フォード・チャンピオンシップ

2003年3月6-10日   ★★★

フロリダ州マイアミ、ドラール・ゴルフ・リゾート&スパ

2年前にドラール-ライダー・オープンからジェヌイティ・チャンピオンシップとトーナメント・スポンサーが変わり、今年またフォード・チャンピオンシップと新しいスポンサーに変わったこのトーナメント、開催地のドラール・ゴルフ・リゾート&スパのブルー・モンスターだけは変わらない。いずれにしても、車のメイカーがスポンサーになるトーナメントは、必ずパー3のホールでエースをとったら新型のモデルをプレゼントするというおまけ/プロモーションがあるため、ギャンブルっぽくなって、多少なりとも勝負が華やかになる。


さて勝負の方は、3年前にもこのトーナメントで勝っているジム・フューリックと、久方振りで優勝に絡むスコット・ホウクがレギュレイション終了時点で17アンダーで並び、12年ぶりのプレイオフとなった。18番パー4で行われたそのプレイオフ、フューリックがドライヴァーを引っかけてフェアウェイ左、池沿いに長く伸びる捨てバンカーへ。NBCの解説のジョニー・ミラーが、これは本当なら池ぽちゃだとなぜだか力説していたが、彼はハザードのくせして逆にゴルファーのミス・ショットを助けてしまうこのバンカーが気に入らないようだ。いずれにしてもホウクはフェアウェイをキープしているため、これでホウク断然有利。


フューリックの第2打は、力を入れ過ぎたか、グリーンを大きくオーヴァーして直接ギャラリーの陣取る観客席へ。グリーンそばのラフにフリー・ドロップとなったが、それがなければグリーンを20ヤード以上オーヴァーしていたのは間違いなく、観客席に救われた格好。ホウクは18フィートのバーディ・パットをわずかに外し、フューリックもうまくラフからのアップ&ダウンに成功し、結局このホール二人ともパーで上がり、勝負はプレイオフ第2ホール目の1番パー5へ。


ここで今度はホウクのティ・ショットがバンカーにつかまる。そしたらボールは、バンカー内に刻まれたギャラリーの誰かの足跡の中にすっぽりと収まっている。滅茶アンラッキー。レギュレイションが終わった後のコース監視なんて、誰も気にしてもいなかったんだろう。それでもホウクは、このボールをひっぱたいてグリーン手前100ヤードまで持っていく。あれをダフったりトップしたりしないなんて、その辺はさすが年季の入ったプロだ。


一方のフューリックもティ・ショットをラフに入れたため、こちらもレイ・アップ。そして第3打、ホウクはピン奥7フィート、フューリックもピンそば6フィートまで持っていき、共にバーディ・チャンス。そこでホウクは、なんと暗くなってグリーンのアンジュレイションが読めないと言い出し、勝負はサスペンデッド、明日まで持ち越しとなった。フューリックも、パットしてもよかったのだが、本当ならホウクが先にパットするべきところを自分が先にパットすることを嫌い、結局勝負を決めるはずのパットは月曜朝8時まで順延となった。


しかしミラーは順延が決まって、「嘘だろ、そんな、あり得ない」と叫んでいたが、確かに見ている者の立場から言うと、 いくら暗くなってきているとはいっても、せめてこのホールくらいは終わらせてもいいんじゃないのと思うのだが。まあ、その1パットで1位と2位で50万ドルもの賞金の差がつくとなると、これで生活しているプロにとっては譲れないというのもわからないではないが。しかも47歳のホウクにとって、今度いつ優勝のチャンスがめぐってくるかはちとわからないし。とはいってもねえ、せめて1パット‥‥いずれにしても、明日朝8時からの決勝パットの中継を録画しておくことを忘れないようにしなければ。


と思っていたのにいーーっ、それでその日のうちにVCRのタイマーはセットしといたのに、翌朝肝心かなめのケーブルのチャンネルをセットするのを忘れてオフィスに出勤してしまった。思い出した時は後の祭りである。家に帰るとVCRはただただ真っ黒な画面を録画していた。それでしょうがなくネットにアクセスして、二人ともそのホールではバーディを奪い、プレイオフ3ホール目の18番パー4で、ホウクがまたバーディを奪い、フューリックをうっちゃったということを知ったのであった。ところでこのトーナメント、週末はNBCが中継したのだが、月曜はなぜだかABC系列のESPNが中継した。因みに水、木は中継したのはUSAである。誰が中継するかの権利は、細かいところまで事前に決められているようだ。


それにしても、ツアー初勝利を飾ったゴルファーが続出した昨年のシーズンと異なり、今シーズンはヴェテラン勢が頑張っている。ボブ・ホープ・クラシックでも49歳のジェイ・ハーズがもう少しで優勝だったし、今回優勝のホウクは47歳だ。たった2か月の差でまったくシーズンの印象が異なるのも、不思議といえば不思議だ。それからドバイ・クラシックでプレイしたアーニー・エルスは、1打差で2位となった。うーん。







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