2日目終了時点でなんと久し振りに名前を聞くグレッグ・ノーマンが10アンダーで、8アンダーで2位に並ぶ他のゴルファーに2打差をつけてリードしている。しかし、最近のノーマンのゴルフは、たまにしかTVに映らないが、それを見ているだけでも全盛時の切れがないのはよくわかる。彼が優勝に絡むとなるとそれはそれで面白いだろうが、最終日まで持つかなあと思っていた。


案の定ノーマンは3日目に崩れ、代わってボブ・エステスとボブ・バーンズが10アンダーで首位に立つ。バーンズは最終日、11番パー3でミスヒットしたはずのボールがうまくバウンスしてまさかのホール・イン・ワンとなり、12アンダーとなっていきなり後続に2打差をつけてトップに立つ。それで決まりかと思われたが、これまた久し振りのスティーヴ・エルキントンがじりじりと追い上げて、1打スコアを落としたバーンズに11アンダーで並ぶ。こりゃあもうエルキントンを応援するしかないだろう。


しかしエルキントンは17番パー3、18番パー4で連続してボギーを叩き、自らチャンスを潰す。一方、そこまで辛抱に辛抱するゴルフで射程距離につけていたエステスが、14番パー4でバーディをとって11アンダーとなってまたバーンズと共に首位に並ぶ。そして16番パー4でバーンズが、別に悪くなかった第2打がグリーンのスロープに乗っかってするするとグリーン横に転がり落ちてしまい、そこからのアップ&ダウンに成功するどころか逆にダブル・ボギーを叩き、こちらも自滅する。結局安全なゴルフを続けるエステスが11アンダーでそのまま逃げ切った。10アンダーで2位は99年にこのトーナメントを勝ったことがあるリッチ・ビーム、3位にエルキントンとバーンズが9アンダーで入った。


エステスはアドレスに時間がかかり過ぎるし、ピンをデッドには狙わず、いつもグリーン中央狙いの2パットのパー・ゴルフで、まったく見ていて妙味がないので好きなゴルファーではないのだが、これだけ地味なゴルフで勝たれると、それはそれで感心してしまう。エステスのこの日のスコアは14番のバーディ以外はすべてパー・ゴルフで、リーチャブルのパー5ですらすべてパーで上がっているのだ。ゲーム・プランの通りにプレイできるのは実力がある証拠なのだろうから、もうちょっとエキサイティングなゴルフをしてくれると、こちらも応援しようという気になるのだが。


ところで、このトーナメントで35年間CBSでゴルフの解説をしていたケン・ヴェンチュリが引退した。プレイを終えたゴルファーの多くがカメラの方に向かって歯を見せたり挨拶してたのは、あれはヴェンチュリに礼を示していたのかと、後になって気づいた。ご苦労様です。







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ケンパー・インシュアランス・オープン

2001年5月24-28日   ★★★

メリーランド州ポトマック、TPCアット・アヴェニル

 
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