HPクラシック

2004年4月29日-5月3日   ★★★1/2

ルイジアナ州ニュー・オーリンズ、イングリッシュ・ターン・ゴルフ&カントリー・クラブ

先週に引き続き、今週も雨に祟られたツアー、これで2週連続の月曜フィニッシュとなった。日曜に行われた第3ラウンドで17アンダーで首位に立ったのはツアー未勝利のジョー・オグルヴィで、マスターズ優勝のフィル・ミッケルソンとチャールズ・ハウエル3世が、2打差15アンダーで続く。さらにその1打差14アンダーには田中秀道がおり、毎年寒くなってくると上位に絡んでくる田中がこの時期に調子がいいのを初めて見た。


最終日はオグルヴィが安定して、こりゃツアー初優勝を飾るかなと思われた。ハウエルの調子は今一つだし、ミッケルソンも差を詰めていくとまでは行かない。そこを怒濤の追い込みで追いついたのは、誰あろう昨週のヒューストンでも勝ったヴィージェイ・シング。シングは15番パー5でイーグルを奪って21アンダーとなり、オグルヴィに並んだ。シングはバック9を29、この日9アンダー63の文句なしのベスト・スコア。


一方オグルヴィは並ばれたのはわかっているはずなのに、シングがイーグルを奪ったその15番で、充分2オンが狙える位置にいながら安全策をとって刻んでいき、結局パーで上がる。シングはさらに18番パー4でも25フィートのバーディ・パットを沈め、22アンダーとなって最後の最後で単独トップに立った。


シングに1打差のオグルヴィは、しかしどうしてもバーディを奪う必要のある18番で、ティ・ショットをラフに打ち込んでしまう。第2打はグリーン手前のバンカーへ。プレイオフにするためにはバンカー・ショットを直接カップに入れるしかない。そのバンカー・ショットは、するするとカップに向かって転がるも、なんと4分の1インチだけカップの左に外れる。あとボール4分の1転がりでカップに入ったはずだったのにという絶妙のバンカー・ショットだったが、天は彼に味方しなかったとしか言い様がない幕切れで、シングが昨週に続いてツアー2連勝、今季3勝目となった。15番でイーグルを奪ったシングと、その15番で攻めなければいけないはずのオグルヴィが、守りのゴルフをして結局スコアを縮めきれなかったところが勝負の分かれ目だった。


シングは昨年のこのトーナメントでも最終日追い込んでおきながら、バック・ナインで崩れるという負け方をしているが、今年はその鬱憤を吹きはらす見事な逆転劇を見せた。会心のゴルフだっただろう。ミッケルソンは最終18番でバーディを奪い、オグルヴィと同じ21アンダーで2位タイまで追い込んだ。4位には19アンダーで田中が入る健闘を見せた。17アンダー5位には、ジャスティン・ローズとハウエルが入った。ほとんど私と体格の変わらない田中が、ツアーで優勝するシーンを見たいなあ。







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