FBRオープン

2008年1月31日-2月3日   ★★★

アリゾナ州スコッツデイル、TPCオブ・スコッツデイル

今回のFBRオープン、3日目を終わって14アンダーで首位は一昨年優勝のJ. B. ホームズ。2打差12アンダーでチャールズ・ウォレンとジョナサン・バード、3打差11アンダーでベン・クレイン、ニック・オハーンと続く。高い木が少ないスコッツデイルは確かにホームズのような飛ばし屋有利に見えるが、結構水も絡み、一概に飛べばいいというもんでもないだろう。実際ホームズ以外にも飛ばし屋はいる。それでもホームズや、毎年と言っていいほどフィル・ミッケルソンが優勝に絡むところを見ると、コースと相性のいい飛ばし屋というのはありそうだ。そのミッケルソンは4打差10アンダーと、圏内と言えるか。つい数時間前にデュバイでタイガー・ウッズが4打差をひっくり返して優勝したのを見たばかりだ。


最終日は首位のホームズを筆頭に混戦模様となり、3打差内に10人くらいのゴルファーがひしめく。その中から抜け出してホームズをとらえたのは、誰あろうミッケルソン。ミッケルソンは17番パー4でバーディを奪い、14アンダーとなってついにホームズに並ぶ。ミッケルソンは18番パー4でも惜しいバーディ・チャンスがあったが逃し、結局14アンダーでレギュレイションを終える。一方のホームズは15番パー5で2オンを狙った第2打を池に落としてボギー、13アンダーとなって逆にミッケルソンを追う立場となる。


ホームズは16番パー3、17番パー4でも入れ頃のバーディ・パットがあったがこれをはずし、迎えた18番でいつも通りにドライヴァーでめいっぱいぶん回しての350ヤード・ドライヴでとにかくできるだけグリーンに近いところまで持っていく。ラフにつかまる可能性は高いとはいえフェアウェイを外したからといって邪魔になる木はなく、300ヤード以上キャリーすれば池ぽちゃの心配のない18番は、飛距離を出せるゴルファーにとってはこの攻め方がもっとも有効だろう。実際ホームズはラフに捕まったものの第2打をカップ下15フィートに乗せ、バーディ。ホームズとミッケルソンが共に14アンダーでプレイオフになった。


ホームズは今度は350ヤードのドライヴを、今度はきちりとフェアウェイに乗せる。同じくフェアウェイとはいえ40ヤード後方からのミッケルソンの第2打はグリーン右、フリンジすれすれのカップから20フィートに止まる。バウンス次第ではバンカーに落ちる可能性もあった。ホームズの第2打はピンに絡めてのピン上7フィートと、圧倒的にホームズ有利。ミッケルソンのバーディ・パットがカップをかすめて5フィート行き過ぎた後、ホームズはこのパットを沈めて、このホール2連続バーディでミッケルソンをうっちゃった。13アンダー3位にはウォレン、12アンダー4位にはスチュアート・アップルビー、スティーヴ・エルキントン、ケヴィン・ナー、ケヴィン・サザーランド、クレイン、ブー・ウィークリーが入った。ホームズはツアー2勝目。もちろん2勝ともFBRだ。


これで同じ日に世界ナンバー・ワンとナンバー・ツーが地球のこちら側とあちら側で最終日4打差を追いつくという熱戦を見せたわけだが、そこで追いついて逆転して勝ったウッズと、追いつきはしたもののまた突き離されて負けたミッケルソンというのが、ここ一番の二人の差というものを象徴しているような気がする。それでも、そのウッズにたまさか土をつけることができるのはミッケルソンくらいなんだが。


ところでFBRのあったアリゾナは同日、NFLのスーパーボウルも開催された。今期は17戦全勝中のニュー・イングランド・ペイトリオッツ対ニューヨーク・ジャイアンツという人気チーム同士、しかも両者はレギュラー・シーズン中に最終戦で一度対戦しており、ゲーム終了間近に劇的な逆転タッチ・ダウン・パスでペイトリオッツが勝って全勝でシーズンを終えるという熱戦を見せた。ジャイアンツにとってはその雪辱戦になるわけで、ニューヨークは猫も杓子もスーパーボウル一色という感じで、このくらい事前に盛り上がると、いくら普段はNFLなぞまったく気にしない私でも気になる。


とはいえもちろんそれでもフットボールなんか屁だという者も当然いる。だいたいは婦女子であるわけだが、私が夕方外出して帰ってくると、ビルのエレヴェイタで乗り合わせた上の階のおばさんがいきなり私に向かって、あんたもフットボール見るのか、私は大っ嫌い、モーガン・フリーマンとジャック・ニコルソンが出ている「バケット・リスト」を見に行くんだ、と、さも憤然として出て行った。そう言われても。旦那や子供たちがとにかくよるとさわるとフットボールの話しかしないのが癇に障るらしい。いわゆるフットボール・ウィドウというやつだ。いや、別にそこまで嫌いならしょうがないが、でも、ゲームは私の目から見てもやはり面白かったぞ。いずれにしてもおかげでこの日は朝からデュバイ、FBR、スーパーボウル、その合間には車を駆ってたまたまニューヨークを訪れている知人とノーホーで昼飯、さらに洗濯までこなす超忙しいスーパーサンデイであった。







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