついでに言うと、マイケルの特番に出ていたアッシャーや、それにブリトニーもAMAにも出ており、皆さん自分たちで自分の邪魔をしてますねえという印象を受けることになったのはしょうがない。


さて、ブリトニーとマイケルがデュエットした「The Way You Make Me Feel」は、ブリトニーはさすがに今が旬のアーティストなだけあって、なかなか健康なお色気たっぷりで、魅せてくれた。前回は多分、あれはモデルだったんだろう、絶品のボディを持つ黒人女性がマイケルに絡んだのであるが、歌は歌わず、ミュージック・ヴィデオそのままにただマイケルとつるんで歩くだけだった。今回はブリトニーが一緒に歌っており、短いスカートをはいて大股ですたすたと歩く様はなかなかいい。ただし、ブリトニーは動きながらでは歌えないという、ダンスも持ち味の歌手としてはちょっと大きな欠点がある。今は人気があるからいいが、あと数年経てば結構ファンから見放されるかもしれないなあと思ってしまった。







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マイケル・ジャクソン: サーティース・アニヴァーサリー・セレブレイション   ★★★

 
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