放送局: HGTV
プレミア放送日: 9/30/2002 (Mon) 22:30-23:00
製作: ラヴ・バイ・デザインTVプロダクションズ、ルネッサント、ウエスト・ウインド・ピクチュアズ、メインライン・ピクチュアズ
製作総指揮: クラーク・ドネリー、マイケル・スヌーク
製作: アレン・マギー
クリエイター: ウォレン・スジャティッキー、アレン・マギー
監督: ウォレン・スジャティッキー
音楽: ジャック・レンズ、ダグラス・ジョン・キャメロン
ホスト: ディー・ディー・テイラー・ハナ、リチャード・イヤーウッド
内容: 毎回メインのゲストを3人の異性の部屋に案内、最も内装の趣味が気に入った部屋の住人とデートさせるというリアリティ・ショウ。
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「ラヴ・バイ・デザイン」を放送しているHGTVの正式チャンネル名はホーム&ガーデン・テレヴィジョン (Home & Garden Television) というもので、読んで字の如く、家の改装/インテリアやガーデニング関係専門のチャンネルである。HGTVを所有しているスクリップスは、このチャンネルの他にもフード・ネットワークやDIY (Do It Yourself) なんていう、ガーデニング、日曜大工、料理、その他諸々の趣味や番組をそれこそ朝から晩までやっている、専門ニッチェ・チャンネルを持っている。
特にアメリカでは歴史的に自分の身の回りのことは自分でやるべきと考える者が多く、配管や壁の塗り替え屋根の葺き替え等、ある程度の家の修理はもちろん、基本的な料理くらいはこなせないと恥だと考えている者が男女を問わず結構いる (金がないから自分でやらざるを得ないという側面もある)。ただし、もちろん、そこはそれアメリカ人だから、それに挑戦するということと、うまくこなすということは別物である。私は料理もしますと宣言する男性が、だからといってその腕もいいとは限らない。修理したはずの水漏れが、一週間もしないうちにまた水がぽたぽたと漏れたりする。つまり、素人でもプロ並みの腕を持つことではなく、挑戦することに意味があるのだ。
そういう風土が歴史的に根強いから、こういう、ドゥ・イット・マイセルフ的なチャンネルは根強い需要があり、また、見る必要が必ずしもあるわけでもないのに、定期的に見ているという視聴者も多い。さもなければ、今、生涯教育専門チャンネルのTLCで放送されている部屋の改装をテーマにしたリアリティ・ショウの「トレイディング・スペイシズ (Trading Spaces)」が、ケーブルで1、2を争う人気番組であるということの理由の説明がつかない。
そして今、こういった国民性に流行りのリアリティ・ショウのブームが合体して、新しいジャンルの番組が続々と生まれている。「トレイディング・スペイシズ」はもちろんその走りだったのだが、今ではその続編「ホワイル・ユー・ワー・アウト」、TLCの姉妹チャンネルで放送されている車の改造リアリティ・ショウ「モンスター・ガレージ」と、この種の趣味と実益を兼ねた番組が次々と登場し、それなりに人気を集めている。HGTVは、これまではどちらかというとあまり遊びに走ることなく、番組テーマに沿った実益一点張りの番組専門だったのだが、それらのリアリティ・ショウが人気を博しているのに、ただ指をこまねいて見ているだけというのもあまり芸がなさ過ぎると思ったようだ。実際、番組にちょっとした遊びやひねりを加えただけで視聴率がぐんと上がって話題となるならば、民間経営のTV局にとって、これほどうまい話はあるまい。というわけで登場したのが、この「ラヴ・バイ・デザイン」である。
この番組、部屋の改装を主体に、いわゆるデート系のリアリティ・ショウを合体させた番組である。毎回メインのゲストに対し、3人の異性がデート相手に立候補する。番組が普通のデート番組と異なっているのは、そのゲストと立候補者がまず対面するわけではないというところだ。そのゲストは、まず、立候補者の部屋に連れて行かれるのである。そこでゲストはそれらの部屋を吟味、最も自分の趣味にあっている部屋を一つ選び、さらにその部屋を自分のテイスト、およびプロのインテリア・デザイナーの意見も採り入れて改装してしまう。
そこへ今度は自分の部屋が同改装されたかまったく知らない部屋の持ち主が帰ってきて、そこで初めて今回の主人公同士はご対面となり、私はあなたの部屋が気に入ったけど、ちょっと手を入れさせてもらったわ、うん、こりゃあいいよ、まったく別のゴージャスな部屋に生まれ変わったみたいだ、云々みたいなことをお喋りして、それから本当のデートが始まるわけである。ただし、もうその時点では既に番組の目的は達しているので、その後そのカップルがどうなるかは番組の知ったことではない。要するに番組の狙いは、デート相手選びと称して色んなシングルの人間の部屋を見せることと、その改装のアイディアにあるのであり、デート相手が決まってしまったカップルにはもう用はないのだ。
因みにその第1回のゲストはタカミと呼ばれるアジア系の女の子で、これはもう一見して日系の顔で、多分高見さん、あるいは下の名前が孝美だかなんだかなんだろう。男性陣が全員下の名前で呼ばれているので、やはり孝美、あるいは高美というところか。黒縁の眼鏡をかけ、スポーツが大好きな行動派の女の子である由。一方、彼女のデート相手として立候補するのは、最初が弁護士事務所で働く理知派? のグレッグで、ロフトには天井に窓があって、星空を見ながらベッドに横たわれるというなかなかロマンティックな環境。2番目のワイアットは大手企業で働いているというスポーツ好きの青年で、部屋の中にはテニス・ラケットやゴルフ・クラブ、ボクシングのサンドバッグまである。因みに彼の部屋からのダウンタウンの見晴らしは抜群だ。3番目のコメディアン志望のロビンは、部屋の中にKISSのポスターが貼られているところなんか、これはちと女の子を選ぶぞと思わせる。
結局タカミはウッディでロマンティックなグレッグの部屋を選び、ホストでルーム・コーディネイターのディー・ディーと共同で部屋を模様替え。それが終わってから部屋に帰ってきたグレッグとごたいめーんとなって、二人でバックギャモンなんかやり始めるというところで番組は終わりとなるのだが、うーん、まあ、あまりこの種の番組を作り慣れてないHGTVにすれば、頑張っているというところだろうか。はっきり言って、デート系のリアリティ・ショウとしてみると、それほどドラマティックというわけでもなく、ちと弱いなという印象は拭い難い。しかし、今最も人気のある「トレイディング・スペイシズ」だって、私は初めて見た時は、こんなのの何がいったい面白いのかと、あくびをかみ殺しながら見ていた。というわけで、駆け引きや裏切りがないこの番組も、もしかしたらHGTVの人気番組になるチャンスがあるかもしれない。
