風もなく絶好のスコアリング・デイとなった初日、7アンダーでトップに立ったのはチャド・キャンベル。2日目はそれにケニー・ペリーが追いつき、折り返し時点でキャンベルとペリーがともに9アンダーで首位に並ぶ。3日目はキャンベルは16番パー3でバンカーに捕まってダブル・ボギーを叩いたのが利いて後退、一方アンヘル・カブレラが伸びてくる。


3日目終了時点で11アンダーで首位はカブレラとペリー、9アンダーでキャンベル、8アンダー、ジム・フューリック、7アンダー、スティーヴ・ストリッカー、6アンダー、トッド・ハミルトン、片山晋呉、ロリ・サバティーニが続く。タイガー・ウッズとフィル・ミッケルソンは共に4アンダーでその他7人と共に10位タイ。7打差か‥‥こないだの奇跡的なAPインヴィテイショナルですら5打差だったからな。メイジャーで7打差をひっくり返したのは、マスターズでもまあないわけではないとはいえ、いくらなんでもこないだ5打差、今回7打差なんて、いくらなんでもちょっと無理だろう。それでも、最終日は熱戦を期待する。


その最終日はウッズとミッケルソンが同組となり、当然ギャラリーは二人を追う。特にミッケルソンのできがよく、フロント・ナインを6アンダー30で回る。ウッズは最初ミッケルソンに追いつけなかったが、しかし8番パー5でイーグル、ミッケルソンもバーディで、ミッケルソン10アンダーで首位に1打差、ウッズも7アンダーとなって、本気でわからなくなってきた。こんなマスターズは見たことがないぞ。


しかしミッケルソンは、12番パー3でティ・ショットをレイズ・クリークに落としダブル・ボギー。ミッケルソンらしいといえばミッケルソンらしいポカだが、しかしああ、これさえなければ。一方のウッズも徐々にスコアを伸ばし、15番パー5で、ウッズが2オン、ミッケルソンがその内側、カップまで5フィートにつける2オンでギャラリーを熱狂させる。二人ともここはバーディで、ウッズはさらに16番パー3でもバーディ、二人が10アンダーで並んだところがクライマックスだった。


しかしウッズはその後17番パー4、18番パー4と連続ボギーで8アンダー、ミッケルソンも18番をボギーで9アンダーに後退してレギュレイションを終える。その時ペリー、カブレラ、キャンベルら上位陣はまだ13番、15番のバーディ・ホールを終えてなく、特に彼らの調子がよかったわけではないとはいえ、9アンダーは優勝スコアにはならないだろう。


実際ケリー、カブレラ、キャンベルは僅かではあるが地道にスコアを伸ばす。それでも16番パー3でバーディを奪って14アンダーとなって後続に2打差つけたペリーの優勝は固いと思われた。しかしペリーはまさかの17番18番と連続ボギー、じっとこらえていたカブレラ、キャンベルと12アンダーで並び、この3人でプレイオフとなった。本当に今回のマスターズはまったくわからない。


18番のプレイオフ第1ホールはまずカブレラがティ・ショットを右に曲げ、第2打はフェアウェイに出すだけ。まず最初に脱落するものと思われた。しかしペリーは第2打をグリーン右に外し、キャンベルもグリーン右バンカーに捕まる。一方カブレラは絶妙の第3打でカップ奥5フィート。ペリーも1フィートに寄せ、キャンベルのサンド・ショットは8フィート、オーヴァー。キャンベルは返しのパー・パットを外し、まず一人脱落。いったんはダメかと思われたカブレラはパー・パットを沈め、ペリーとカブレラがプレイオフ2ホール目の10番パー4へ。


ここでペリーは第2打を引っかけてグリーン左下へ。第3打は15フィート、オーヴァーしてパー・パットも外す。グリーン上で2パットで優勝のカブレラは手堅く2パットで、一昨年の全米に続いてメイジャー2勝目を上げた。10アンダー4位には片山、9アンダー5位にミッケルソン、8アンダー6位にウッズ、ストリッカー、ジョン・メリック、スティーヴ・フレッシュら4人が並んだ。全米で勝ったことのあるカブレラが優勝したせいもあるからか、なんか今年のマスターズはツイストがあって全米を見ているみたいな印象を受けた。







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第73回マスターズ

2009年4月9日-4月12日  ★★★★

ジョージア州オーガスタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ

 
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