フォード・チャンピオンシップ

2005年3月3-6日   ★★★★

フロリダ州マイアミ、ドラール・ゴルフ・リゾート&スパ

アーニー・エルスを除く世界ランキング上位12人のうち11人が参加している今回のフォード・チャンピオンシップ、メンツの点では文句のない布陣だ。ただし舞台となるドラールのブルー・モンスターは、近年のテクノロジーの進歩のせいか、それともより層の厚くなったゴルファーのレヴェルがアップしたためか、最近はモンスターとは名ばかりで、たとえシグニチュア・ホールの18番パー4の距離を少し長くしようとも、どんどんロウ・スコアを産出し、世界のベスト・ゴルファーの前に屈している。


今回もそれは例外ではなく、特に好調フィル・ミッケルソンは、初日8アンダー64、2日目66、3日目66、3日目終了時点で20アンダーと、既に昨年の優勝スコアを上回る文句なしのでき。しかもミッケルソンを追うのは18アンダーのタイガー・ウッズで、その下第3位は14アンダーとなってしまう。13アンダーには世界ランキング1位のヴィージェイ・シングがおり、その他上位陣にはデイヴィッド・トムズ、レティーフ・グーセン、昨年の覇者クレイグ・ペリー、旧チャンピオンのジム・フューリックの名等も見えるが、今年度のできのミッケルソンと完全復活の兆し大のウッズにトップを走られているんでは、可能性はほとんどあるまい。特にミッケルソンはFBRオープンの2日目以来、10日連続でトーナメントで首位に立っている。果たして最終日、ウッズはミッケルソンをとらえきれるか。


最終日はトムズやシング等が地道にスコアを伸ばすが、やはりミッケルソンとウッズには届かず、予想通り勝負は二人の一騎打ちとなる。ウッズは8番パー5でバーディを奪った時点で21アンダーとなっていったんはミッケルソンに追いつくが、同じホールで直後にミッケルソンもバーディを奪い22アンダーとなってまた先を行く。しかし10番パー5でまたバーディを奪ったウッズに対し、ミッケルソンはパーで手を打たざるを得ず、ついに二人は22アンダーで並ぶ。そして12番パー5でウッズが25フィートのイーグル・パットを決め、一方のミッケルソンはここでもパーで上がり、ウッズ24アンダー、ミッケルソン22アンダーとついに逆転したどころか、一気に2打差がついてしまう。勝負あったか。


しかし今季好調のミッケルソンはここから再び盛り返す。13番パー3、14番パー4で連続バーディを奪い、二人は再び24アンダーで並ぶ。いや、なんか、メイジャーを見ているような手に汗握る展開になってきた。そしてこの日最大のツイストは16番パー4でやって来た。370ヤードとはいえ、ドッグ・レッグ・レフトのグリーンは、直線で狙えば320ヤード、ここで昨日、史上初めてウッズがドライヴァーのフル・スウィングで1オンさせたのを見たばかりだ。


しかしミッケルソンは最初から刻むつもりで3ウッドでティ・ショット、一方のウッズは大きく右に外れてラフの中へ。バンカーにつかまったミッケルソンの第2打はグリーン・オーヴァーのフリンジに止まり、一方のウッズの第2打はぎりぎりを狙いすぎてグリーン際に落ちた後、バンカーに滑り落ちる。ウッズのバンカー・ショットは15フィート残し、ミッケルソンのチップ・ショットも5フィート残す。まずウッズがパー・パットを外し一打後退、ここで是非ともパー・セイヴしておきたいミッケルソンのパー・パットもカップに蹴られ、バーディ・ホールのはずのショート・パー4の16番で、二人共ボギーを叩いてしまう。


そして続く17番では、第2打をミスってカップまで40フィート、そこからパーしか拾えなかったミッケルソンを尻目に、ウッズは15フィートのバーディ・パットを沈め、またウッズが1打リードして最終18番パー4を迎える。二人共ティ・ショットはフェアウェイをキープした後、先に打ったウッズの第2打はピン・ハイといえども下りの難しい40フィートを残すが、一方のミッケルソンの第2打もわずかにグリーンをオーヴァーしてしまう。


ウッズのパットは4フィート・オーヴァーし、これを入れなければ自力プレイオフの道が断たれてしまうミッケルソンの20フィートのチップ・ショットはカップに向かって転がり、これは入ったかと思った瞬間、無情にも右端に弾かれてこぼれてしまった。これを見たウッズはウィニング・パットを慎重に沈め、24アンダーで熱戦に終止符を打った。19アンダー3位にはシングとザック・ジョンソン、17アンダー5位にトムズ、16アンダー6位にはホゼ・マリア・オラハボルとペリー、15アンダー8位にグーセンとフューリックが入った。これでウッズは世界ランキング・ナンバー1に返り咲き。一方、ミッケルソンは今晩は眠れまい。 





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