ライヴ! ウィズ・ケリー・アンド・マイケル    Live! with Kelly & Michael

放送局: ABC

プレミア放送日:  9/4/2012 (Tue) 9:00-10:00

ストレイハンがホストのエピソードの最終回: 5/13/2016 (Fri) 9:00-10:00

製作: WABC

ホスト: ケリー・リパ、マイケル・ストレイハン


内容: 「ライヴ! ウィズ・ケリー・アンド・マイケル」で、マイケル・ストレイハンが最後にホストを担当するエピソード。


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Live! with Kelly & Michael


ライヴ! ウィズ・ケリー・アンド・マイケル  ★★1/2

元NFLプレイヤーのマイケル・ストレイハンが平日朝のヴァラエティ・トーク・ショウ「ライヴ! ウィズ・ケリー・アンド・マイケル」の共同ホストに就任してから、早いもので既に3年半になる。深夜トークのように10年20年が当たり前というわけではないが、それでも何年もホストを続けることの多い朝のトーク/ニューズ/ヴァラエティの世界において、3年半という時間は、ほとんどターニング・ポイントにもならないくらいの時間でしかない。


元々はアスリートであり、TV番組のパーソナリティとしては新人に過ぎなかったストレイハンであるが、でかくて強面のくせに笑うと愛嬌がある人好きのするキャラクターが受け、瞬く間にお茶の間に定着した。共同ホストのケリー・リパとの相性もよかった。


決定まで一年近く時間をかけ、多くの臨時ホストを試し、やっとのことでストレイハンに決まったのだ。そのストレイハンが、今秋からABCの朝の基幹トーク/ニューズの「グッド・モーニング・アメリカ (Good Morning America: GMA)」の共同ホストに就任する、つまり、近々のうちに「ライヴ!」のホストの座を去るという電撃発表が、今春アメリカのTV界に大きな動揺をもたらした。


誰にとっても寝耳に水の話で、たぶん本当に本人と関係者の一部しか知らなかったと思われる。朝晩のトークは毎日見知った同じ顔が登場することに意味があるので、3年半くらいはまだまだ新人、これからが本番くらいにしか周りの者は思っていなかったに違いない。まさか辞めるなんて、リパを含めて「ライヴ!」関係者は考えてもいなかった。


この情報に最も衝撃を受けたのが、リパだったのは間違いない。TV番組の中だけとはいえ、3年半もほぼ毎朝一緒に時を過ごし、TV夫婦として自他共に認めていた。その相方が、自分には内緒で別の道を模索していた。しかも彼がTV界に就職する際、最も与かって力があったのが、自分の意見のはずなのだ。それなのに、その自分には一言もなく、何の相談もなく、番組を去って別の番組に移るという。はらわた煮えくり返ったのは想像に難くない。


リパはストレイハンが番組を去ると発表にあった直後の4月20日放送分から連続して番組を休んだ。元々その週の金曜と翌月曜は休みをとっていたが、急なこととて水曜木曜はアナ・ギャステヤーとエリン・アンドリュウズが臨時ホストを担当した。こういう時、ほとんど時間がなくてもすぐに交代要員が見つかる、アメリカのこの手の人材の層の厚さはすごいなと思う。


アンドリュウズは数年前、ホテルの部屋の中を裸で歩き回っていたところをストーカーにドアスコープから盗撮され、大きな被害を受けたとして男とホテルを相手どって訴訟を起こしていたが、先頃判決が出、多額の賠償金を勝ちとっていた。殺されなくてよかったというか、美人でスタイルがよくてタレント業なんかやっていると、いいことばかりというわけでもない。それにしてもドアスコープから逆に内部を見ることもできるんだな。


閑話休題。さてマスコミの論調は、つんぼ桟敷に置かれたリパに同情的な一方、これでリパとストレイハンの仲は決裂、と囃し立てるものもあったが、特に気にすることはないと言っている者もいた。ストレイハンの前任者でありリパの共同ホストだったリージス・フィルビンは、業界はこういうもの、ほっとけば皆元の鞘に収まると、ほとんど気にしてなかった。


緊急欠勤の渦中のリパはそのままずっと職場を休み続けるわけもいかず、週末には、翌火曜には「ライヴ!」に復帰すると連絡が入った。週末のうちに頭を冷やして気分を一新させるつもりだったんだろう。因みにその週の金曜の臨時ホストはジュリア・ルイス-ドレイファス、月曜はシェイ・ミッチェルが務めたが、これはごたごた以前から既に決まっていた人選。


そして全米の注目が集まった火曜の「ライヴ!」は、ちゃんと気分を切り替えて気持ちの整理をつけたリパとストレイハンが手に手をとって登場する。冒頭、リパはこの一週間の混乱を振り返り、必要なものは職場でのリスペクトであり、ストレイハンの出立を祝福するような趣旨の真摯なスピーチをして、ステュディオの観客の喝采を浴びた。リパもプロという感触を強く受けた。


因みにこの日のゲストはABCの「スキャンダル (Scandal)」のベラミー・ヤングとNBCの「ブラインドスポット (Blindspot)」のジェイミー・アレグザンダーで、なんか、偶然にせよいかにも的な人選でおかしかった。音楽ゲストはジャッキー・エヴァンコで、これがまた、しばらく見ぬ間に大人の女性になっていてこれまたびっくり。しかし声の美麗さは相変わらず。同様にあっという間に大人の女性になってて驚いた「ブルックリン (Brooklyn)」のシアーシャ・ローナンのように、このくらいの女の子の成長のスピードは速い。


これで事態を無事収拾したリパとストレイハンは、その後番組を継続、そして5月に、無事ストレイハンの「ライヴ!」の最後のエピソードの放送を終えた。3年半といえども充分総集編的な編集をまとめられるくらいのクリップはある。結局すべては丸く収まり、リージスのコメントは正しかったことを証明した。さすがアメリカ・トーク界の生き字引きだ。


それにしてもストレイハン、3年半前に「ライヴ!」に抜擢された時には情報バレバレで、正式発表のあった数か月前から皆ストレイハンに決まったことを知っていたのに、今回は部外秘を守り通した。関係者は皆それで学習したんだろう。


現在、「ライヴ!」は「ライヴ! ウィズ・ケリー・アンド・マイケル」から「ライヴ! ウィズ・ケリー」に逆戻りし、臨時ホストで凌ぎながら次の共同ホスト候補者を絞り込んでいる。ストレイハンに決まった時も結局1年近くかかったから、今回も時間をかけてじっくりと絞っていくつもりなんだろう。とはいっても、そうやって決まったストレイハンが3年半で辞めちゃったわけだし、あまり時間をかければいいってもんじゃないという気もする。










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