MLB・アット・フィールド・オブ・ドリームス (MLB at Field of Dreams)  

放送局: FOX 

放送日: 8/12/2021 (Thu) 19:00-22:00 

 (アナウンサー: ジョー・バック (プレイ-バイ-プレイ)、ジョン・スモルツ (解説)、ケン・ローゼンサル (レポーター)、トム・ヴァードゥッチ (レポーター) 

 

内容: アイオワ州ダイヤーズヴィルで行われた、1989年映画「フィールド・オブ・ドリームス (Field of Dreams)」に因んだ、とうもろこし畑を均したボール・パーク=野球場におけるMLBのニューヨーク・ヤンキース vs シカゴ・ホワイトソックス戦中継。 


_______________________________________________________________

MLB at Field of Dreams


MLB・アット・フィールド・オブ・ドリームス

1989年製作のベイスボール映画「フィールド・オブ・ドリームス」は、スポーツ映画として既にクラシックの部類に入ると言っていいと思う。とはいえ、スポーツとしての競技、試合自体がクライマックスに来て然るべきのスポーツ映画という視点から見たら、果たして「フィールド・オブ・ドリームス」がスポーツ映画と言えるかどうか疑問に思えるのも事実だ。 

 

アイオワ州でコーンを作っている農家を営む主人公が、ある日突然、「それを作れば彼らはやってくるだろう」という天のお告げを聞く。主人公はそれをボール・パークと解し、とり憑かれたように畑を均してボール・パークを作ってしまう。すると外野のコーン畑をかき分け、シューレス・ジョーのような伝説的ベイスボール・プレイヤーが三々五々姿を現し始めるのだった‥‥ 

 

とこう書くと、まるでトンデモ系のなんちゃって作品のあら筋のようだが、映画は大真面目で、しかもなぜこんな荒唐無稽な作品がこんなに心を揺さぶるかという、感動的な作品に仕上がっていた。実は「フィールド・オブ・ドリームス」はスポーツ映画というよりヒューマン・ドラマなのだが、その落とし所が多くの人々の心を掴んだのだった。 

 

今回FOXが中継した「MLBアット・フィールド・オブ・ドリームス」ゲームは、作品に因み、実際に映画が撮影されたボール・パークのそばに、メイジャー・リーグのゲーム使用の基準に合致したボール・パークを新たに建設し、そこでレギュラー・シーズンの正式なゲームを行うというもの。本来は昨年実施予定だったが、パンデミックの影響を受け、延期されていた。 

 

FOXは中継に先立って映画撮影当時の撮影風景および新しいボール・パーク建設の模様を紹介、その中で最も印象的だったエピソードは、映画のエンディングで、夜、次々とボール・パークに列を成して向かうクルマの列はすべて地元の住民のヴォランティアだそうで、メイジャー・リーグのティームを一つも持たないアイオワ州の住民が、メイジャー・リーグの映画のために一肌脱いだ。あるいは、田舎でほとんどこれといったエンタテインメントのない人々が、喜んでお祭り気分で参加したのかもしれない。きっと映画が公開された時に、あのクルマは私のだ、オレのだと皆で盛り上がったに違いない。 

 

ゲーム開始に当たっては、まず映画の主人公を演じたケヴィン・コスナーがコーン畑から登場し、その後ろを、映画よろしくヤンキースとホワイトソックスの面々が外野のコーン畑をかき分けてボール・パークに姿を現すという趣向。 コスナーが挨拶を述べた後、ゲーム開始となった。

 

実際のゲームは接戦となり、二転三転の末、9回表に3点差を追うヤンキースがアーロン・ジャッジとジャンカルロ・スタントンの2本の2ラン・ホームランで8対7と逆転するも、その裏、ホワイトソックスのティム・アンダーソンが再度の逆転2ラン・ホームランでサヨナラ勝ちするという劇的なもので、まるで演出されたハリウッド映画を見ているみたいだった。日本人としては、田中将大がまだヤンキースに在籍していて投げていたらなと、少しばかり残念。 

 


 










< previous                                    HOME

 
 
inserted by FC2 system