2日目を終わった時点で首位はマスターズ初出場ながら10アンダーのクリス・ディマルコだが、2打差でタイガー・ウッズとフィル・ミッケルソン、3打差にデイヴィッド・デュヴォールがおり、俄然週末が楽しみになる。ディマルコは持って3日目まで、最終日までは持つまいと思っていたら、やはり3日目イーヴン・パーでスコアを伸ばせず、結局、最終日最終組は12アンダーのウッズと11アンダーのミッケルソンの世界ナンバー1とナンバー2のペアという、またとない組み合わせになった。昨年の全英の最終日ではウッズと一緒に回ったデュヴォールが自分から崩れたため接戦を期待した向きをがっかりさせたが、ミッケルソンは一月前にもベイ・ヒル招待でウッズと死闘を演じている。昨年のウッズの連勝記録を止めたのもこのミッケルソンだった。しかしウッズもメイジャー4連勝という近代ゴルフ初の偉業に挑む。今年のマスターズの最終日が近来ない面白いものになるのは火を見るより明らかだ!


最終日、それに輪を加えて勝負を面白くしたのがデュヴォール。デュヴォールはフロント9でバーディかボギーという出入りの激しいゴルフをしていたが、バーディの方が多く、優勝戦線に絡んでくる。バック9はウッズ、ミッケルソン、デュヴォールの3人が優勝に絡むという、これ以上願ってもない展開。一時は3人が12アンダーで同時に首位に並ぶという手に汗を握る接戦となる。私は見ていて手の平どころか足の裏にまで汗をかいてしまった。


勝負が最も盛り上がったのが、15番パー5。この時13アンダーのミッケルソンは15アンダーのウッズに2打差をつけられており、これ以上どうしても差を開けられるわけにはいかない。しかしフェアウェイキープのウッズのドライヴに対し、ミッケルソンのドライヴは左ラフで、カップを直接狙えない。案の定第2打はグリーン右のバンカーに引っ掛かってしまう。ウッズは無事2オンし、イーグル・チャンス。しかしミッケルソンはバンカー・ショットの後の15フィートのパットを決めてバーディ。一方のウッズは、イーグル・パットを外した後の返しのパットがカップの縁に蹴られ、パーでしか上がれない。その直前にウッズに並んでいたデュヴォールが16番パー3でボギーを叩いてしまったため、この時点でのスコアはウッズ15アンダー、ミッケルソンとデュヴォールが14アンダー。勝負はまだわからない。


ミッケルソンはしかし、次の16番で痛恨のボギーを叩いてしまい、残り2ホールでウッズにまた2打差をつけられてしまう。17番のバーディ・パットも僅かにそれ、2打差がついたまま最終18番パー4へ。この時点でデュヴォールは14アンダーでコース・アウトしている。ミッケルソンがプレイオフに持ち込むには、ウッズがボギーを叩いた上で自分もバーディを奪うしかないが、グリーン上で先にパットしたウッズが12フィートのバーディ・パットを決めた瞬間、勝負が決した。最終スコアはウッズ16アンダー、デュヴォール14アンダー、ミッケルソン13アンダーだった。これでウッズはメイジャー4連勝。言葉もありません。この記録が破られることは今後もうあるまいと思うが、ウッズにはまだこの記録を伸ばすチャンスがある。次の全米オープンはどうなるのか。今から待ちきれません。







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65回ザ・マスターズ

2001年4月5-8日   ★★★★

ジョージア州オーガスタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ

 
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