放送局: ディズニー
プレミア放送日: 6/7/2002 (Fri) 18:30-19:00
製作: ウォルト・ディズニー・テレヴィジョン・アニメーション
製作総指揮: マーク・マッコークル、ボブ・スクーリー
共同製作総指揮: ジュリー・デュファイン
監督: クリス・ベイリー
脚本: ジュリー・デュファイン、ゲイリー・スパーリング
音楽: アダム・ベリー
テーマ・ソング: クリスティーナ・ミリアン
声: クリスティ・ロマノ (キム・ポッシブル)、ウィル・フリードル (ロン・ストッパブル)、カースティン・ストームス (ボンボン・ロックウォーラー)、ナンシー・カートライト (ルーファス)、タージ・モーリー (ウェイド)、ゲイリー・コール (父)、ジーン・スマート (母)、ジョン・ディマジオ (ドクター・ドラッケン)、ニコール・サリヴァン (シゴ)
物語: 脳神経外科医の母、ロケット・サイエンス科学者の父を持つキム・ポッシブルは、昼はチアリーダーを務める高校生、夜は悪漢退治に従事する正義の味方として世界中を駆け回っており、今日も相棒のロン・ストッパブル、モグラのルーファス、連絡係のウェイドらと共に、キムの活躍は続く。しかし学校でついつい羽目を外し過ぎるキムは、あろうことか正義の味方というのに放課後居残りで補習を受けさせられる羽目になる。そうこうしているうちにもキムの助けを求める連絡が南米から入るが、はてさて、キムはうまく先生の目をごまかして世界平和に活躍することができるのか‥‥
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アメリカでも和製アニメーションの人気が定着して久しい。「アニメ」という言葉は、特に和製アニメーションを指す言葉として少なくとも業界内では定着しており、多少なりともアニメーションを見ているファンなら、ちゃんと意味は了解している。特に一昨年から昨年にかけてアメリカのみならず世界中を席捲した「ポケモン (Pokemon: ポケット・モンスター)」の大フィーヴァーは、記憶に新しい。
一方、アメリカ製のアニメーションはと言うと、これはもうニコロデオンが放送している「ラグラッツ (Rugrats)」人気に勝るものはなかった。因みに「ラグラッツ」とは、「ラグ (敷物)」を常に離さない「ラット (ねずみ)」ということで、要するに、まだよちよち歩きの乳飲み子のことだ。「ラグラッツ」も「ポケモン」も映画化されるなど、アニメーションの世界においては、何はともかくこの2番組が話題を独占していた。
しかし、現在では「ポケモン」も「ラグラッツ」も人気は一段落して、一時ほどは騒がれなくなった。変わって現在人気がある番組として筆頭に挙げられるのは、やはりニコロデオンが放送している、「スポンジボブ・スクエアパンツ (SpongeBob SquarePants)」である。「スポンジボブ・スクエアパンツ」は、子供向け番組でありながら大人が見ているということで特に話題となっている。放送が始まってから久しいのだが、今年頭辺りから急激に人気が上がってきた。
一方、アニメでは「ポケモン」の代わりに、WBで始まった「遊戯王デュエルモンスターズ (Yu-Gi-Oh!)」の人気が急騰している。カートゥーン・ネットワークで「とっとこハム太郎 (Hamtaro)」の放送も始まった。さらに今秋からは、FOXの土曜朝の子供向け番組の時間帯で、「ウルトラマン・ティーガ」、「キン肉マン」等の、アニメに限らない和製子供向け番組が大挙して編成されることが決まっている。さて、これらの番組はいったいどれだけアメリカの子供たちの心をつかむことができるのだろうか。ついに日本のアニメはアメリカでもアニメーションの主流となるのか。今から興味津々の展開になっている。
しかし、ここで忘れてならないのが、アメリカ・アニメーション界の老舗中の老舗、ディズニーである。ディズニーは傘下にABCというネットワークを持つエンタテインメント界の巨人であるが、はっきり言って劇場公開用の映画を除き、TVにおけるアニメーションにおいては、それほど目立って人気のある番組を持っているわけではない。一応ブランド・ネームであるので、親の世代は子供にディズニー番組を見せたがるが、いかんせん子供に人気がないのだ。やはり、ヘンに教育的見地からも価値のあるアニメーション、という番組なんかを見せられるより、子供だって単純に面白い番組を見たいのだ。今、ディズニー番組で人気があるのというと、せいぜいABCが土曜朝に放送している「リセス (Recess)」くらいだろうが、それだって親が見せているから子供も見ているという感じが濃厚にする。
そのディズニーが新しく編成したのが、この「キム・ポッシブル」だ。なんでシーズンも終わる6月という中途半端な時期にわざわざ新番組なんか投入するのかと思ったが、考えれば、子供たちはそろそろ長い夏休みに入る。今のうちに子供たちの心をつかんでおこうという腹のようで、逆にうまい編成戦略と言えるかもしれない。その上単純に、「キム・ポッシブル」はアクション・ヒーローもので、最近のディズニー・アニメーションでは滅多にないエンタテインメントに徹した番組に見える。そういうわけで、これはなんとなく面白そうだと思っていた。
最近のアメリカのアニメーションが和製アニメに圧されている最大の理由は、アメリカ製のアニメーションの絵柄に魅力がないから、というのが私の見解である。その点、「キム・ポッシブル」は最近のアメリカ製アニメーションの中では、まずまず及第点を上げてもいいんじゃないだろうか。一応主人公のキムが可愛く見えるのだ。それでも、チアリーディングのユニフォームに身を包むと、途端にというか胴長短足がに股になり、なんでアメリカのアニメーションってこうも絵をデフォルメしてしまうのかと思ってしまう。和製アニメみたいになんでもおめめぱっちりの可愛い子にしちゃえばいいもんでもないと思うが、あまりにも可愛くなければ、見る気もなくなってしまう。
結局「キム・ポッシブル」の話自体は、昔から綿々と語り継がれてきたスーパーヒーローものの亜種に過ぎず、世界を股にかけるスーパーヒーローであるのに、学校で居残りを命じられたり、ちょっと気になる男の子の前では調子を狂わせたりと、「ヒーローもの」+「少女マンガ」÷2みたいな、まあ、常套的展開のオン・パレードに過ぎない。しかし、結局、今時のすべてのスーパーヒーローものは多かれ少なかれ似たようなものなのだし、やはりポイントは主人公の魅力でしょう。その点、少なくとも「バットマン」や「スパイダーマン」みたいなムキムキマンとは異なる絵柄でこういうスーパーヒーローものを見れるのは、わりと新鮮で面白い。キムのこれからの活躍に期待しよう。
キムの声を担当しているのはクリスティ・ロマノで、「イーヴン・スティーヴンス (Even Stevens)」や「カデット・ケリー (Cadet Kelly)」等、ディズニー番組の常連。まだ18歳だそうだが、番組を見ていて、結構おばさんが声を吹き替えているんだろうと思っていた。写真を見ても既に20代に見えるわりと老け顔だったが、別に可愛くないわけじゃありません。製作総指揮のマーク・マッコークルは、やはりディズニーの「トイ・ストーリー」のTVシリーズ版である「バズ・ライトイヤー・オブ・スター・コマンド (Buzz Lightyear of Star Command)」を製作している。オープニング・テーマを自作自演しているのはクリスティーナ・ミリアンで、私は初耳だったが、「ラッシュ・アワー2」にも曲を提供している、既に10代には人気のあるシンガー/ソング・ライターなのだそうだ。全然知らなかった。まったくおじんくさいぜ。
