第67回ザ・マスターズ

2003年4月11-13日   ★★★★

ジョージア州オーガスタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ

昨年のマスターズも雨に祟られたが、今年はそれをさらに上回り、マスターズ開催週の前半のほとんどは雨のためにゴルファーは練習もままならない。結局雨は木曜になっても降り止まず、雨天順延、金曜に2ラウンドを詰め込んでの開催となった。


その最初のラウンドで66で回り、6アンダーで首位に立ったのはダレン・クラークだが、結局クラークはその後徐々に崩れだして圏外に去っていく。代わって首位に立ったのはマイク・ウィアーで、金曜日没順延の途中までで、6アンダーで暫定首位。


一方、マスターズ3連覇の偉業がかかるタイガー・ウッズは、初日4オーヴァー76と、プロ入り後のマスターズでの最悪スコアを叩いてしまう。午後の第2ラウンドで少し持ち直し、2オーヴァーまで挽回した時点で日没順延、しかし土曜朝の持ち越された第2ラウンドの残りでまた崩れ、足切りぎりぎりの5オーヴァーで最終9ホールを迎える (この日ウッズはイン・スタート)。そのティ・ショットを林の中に打ち込んでしまい、木の間を縫って打ったセカンド・ショットはグリーン左のバンカーへ。ここからのアップ&ダウンを決めなければ、マスターズ予選落ちどころか、連続予選通過トーナメントの記録まで絶たれてしまう (ウッズの記録は102)。


オーガスタの9番は手前に急激にスロープが下っており、よほどサンド・ショットをピンそばにつけなければ、パー・セイヴも危うい。ウッズ、予選落ちか!? という緊張感の高まる中の第3打は、ピン上4フィートにつける。これがピン下ならまだ簡単なパットなんだが、下りの滅茶速い4フィート、はずし頃だ。やばいやばい。しかしウッズは慎重にこれを沈め、なんとか足切りすれすれの5オーヴァーで予選を通過する。やばかったーっ。


そして午後の第3ラウンド、そのウッズがやっとチャージをかける。ジェフ・マガートと同じこの日ベスト・スコアの66をマーク、一気に1アンダーまで挽回する。結局第3ラウンド終了時点で、首位は5アンダーのマガート、その下に3アンダーのウィアー、2アンダーのヴィージェイ・シングとデイヴィッド・トムスが続き、1アンダーにはウッズ、ホゼ・マリア・オラハボル、フィル・ミッケルソンがいる。やっぱり最終的には優勝に絡んで当然というメンツがリーダーボードに名前が載っているところが、メイジャーのメイジャーたる所以か。


最終日はウッズは2番パー5でバーディをとり、2アンダーとなってさあこれから面白くなると思った矢先、短めの3番パー4でティ・ショットを林の中に打ち込み、スタンスがとれなくて左打ちで第2打、グリーンそばからの第3打のチップは大きくグリーン・オーヴァーしてしまうというウッズらしからぬショットで、結局このホール、ダブル・ボギー、イーヴン・パーまで後退してしまい、その後ウッズが挽回することはなかった。


一方、この3番で、ティ・ショットを左バンカーに入れてしまったマガートは、第2打がバンカーのへりに跳ね返って自分に当たってしまい、2ペナルティ、首位からずり落ちる。マガートは12番パー3で2度池に落として5オーヴァー・パー、クインタプル・ボギー8を叩き、こちらも完全に優勝戦線から脱落した。


そして我慢較べを展開する上位陣を尻目にするすると抜き去って初めて首位に立ったのは、レン・マティース。マティースは13番パー5でただ一人イーグルを奪うなど絶好調で、パットが面白いくらい決まる。マティースはこの日ベスト・スコアの7アンダー65で、通算7アンダーまでスコアを伸ばす。


結局そのマティースに追いついたのは、この日4アンダー68で回ったウィアーで、勝負は二人のプレイオフとなった。最初のプレイオフ・ホールの10番パー4では、マティースが第2打を引っかけてグリーンそばの林に入れてしまい、ピンを直接狙えず、結局第3打はグリーンに乗せただけ、パー・パットも大きくオーヴァーする。一方のウィアーはバーディ・パットこそオーヴァーするが、マティースはボギー・パットもはずし、2パットでも優勝のウィアーは、手堅く2パットで初メイジャー優勝を飾った。ウィアーはこれで今年既に3勝目で、ウッズと並んだ。通算5アンダーで3位はミッケルソン、4アンダー4位にはジム・フューリック、マガートはこの日3オーヴァー75で通算2アンダー5位まで後退 (3番でトリプル・ボギー、12番でクインタプル・ボギーを叩いておきながらこのスコアは悪くない)、1アンダー6位にはシングとアーニー・エルスが入った。結局ウッズはこの日3オーヴァー75で、通算2オーヴァー、15位タイまで後退した。







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