まず普段なら見ることのないシリー・シーズン、久々にチャンネルを合わせたのは、タイガー・ウッズが本当ならあり得ないこの時期にフライズに出ており、しかも予選落ちしそうということで、アメリカのマスコミが喧しいからだ。おかげでギャラリーもウッズを見ようと鈴なりで、この時期としては珍しく人出の多いこと。


ウッズはいくら本調子じゃないとはいえ、プレジデンツ・カップが目前ではなく、しかもそのカップに推薦という枠で出場するのでなければたぶん出なかったと思うが、これでカップで結果を出せなければ何を言われるかわかったもんじゃなく、どうしても調整して勝負カンをとり戻しておく必要があったのだろう。


そして私見ではこちらの方が大きかったんじゃないかと思うのだが、推薦という枠で出て結果を出せなければ、ウッズをピックしたキャプテンのフレッド・カップルズが叩かれることが目に見えており、ウッズとしてはどうしてもカップルズの顔に泥を塗る真似だけは避けたかったこと、そしてそうなった場合、それまではなにかとウッズの肩を持っていたゴルファー仲間から、今度こそ本当に見放される可能性を考えたからじゃないだろうか。こういう厳しい状態に追い込まれた時の状況判断こそ、ウッズの本当の勝負カンが生きる時だと思う。今は自分のメンツ云々にこだわっている時ではない。


しかしそれでも、ファンがウッズにホット・ドッグを投げつけたとして、それがまたニューズになっていた。完全復活までの道は険しいようだ。結局ウッズは2日目から3日連続で60台で回り、無事予選通過した。


それよりもプレイオフにもつれ込んだトーナメントが面白く、ついつい見てしまった。しかも念のためにゴルフ・チャンネルの中継予定を1時間ほど長く録画セットしておいたのに、それに収まり切れないプレイオフとなり、しまったと思いながら残りはPGAのサイトで確認したのだった。


そのブライス・モールダーとブライニー・ベアードで争われたプレイオフは、17番パー4と18番パー4で都合6ホールに渡って続けられた。17番はリーチャブルのために二人とも何度も1オン狙いでバーディをとり続けた。


プレイオフ4ホール目での18番でのティ・ショットは、モールダーがもう少しでクリーク入りというラフ、というかほとんど手の入ってない草むらの中に打ち込み、ダメかと思われたところから2オンさせ、パーを拾って勝負を続ける。そしてプレイオフ6ホール目の18番目で、6フィートのバーディ・パットを沈めたモールダーがツアー初優勝。プレイオフ7ホールまでもつれ込んだ2001年のNEC招待を思い出した。そう言えばあれもウッズだった。









 

フライズ・ドット・コム・オープン   ★★★1/2

2011年10月6日-10月9日、 カリフォルニア州サン・マーティン

コードヴァル・ゴルフ・クラブ

 
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