ジョン・ディア・クラシック

2004年7月8-11日   ★★1/2

イリノイ州シルヴィス、TPCアット・ディア・ラン

昨年、一時的に9月に開催されたジョン・ディア・クラシック、今年はまた7月に帰ってきた。勝負の方は初日10アンダー62を出したホゼ・コセレスが3日目まで首位をキープする。しかしコセレスは最終日にスコアを伸ばせず、代わって首位に立ったのは、フロント・ナインで5つのバーディを奪ったマーク・ヘンスビー。ヘンスビーは先週のウエスタン・オープンでも優勝にかすっており、最近好調だ。


このまま行くかと思われた勝負で、そのヘンスビーに追いついたのが、これまたツアー未勝利のジョン・モーガン。モーガンは最後の最後でバーディ・ラッシュでいきなりリーダーボードに名前が載ったかと思うと、最終18番パー4でもバーディを奪って、ついに16アンダーとなってヘンスビーに追いつき、結局勝負はヘンスビーとモーガンのプレイオフとなった。コセレスは15アンダーで単独3位で終わった。


18番でのプレイオフは、二人とも第2打を打ち終わり、ボールがグリーンに乗ったところで、なんと天候が悪化したためにプレイが中断してしまう。もう二人ともグリーンに乗ってんのに、もしかしたらあと5分もかからず決着は着くかもしれないというのに、雨が降り出したわけでもないのに、それでも中断するか。しかし、まあ、山の中の天気は変わりやすく、あっという間に豪雨になったりするし、ゴルフ場は雷が落ちやすそうだし、万が一ということを考えないといけないオフィシャルの気持ちもわからないではない。


しかし、そこで中断がどれだけ続くかわからなかったため、私は諦めてTVを録画にしておいて、後で見るつもりでいた。2時から始まった中継なので、いくらなんでも7時までには終わっていると思っていた。7時からはNBCで、陸上のアメリカ国内選考会の生中継があったので、そちらを見るつもりだったのだ。オリンピックで優勝することよりも国内予選を勝ち抜くことの方が難しいとさえ言われるアメリカ陸上の短距離は、かなり面白いのだ。


そしたら、後でヴィデオを見返したら、中断したままのところでヴィデオが終わっているではないか。7時までにゴルフは再開されず、決着はついていなかったのだ。結局勝負の方は、ヘンスビーもモーガンも18番はパーで上がり、プレイオフ2ホール目の16番パー3で、モーガンがティ・ショットを引っかけてラフに打ち込んでボギーとなり、そこをパーでまとめたヘンスビーがツアー初優勝を飾ったことをネットで知ったのであった。


この勝負にはもうひと捻りあって、ジョン・ディアの優勝者にはブリティッシュ・オープンへの出場権が約束されていたのだが、リンクス・コースでプレイしたことがないというヘンスビーは、この資格を辞退、英国出身のモーガンに資格を譲ると申し出た。喜んだモーガンだが、しかし、ジ・オープンのオフィシャルは、資格は人に譲渡できるものではないとして、モーガンに出場資格はないと却下しちまったのだ。結局、ヘンスビーが獲得するはずだった出場枠は、ジ・オープンの取り決めにしたがって、別のゴルファーに移譲させられるんだろう。最後の最後で二転三転した今回のジョン・ディアであった。







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