前半を折り返した地点でデイヴィッド・デュヴォールが6アンダーで、フィル・ミッケルソン、ヴィージェイ・シング、アーニー・エルスというビッグ・ネームを1打差で抑えてリードを奪う。タイガー・ウッズはこの時点で3オーヴァーとデュヴォールに9打差。流石に今回は順番から言ってこれまでメイジャーを制覇したことのないデュヴォールかミッケルソンが優勝する番か?


と思っていたら今回のマスターズ、最大の見せ場は3日目にやってきた。午前中の好条件は午後になってから風と雨に変わり、プレイは一時中断。その前にラウンドを終えていたウッズとラヴ3世は二人とも68で回っており、1アンダーまでスコアを伸ばしている。しかし強風の中再開されたプレイでは、上位陣が誰もスコアを伸ばせない。結局最終グループのデュヴォールとシングが15番をプレイしている途中で日没順延となった。その時点でトップはシングで7アンダー。あの条件でスコアを崩さなかったのは流石である。とにかくこれでウッズとラヴ3世ももしかしたらという圏内にかろうじて食い込んだ。最終日はまだまだ何かありそうだ。


最終日、ウッズがフロント9でスコアを3つ縮め、もしかしたらもしかするかと思わせたが、追い込みもここまで。ウッズが追いつくにはどうしても13番と15番の2つのパー5でイーグルか、少なくともバーディをとっておかなければならなかったが、13番はドライヴァーを右に打ち込んで結局パー、15番では一応バーディを奪ったが、直後の16番パー3でボギーを叩き、チャンスの芽は潰えた。一方、シングは11番で池に打ち込み、崩れるかと思ったが、すぐに立て直す。この辺がヴェテランは違う。ここで追いついておかなければならないデュヴォールは逆に13番パー5、2オン狙いをクリークに入れて、こちらも自滅した格好。18番でもバーディを奪い10アンダーまでスコアを伸ばしたシングが、一昨年の全米プロに続きキャリア2回目のメイジャーを手にした。


終わってみると、リーダーボードにはシング、デュヴォール、エルス、ウッズ、ミッケルソン、レーマン、ラヴ3世とそれなりの名前が並ぶ。メイジャーはやっぱりこうでなくっちゃ。それなのに、ロレン・ロバーツがその中に鎮座ましましているのが意外といえば意外であるが、まあ、こういうこともあるだろう。彼はツアーでも下から数えたほうが早いほどドライヴァーは飛ばないが、ショート・ゲームの出来次第でメイジャーも狙えることを証明した。私はやっぱりウッズを応援してしまうが、こういう伏兵の存在もゲームを面白くする。さあて、次は全米オープンか。







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ザ・マスターズ

2000年4月6-9日   ★★★

ジョージア州オーガスタ、オーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブ

 
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