デイヴィッド・トムスがワイヤー・トゥ・ワイヤー(初日からずっとトップだった場合、アメリカではこう言う)でツアー2勝目を飾る。スプリント・インターナショナルはPGAツアーでたった一つ、モディファイド・ステイブルフォード・スコアリング・システムという独自のスコアリング方法を採用している。パーは0点、バーディは2点、イーグルは5点、ダブル・イーグルは8点で、この得点を加算していく。一方、ボギーは-1点、ダブル・ボギー以下はすべて-3点得点が減らされる。ダボを打ってしまったゴルファーが、その場でボールをピックアップしてしまうという通常のストローク・プレイでは絶対に見られない光景が見られるのはこの大会とマッチ・プレイだけだ。


得点の加算の仕方を見てもわかるように、ボギーの減点よりバーディの得点の方が大きいため、ゴルファーは少々の危険なら省みずにバーディ、あるいはイーグル狙いに行く。安全なゴルフではなく、よりエキサイティングなゴルフを見たいファンにうってつけである。また、当然距離を稼げるゴルファーの方がスコアを稼げる公算が大きい。そのため、タイガー・ウッズを筆頭に、デイヴィッド・デュヴォール、フィル・ミッケルソン、ヴィージェイ・シング等距離に自信のあるゴルファーが挙って参加しているのも特徴。過去の優勝者もミッケルソン、シングら飛ばし屋の名前が並ぶ。


予選通過の方法も、2日目を終わった時点で上位のゴルファーが週末の決勝ラウンドに進むのが通常のシステムだが、この大会だけは3日目が終わった時点でも足切りがあり、上位36以内に入っていなければ日曜にプレイすることができない。今回はそのため、タイガー・ウッズとデイヴィス・ラヴ3世が二人揃って1打差で日曜日に進めないという事態が起こった。アメリカのゴルファーの層の厚さを感じさせる。実際デイヴィッド・トムスはパー5、600ヤード以上のホールで、下りとはいえドライヴァー370ヤード!という距離を出して2オン狙いに行っていたし、他のゴルファーも皆350ヤード以上出していた。別にタイガーだけが飛ばし屋ではないんだと痛感させられる。大会の方は、最終日デイヴィッド・デュヴォールの猛追をかわして17番パー5でバーディをとって一時は逃したトップの座を奪回し、18番でもバーディをとったトムズが3点差で逃げ切った。セルジオ・ガルシアは3日目まではよかったけれども、最終日崩れて沈んでしまった。







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スプリント・インターナショナル

1999年8月   ★★★

コロラド州キャッスル・パインス・ゴルフ・クラブ

 
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