今年からスポンサーの電話会社のスプリントが撤退したため、前年まではスプリント・インターナショナルと呼ばれていたトーナメント名が、ただのインターナショナルとなった。スポンサーの名前を冠しないトーナメントは、PGAツアーとしては珍しい部類に入る。インターナショナルはモディファイド・ステイブルフォード・スコアリング・システムという独自のスコアリング方法を採用している。パーは0点、バーディは2点、イーグルは5点、ダブル・イーグルは8点で、この得点を加算していく。


一方、ボギーは-1点、ダブル・ボギー以下はすべて-3点得点が減らされる。ボギーの減点よりバーディの得点の方が大きいため、ゴルファーは少々の危険なら省みずにバーディ、あるいはイーグル狙いに行く。また、コロラドという高地にあるゴルフ場であるため、空気抵抗が少なく、ただでさえ飛ばすゴルファーの飛距離はさらに伸びる。その上パー5は打ち降ろしが多く、400ヤード内外のドライヴァーの飛距離がざらに出るのもこのトーナメントの特徴。400ヤードのドライヴァー・ショットか。一度でいいから打ってみたいものだ。予選通過の方法も、このトーナメントだけは3日目が終わった時点でも足切りがあり、上位36以内に入っていなければ日曜にプレイすることができない。


トーナメントの方は、初日15ポイントで首位に立ったトム・レーマンが、右足故障で2日目の途中で棄権してしまう。その後は同じ15ポイントで同率首位に立っていたアーニー・エルスが、トーナメント記録を塗り替える勢いで突っ走る。エルスは今年タイガー・ウッズの後塵を拝して2位に甘んじること3回、うち2回はメイジャーである。それはともかく、意外なのがリーダー・ボードに名前が載っているグレッグ・ノーマン。ノーマンが首位に絡むのを見るのは本当に久し振り。最終日はそのエルス、ノーマンにフィル・ミッケルソン、スチュワート・アップルビーが絡む。ミッケルソンはこのトーナメントで2勝しており、コースとも相性がよい。


ミッケルソン、アップルビーの二人とも17番パー5でイーグルの5ポイントを上げエルスに迫ったが、ミッケルソン44、アップルビー41と、僅かに及ばなかった。ノーマンは38で4位。エルスの48ポイントというのは、数年前にミッケルソンが打ち立てたトーナメント・レコードと同じ記録で、結局新記録樹立はならなかった。しかし、ヨーロッパでは勝っていてもアメリカではことごとくウッズに阻まれていた久し振りの優勝は、さぞ気持ちよかろう。2週間後は今年最後のメイジャー、全米プロがある。この分だとまたウッズとエルスの戦いが見れそうだ。







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インターナショナル

2000年8月3-6日   ★★★

コロラド州キャッスル・ロック、キャッスル・パインズ・ゴルフ・クラブ

 
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