2日目63のベスト・スコアを出し、初日の1アンダーから一挙に10アンダー、トップに立った昨年のチャンピオン、タイガー・ウッズが、キャリア初のバック・トゥ・バックのウィナーになった。ウッズは3日目も65、17アンダーとスコアを伸ばし、最終日2アンダー70と合わせてトータル19アンダー。2日目以降はまったく危なげないゴルフだった。2日目64、最終日65のアーニー・エルスが3日目にもうちょっといいスコアを出していれば、勝負は接戦になってもっと引き締まったと思うのだが、19アンダーなんて出されてはたまらない。エルスとジャスティン・レナードが共に14アンダーで2位を分け合うのが精一杯だった。日曜日は雨天順延で結局月曜が最終日となったが、メモリアル・デイと祝日のため、月曜日といえども結構ギャラリーが詰めかけていた。


可哀相なのが、初日66と気を吐き、2日目も69を出してウッズのすぐ後ろにいたハリソン・フレイザー。彼は前半いつも結構いいのだが、後半崩れてしまう。今回も、ウッズとペアを組んだ3日目、特にバック9でぼろぼろになって78を叩いて大きく後退した。彼はドライヴァーもウッズ並みに飛ぶし、一度勝つと勝つ味を覚えて常時上の方にいられると思うんだが、その初優勝までが難しいんだよなあ。気落ちしないで頑張ってもらいたい。


ところで、最終日、最終18番のウッズの第2打は、ウッズとしては近年例を見ないスーパー・ミス・ショットだった。たかだかピンまで150ヤードのアイアン・ショットで、どうして20ヤードもオーヴァーしてしまうのか私にはよくわからん。グリーンを軽く超えたボールは、その後ろのラフも、見守るギャラリーも超えたカート・パスに落ち、大きくバウンスした後、ほとんどクラブ・ハウス直前まで転がった。まあ、勝負の大勢が決した後だったので大事には至らなかったが、ほんとにびっくりした。それまで解説のケン・ヴェンチュリが、今日のウッズのディスタンス・コントロールは素晴らしい、といっていた矢先にこれである。


本人もホール・アウト後のインタヴューで、なんでああなったのか自分でもよくわからないと言っていたが、しかし時々こういう唖然とするポカをやるのも偉大なゴルファーならでは。私はコリン・モンゴメリーがこういうショットを打ったのを見たことがあるし、グレッグ・ノーマンがいつぞやの全英オープンで優勝間違いなしのところで、やはりアイアン・ショットをまったく方向違いのスタンド席に入れたというのもあった。偉大なゴルファー特有の愛嬌とでも言っておくか。







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ザ・メモリアル

2000年5月25-29日   ★★★

オハイオ州ダブリン、ムーアフィールド・ヴィレッジ・ゴルフ・クラブ

 
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