メルセデス・チャンピオンシップ

2003年1月9-12日   ★★★

ハワイ州マウイ、ザ・プランテーション・コース・アット・カパルア

今年のシーズンを占う重要なシーズン第1戦、なんと膝の手術でタイガー・ウッズが欠場である。ウッズは回復の具合を訊かれた最近のインタヴュウで、7月のツール・ド・フランスには間に合うだろうと冗談を言っていたが、最初予定されていた2月からの復帰には間に合わなさそうなニュアンスを匂わせていた。となると今シーズン、4月のマスターズまでウッズを見る機会はほとんどないかも知れない。まあ、他のゴルファーにとっては願ってもないチャンスで、3月までは稼ぎ時とも言える。


その上昨シーズンはツアー初優勝を飾ったのが17人もいるという年だったので、昨シーズンのツアー優勝者で争われるこのメルセデス・チャンピオンシップ、なんだか知らんがやたらと初々しいメンツになった。全37人のエントリーのうち、昨年もこのトーナメントに出ていたのは、優勝したセルジオ・ガルシアを含めたったの8人である。そういえば参加資格のあるはずのフィル・ミッケルソンはなんで出ていないんだ。


プレイの方はハワイに特有の強い貿易風が4日間ともほとんどなかったため、好スコアが続出。その中で3日目、コース・レコードの11アンダー62を出したK. J. チョイが、初日から安定して好スコアをマークするアーニー・エルスの後ろに着けるという展開。最終日はフロント9こそ接戦に見えたが、バック9に入ってボギーが嵩んだチョイが、徐々に調子を取り戻したエルスに差をつけられる。結局終わってみればエルスはこの日6アンダーの67、通算31アンダーで、エルス自身の持つ26アンダーというトーナメント記録を大きく伸ばし、23アンダーで2位のチョイとロッコ・メディエイトに8打差をつける圧勝となった。チョイは最終日イーヴンの73、メディエイトは63をマークした。22アンダーで4位には、レティーフ・グーセンとヴィージェイ・シングが入った。


ところで注目すべきは、最近、やっとこのままではいかんと思ったのか、これまで永遠とも思える時間をかけ、いったいいつスウィングするんだといらいらさせられていたガルシアのワッグルが目に見えて短縮されたことで、これはまことに喜ばしい。TVでは昨年同期と今回のガルシアのワッグルを同画面で分割して並べて見せていたが、今では昨年のワッグルの3分の1から4分の1くらいで済んでいる。昔のスウィングが終わった時には、今では同じ時間で既にフェアウェイの100ヤード先まで歩いている。なんでも昨年のバトル・アット・ビッグホーンでジャック・ニクラウスと一緒にプレイした時に、やはりスロウ・プレイで悪名高かったニクラウスの助言が効いているらしい。元々性格はよさそうなナイス・ボーイであっただけに、これならギャラリーを味方につけることもできるだろう。もしかしたらガルシアは今年の台風の目になるかもしれない。







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