放送局: NBC
プレミア放送日: 6/6/2000 (Tue) 21:30-22:00
製作: NBCステュディオス
製作総指揮: ドン・ルース、アン・ドナヒュー
製作: エイミー・エンゲルバーグ、ウェンディ・エンゲルバーグ、ジャック・クレメンツ
監督: ドン・ルース、ブライアン・ゴードン
撮影: マック・アーバーグ
編集: マーティ・ニコルソン、アレック・スマイト
出演: キャサリン・タウン(ライリー・ヴィーチ)、ローレン・グレアム(オパール・グラウン)、ポール・フィッツジェラルド(ミッチ・レヴィット)、アマンダ・デトマー(リサ・オヴァーベック)、コリン・モーテンセン(A.J. シュワーツ)
物語: 16歳のライリーは育ったオハイオ州を後に、伯母のオパールを頼ってサンフランシスコに一人でやってくる。ゴセット高校で教頭を務めているオパールは、初めて名を聞く姪ライリーの存在がどうしても信じられない。しかもライリーが学校で校長と面談している時、校長は心臓麻痺で急死してしまう。次の校長の座というポスト争いに巻き込まれたオパールは益々ライリーの身元確認どころの話ではなくなり、身元を証明できないライリーは留めてもらっていたオパールの元を去ることになる。しかしライリーはオパールの元を去る前にやることがあった。ライリーがサンフランシスコに着いた時、彼女を誘惑しようとした男が実はオパールの学校の人事を司る男であり、ライリーはその男の自宅に赴き、彼を脅迫する‥‥
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アメリカTV界のネットワークは、9月に編成した新番組の評判がよくなかった時のために、シーズン途中用の差し替え番組を用意している。差し替え番組は年明けから徐々にそこここで編成されるが、基本的に5月でシーズンを終えるアメリカのTV界で、6月に入ってからも新番組を編成するというのはあまり聞かない。近年ケーブルTVが、ネットワークが夏休みをとって新番組を編成しない夏場にオリジナルの新シリーズを投入してくるので、ネットワークの方も休んでばかりはいられなくなったのである。「M.Y.O.B.」は、ネットワークが6月に編成する新番組という稀な例であるわけだ。因みに「M.Y.O.B.」とは、「Mind Your Own Business」の略。ほっといてくれ、大きなお世話だ、ってこと。
ライリーは赤ん坊の時に養子としてもらわれていった女の子である。しかしその育ての親は、彼女が4歳の時に郵便局の銃撃戦に巻き込まれて死亡していた。16歳になったライリーはついに自分の本当の生みの親パールを探し当て、その姉、オパールのところにやってくる。ヒッピーのような生活をしていたパールは、師と共に14年前にフィンランドに渡っており、既にアメリカにはいなかったのだ。フィンランドのパールにe-メイルを出したオパールは、昔娘を産んだ記憶はないというパールからの返事をもらう。しかし何をしでかすかわからないパールの言うことも信用できないオパールは、ライリーをむげに追い出すのも気が引ける。そうこうしているうちにオパールは元恋人のミッチを対抗馬とする次期校長争いに巻き込まれ、ライリーがオパールが校長の椅子に座るのに貢献したことから、二人の共同生活が始まる、というのがプレミアの展開である。
たった30分で上記の内容を一気に盛り込むのだから恐れ入る。キャラクターの生い立ちから現在置かれている状況までたった一話でまとめあげ、しかもキャラクターを立たせなければならない。必然的にというか、登場人物はほとんど例外なく早口であり、テープを巻き戻さないと何言っているか全然わからないというのが何箇所もあった。たった30分の間にだよ。自分のヒアリングも情けないが、無理に状況設定に辻褄を合わせるために会話で説明するなと思ってしまう。一応番組の語り手がライリーという設定になっていることもあり、彼女の早口のヴォイス・オーヴァーがこれまた多いんだ。
でも番組自体のできが悪いということはない。多少無理はあるし、ジェネレーションX世代を代表するシニカルなライリーが実は情に脆そうなところも、今はライヴァルのミッチへの恋心をいまだに持ち続けているという設定のオパールも、別に新奇さやオリジナリティが感じられるわけではないが、だからといって貶そうとも思わない。実はこの番組、今春FOXが編成してヒットしたシットコム「マルコム・イン・ザ・ミドル」同様、ロケーション多用の1カメラ撮影、ラフ・トラックなしという構造なのだ。何を隠そうその点が私は一番気に入った。あのうざったいラフ・トラックがないだけでも、私にとってはポイントが高いのである。
しかしこの番組、やがては消える運命にある。というのも、この番組に主演しているローレン・グレアムが、この秋にWBから放送される新番組「ギルモア・ガールズ (Gilmore Girls)」に出演することが既に決まっているからだ。今現在「M.Y.O.B」が.何話製作されているか知らないが、たとえ好視聴率をとったとしても、主演女優がいなくては番組を継続するのは難しかろう。「スピン・シティ」でマイケル・J・フォックスが演じていた主役を今秋からチャーリー・シーンが担当するように、いきなり主要な役を平気で変えるという例はないではないが、まだ海のものとも山のものとも知れない新番組で、番組が確立する前に主役が降りちゃったんじゃあ、こりゃあ長続きしないわな。番組クリエイターのドン・ルースは、一昨年クリスティーナ・リッチと「フレンズ」のリサ・クドロウが主演したインディ映画の話題作「熟れた果実 (The Opposite of Sex)」を書いて監督した人でもあり、わりと期待していたんだが。こういう展開になって残念。
