第66回ザ・マスターズ

2002年4月11-14日   ★★★1/2

ジョージア州オーガスタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ

今年のマスターズは2日目に雨に祟られ、プレイ途中のゴルファーが多数いるまま順延。しかしこの日65のベスト・スコアを出し、その時点で9アンダーでトップに立っていたヴィージェイ・シングがそのまま首位で週末に進む可能性はすこぶる大きい。案の定、土曜日にTVをつけてみたら、その日の朝にラウンドを終えたレティーフ・グーセンが8アンダーまで追い上げていたが、シングが首位をキープしたまま午後の第3ラウンドを迎える。


その3日目にチャージをかけたのは誰あろうタイガー・ウッズ。ウッズはこの日66で回り、この日イーヴン・パーのシングを抑え、69で回ったグーセンと共に11アンダーに首位に立つ。その後ろを9アンダーのシング、7アンダーのアーニー・エルス、セルジオ・ガルシア、フィル・ミッケルソン、6アンダーのホゼ・マリア・オラハボルと続く。しかし解説のケン・ヴェンチュリは、優勝の可能性のあるのは7アンダーで並ぶ3人までだろうと言っていた。果たしてその通りになるか。いずれにしても現在の世界ランキング7位以内に入っているゴルファーが上位6人を占めており、こういう接戦は願ってもない展開。昨年優勝のウッズ、一昨年優勝のシング、昨年のUSオープンの覇者グーセン、USオープンを2回勝っているエルス、さらに実力的には何度もメイジャーを制していてもおかしくないミッケルソンとガルシアと、メンツとしてはまったく申し分ない。


しかし最終日は、誰もスコアを伸ばせない。まあ、メイジャーの醍醐味はそういう接戦の我慢比べにあったりするのでそれはそれで構わないが、最初の数ホールでいきなりボギーを連発してウッズにリードを許したグーセンは、USオープンや先週のベルサウス・クラシックで見せたクールさはどこへ行ったかと思うような精彩のなさで、ウッズを追えない。この分だと調子のよさそうなエルス、あるいはやっぱりシング辺りが来るか。ミッケルソンは最初だけ連続バーディでおお、と思わせるが、やはりいつものミッケルソンよろしく、それからまたボギーで後退する。先週もこれでグーセンにおいてきぼりを食ったんだよなあ。


しかしエルスは是非ともバーディをとらなければならない13番パー5でティ・ショットを左に引っかけ、リカヴァリーもクリークに入れてしまい、その直後の第4打目までまたクリークに落として痛恨のトリプル・ボギー8。完全に優勝戦線から脱落。さらに今度はシングが15番パー5で、2連続でグリーン手前の池ぽちゃのクアドラプル・ボギー9という信じられないスコアを叩いて、こちらも完全に脱落する。シングは前日、同じ15番で第2打をグリーン・オーヴァーの池ぽちゃをしてしまったというのが頭にあったのかも知れない。


結局、前半でいきなり他のゴルファーに3打差以上のリードをつけたウッズがそのリードを守りきって、この日1アンダー71、通算12アンダーで昨年に続き2年連続、通算3回目のマスターズ優勝、7回目のメイジャー制覇となった。最後に少し盛り返したグーセンが、74のオーヴァー・パーではあったが、9アンダーで単独2位に入った。3位が8アンダーのミッケルソン、4位には7アンダーのオラハボル、4位に6アンダーのエルスとパドレイグ・ハリントン、7位に5アンダーのシングが入った。これまでマスターズ2連覇は、ジャック・ニクラウスとニック・ファルドの二人が記録しているのみで、ウッズはこの二人に並んだ。この分だと、マスターズ6回優勝のニクラウスの記録を抜くのもほぼ間違いないだろう。さて、次は全英か。







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