ヒューストン・オープン

2003年4月24-27日   ★★★1/2

テキサス州ハンブル、レッドストーン・ゴルフ・クラブ

昨年のみ3月開催となったヒューストン・オープン、今年はまた例年通り4月開催となり、しかも今回から昨年オープンしたばかりの新コース、レッドストーン・ゴルフ・クラブがその舞台だ。その新舞台で、久し振りにフレッド・カップルスが初日から3日目まで首位をキープする。カップルスは3日目、7番パー4で第2打を池に落とし、一度は集団の中に沈むが、その後盛り返し、首位を奪い返す。結局3日目終了時点で、首位はカップルスの16アンダー、すぐ下15アンダーにはマーク・カルカヴェッキア、14アンダーにはスチュアート・アップルビーと続く。その他、12アンダーにはジェイ・ハーズがいるなど、40歳以上のゴルファーが上位に絡んでいる。ヴェテランが活躍する今季のツアーを象徴しているようだ。


それにしてもカップルスが優勝に絡むのを見るのは久し振り。カップルスは好きなゴルファーの一人なので、今回は是非勝ってもらいたいが、しかし、最近、優勝に絡んでもほとんど必ずと言っていいほど最終日に崩れている。今回は大丈夫だろうか。


最終日はカップルスが2日連続で7番で第2打を池に落とすなどしたため、カルカヴェッキアに並ばれる。勝負はこの二人の争いになるかと思われたが、するすると二人に並び、抜き去ったのはハンク・キーニー。キーニーはバック9の10番から17番までを5アンダーで回り、18アンダーとなってその時17アンダーで並んでいたカップルスとカルカヴェッキアを抜き去る。ヴェテラン活躍のように見せかけて、実は裏をかいて新鋭の優勝という筋書きだったか。


しかし飛ばし屋キーニーは、左フェアウェイに沿ってずっと池があり、ドライヴァーでティ・オフする必要のない18番パー4で、ドライヴァーを引っかけて池に落としてしまう。結局このホール、ボギーで、最終的に17アンダーでレギュレイションを終える。一方、カップルスはそこからじりじりとスコアを伸ばし始め、最後の5ホールを4アンダーで上がり、終わってみれば通算21アンダーと、17アンダーで2位のキーニー、カルカヴェッキア、アップルビーに4打差をつけての優勝となった。しかし最後の最後まで競っており、4打差もついたトーナメントにはまったく見えなかった。16アンダー5位にはハーズが入った。


カップルスは98年のメモリアル以来ほぼ5年ぶりの優勝で、もう優勝を狙えるのは無理かと思われていただけに、本人にとってもファンにとっても嬉しい一勝。よほど嬉しかったのだろう、カップルスは優勝インタヴュウで思わず声を詰まらせてしまった。私は長い間ツアーを見てきたが、いつも淡々とプレイするカップルスが感情をあらわにするのを初めて見た。存分に久し振りの優勝の感触を味わってください。







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