放送局: WB
プレミア放送日: 9/22/2000 (Fri) 20:30-21:00
製作: アーティスツ・テレヴィジョン・グループ、ダレン・スター・プロダクションズ
製作総指揮: ダレン・スター、ロビン・シフ
製作: エイミー・エンゲルバーグ、ウェンディ・エンゲルバーグ、ウィル・グラック
監督: アンドリュウ・フレミング
脚本: ダレン・スター
撮影: アレクサンダー・グラスジンスキ
編集: ブライアナ・ロンドン
音楽: マーク・マザースボー
出演: カイル・ハワード(デイヴ・メイ)、アイリーン・モロイ(ハンター・ファロウ)、ウィリアム・ラグスデイル(ロブ・フィールズ)、アル・サントス(ジョニー・ビショップ)、リンジー・スローン(マーシー・スターンフェルド)、ボニー・サマーヴィル(コートニー・スコット)、コール・サダス(クエンティン・キング)、ジョエリー・フィッシャー(ホープ・ラスティグ)
物語: プライムタイム・ソープ「グロス・ポイント」は番組の梃入れのために新しいキャラクターを導入することになった。しかし新キャラの一人に抜擢されたコートニーは上がってしまって本番で何度もとちり、過食症の気のあるマーシーは気を回し過ぎてうまく仲間の中に溶け込めない。男優スターのジョニーは本当は何も考えていないパーだったし、もう一人のスター、クエンティンは歳と禿げをごまかすのに精一杯だった。そして実質上彼等を束ねていたのが番組のヒロイン、ハンター。彼女は時に俳優仲間を脅し、プロデューサーをすかしたりしながら、今日も撮影に挑むのだった‥‥
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シドニー五輪も終わり、いよいよアメリカのTV界も秋の新シーズンが始まった。本来なら9月の下旬から始まる秋の新シーズンであるが、そこはそれ、どの局も裏番組にオリンピックなんか回したくない。どんな番組を持ってきても負けるのがわかりきっているからだ。というわけで、通常なら9月下旬から10月一杯くらいかけて始まる新番組投入が、今年はオリンピックが終わってからの10月にずれ込んだ。発表されている新番組の数が30本余り、そのほとんどすべてが10月に一斉に始まるのだ。しかもこの番組数はネットワークだけの数字であって、シンジケーションやケーブルTVの新番組は含まれていない。それも合わせると10月に放送が始まる新番組の数はゆうに40本を超える。
9月まではネットワークはどの局の番組編成を見ても再放送ばかり。それが一斉に従来の番組の新エピソードと共に新番組も始まるのだから、華やかしいのは喜ばしい限りだが、見る方も大変である。VCRをフル稼働させても全部見るのは到底無理。もちろん食指をそそらないものもあるから、そもそも最初から全部見る気は持ち合わせてないのだが、それでもプレミア放送日の発表された一覧表を見ると、思わずほうっと溜め息をついてしまう。単純計算でも毎日何か1本は新番組が始まるのだ。こりゃ、結構来るものがあるなあ。
今シーズンの新番組、今年はほぼ一斉に10月スタートと書いたが、その中で9月に始まった番組が2本だけある。UPNの「ガールフレンズ (Girlfriends)」と、WBの「グロス・ポイント (Grosse Pointe)」である。5年前から放送を始めたばかりの新興ネットワーク、UPNとWBは、まだ絶対的人気番組の数が少ない。だからこのように早めに時期をずらして新番組を投入することで、少しでも視聴者を稼いでおこうとするわけだ。実はこの、シーズン前から新番組を投入するというやり方はこれまでFOXが得意としてきたのだが、今年はしていない。FOXも大人になったのねという感じだ。
「グロス・ポイント」は現在、HBOの人気コメディ「セックス・イン・ザ・シティ」を製作しているダレン・スターが製作する、ソープ・オペラをパロったシットコムである。今年スターはFOXでも新プライムタイム・ソープの「ストリート (The Street)」を製作と、結構頑張っている。先シーズン、スターは多分代表作と言っても差し支えないだろう「ビバリーヒルズ青春白書」がついにFOXで最終回を迎えたが、ちゃんとその後釜を用意しているわけだ。この道では誰でも先達と認めるアーロン・スペリングのすぐ後ろにしっかりと控えているという印象を受ける。スペリングが横綱とするならば、スターは大関といったところか。
そのスターの製作する「グロス・ポイント」、ソープ・オペラのパロディという、自分で自分のしていることを茶化したような番組である。番組タイトルとなっている「グロス・ポイント」は、番組内で製作されているプライムタイム・ソープのタイトルでもあり、つまりこの番組は番組内番組という入れ子構造になっている。(混同を避けるために今後番組内番組に言及する時は『グロス・ポイント』とかぎ括弧つきで区別させてもらいます。)
この『グロス・ポイント』、これまでのスター製作番組を見ていれば一目瞭然なのだが、完全に「ビバリーヒルズ青春白書」の楽屋落ち的なソープとなっている。「グロス・ポイント」はそれを笑い飛ばすシットコムというわけだ。『グロス・ポイント』の女性側の主人公とも言うべきハンターは、いわゆる性格の悪い「ビッチ」として造型されているのだが、これなんか完全に「ビバリーヒルズ」のシャネン・ドハーティがやった役をおちょくっているらしい。らしいというのは、私はほとんど「ビバリーヒルズ」を真面目に見たことがないので、実際にドハーティがどのくらい性格悪い役柄だったのか実はよくわからないからだ。しかしちらちらとは何度も見ているので、絵作りが完全に「ビバリーヒルズ」を模写したものであるということはよくわかる。また、登場人物の一人が過食症っぽく描かれており、見る人が見ればすぐトニ・スペリングとわかるため、父のアーロン・スペリングが書き直しを求めてきたという逸話も伝わっている。
番組は始まってからすぐ、登場人物の喋る話題にMTVの「ダリア」やらWBの「フェリシティの青春」やらが絡まってきて、なるほど、これはプライムタイム・ソープだけでなく、若者がよく見る番組一般を視野に入れておちょくっているわけだなと思わせる。さすが業界内の裏表を知り尽くしているスターが製作しているだけあって、他にも思わずにやりとさせられるところが何箇所もある。ただし、私は元々ソープをよく見ているわけでもなし、それなりににやりとしても、思う存分笑うとまでは行かなかった。ソープ好きが見るとこたえられないのかも知れない。
