放送局: USA

プレミア放送日: 9/18/2001 (Tue) 21:00-23:00

製作: フラー・プロダクションズ

共同製作: オスカー・ルイス・コスト

監督/脚本: ウェスリー・ストリック

撮影: ジョナサン・フリーマン

編集: J. キャスリーン・ギブソン

音楽: ランディ・ミラー

美術: ジェフリー・ジン

出演: シェリル・リー・ダイアモンド (イヴ・ロビンス)、アンソニー・マイケル・ホール (テッド・ロビンス)、アレックス・カーター (ケイリー・グラント)


物語: テッドとイヴは新婚ほやほやだが、鞄のセールスをしているテッドは毎晩帰りが遅い。ある日事故を起こし、病院に担ぎ込まれたテッドを見舞ったイヴは、テッドの口から聞いたこともない女性の名前が漏れるのを聞く。毎晩遅くなるのは仕事のせいではなく、浮気をしているからと知ったイヴは、密かに復讐の計画を練る。イヴは地下室にテッドを誘い、隙を見て足枷をして閉じ込め、警察に夫が行方不明と届け出る。警察ではケイリーが担当となり、美しいイヴに惹かれるものを感じる。そのままイヴの平穏な日々が続くかと思われたが、ついに足枷からの脱出に成功したテッドは、逆にイヴに足枷をして閉じ込め、元の自堕落な日々に戻るが‥‥


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9月11日のテロリスト・アタックのせいで、今、アメリカのTV界は24時間報道体制でてんてこ舞いである。私も毎日毎日仕事から帰るなりTVに釘づけになる生活を続けていたが、段々それ以外のものが見たくなってきた。しかし、事件のせいで各ネットワークは一斉に秋の新番組のプレミアを延期しており、見る番組がない。かといって、だからといってコメディ映画のヴィデオを借りてきて見たいかというと、そういう気分でもない。私はただ、単純に、事件のことを一時くらい忘れさせてくれる逃避エンタテインメントが見たいだけなのだ。


それで見てみようかなという気になったのが、この、USAの「ヒッチド」である。USAが放送するTV映画というのは、B級然としたのが多く、安手のホラーやアクション映画がそのほとんどを占める。だいたい、金をかけないで製作するパニック映画やアクション映画が、安っぽくならないわけがない。それで、いつもはこのチャンネルが放送するオリジナル映画はほぼ無視しているのだが、時々、ツボにはまったような、B級だからこそ見てみたくなるような番組が登場することもある。放射能に冒された犬が人々を襲うという「アトミック・ドッグ」なんて、USA以外誰も製作しようなんて考えないだろうし、そうそう、「メアリ・ケイ・ルトーノー・ストーリー」なんてのもあった。


それで、わざわざそういうB級テイストのくだらなさを求めて見たのが、この「ヒッチド」である。とにかく、頭の中が様々な情報でくすぶっていることもあり、頭を使わないエンタテインメントが見たかったのだ。多分この番組、こういう時でもなければ一生見ることもなかっただろうと思うが、それが巡り合わせというものだろう。たまにはこういうこともある。


この番組、あらすじを読んでもわかる通り、状況が状況なら、まったく一笑に付すタイプの番組である。夫の浮気を知った新婦が、地下室に夫を監禁する。登場人物も少なく、多分その家と地下室がほとんどの舞台となるだろうから、製作費もほとんどかかってないに違いない。でも、やりようによっては面白くなるかも知れない。ヒッチコックならどう料理しただろうかと、つい考えてしまうようなシチュエイションを用意している。


見始めてわりあい感心したのが、主人公のイヴとテッドの背景を説明するために、結構屋外でのロケーションや、性格付けをはっきりさせるためのエピソードをちゃんと用意していることだ。とはいっても、やはりそこはB級らしく、いたるところで失笑ものの展開が起きる。それらが連続して起きるのが後半に入ってからで、最初はそれなりに、もしかしたら面白いかもと思わせたが、後半の脱線振りは、やはり期待通り? のものであった。


どうせこんな番組、見るものもいないだろうし、ヴィデオになるとも思えないからタネもばらしちゃうが、最初に監禁されたテッドは、チャンスを見つけて脱出に成功し、代わりにイヴを地下室に閉じ込める。しかしテッドはその後、やはり自分はイヴを愛していたんだと気づき、浮気先から愛するものの元へと車を走らせる途中、交通事故で死んでしまう。この展開、たまらないねえ。それに、その事故のシーンも金がないために撮影できなかったと見えて、事故そのもののシーンはなく、車の中から見た電柱のシーンの後は、いきなり事故で死んだテッドのシーンとなる。


そして、それからのひねり方が、これまたB級なんだが、テッドの事故死を知ってテッド宅に駆けつけたケイリーは、簡単に地下室を発見し、監禁されていたイヴを解放する。これまで全然役に立たなかったくせに、いきなりイヴに、本当は一目見た時から愛してたんだと愛を告白するケイリー。実は私もとイヴ。失笑もんです。最後のどんでん返しは、そのケイリーに足錠をかけ、テッドの代わりにケイリーを監禁したイヴが、男はすべて浮気をするもの。これであなたは一生私のもの、と告げて幕となるのだが、ま、B級の王道を行っていると言えば言えるかも。


主人公のイヴに扮するのは、「ツイン・ピークス」で、一時、多分世界一有名な死体となったローラ・パーマーを演じたシェリル・リー・ダイアモンド。こう言ってはなんだが、死体の方が綺麗だった。テッドには、一昨年「バトル・オブ・シリコンバレー」でビル・ゲイツに扮したアンソニー・マイケル・ホール。相変わらずの童顔だが、少しずつは歳をとっているようだ。しかしこちらも相変わらず代表作は15年前の「ブレックファスト・クラブ」というのもちと寂しい気がする。脚本/監督のウェスリー・ストリックは、ちょうど今、彼の書いたリーリー・ソビエスキ主演のホラー「グラス・ハウス (The Glass House)」が公開中である。まさかそちらの方もこんなチープなやつじゃないだろうな。


この番組、劇場で金を払って見たなら、金返せの激怒もんだと思うが、見た状態が状態だから、それなりに楽しんだ。USAがこの種の番組を作り続けているのも、それなりに意味があるかもと思い直した。今後またUSAのオリジナルTV映画を見る機会があるとは思わないけれども。







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Hitched

ヒッチド   ★1/2

 
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