放送局: NBC
プレミア放送日: 10/26/2000 (Thu) 20:30-21:00
製作: NBCステュディオス、アーティスツ・テレヴィジョン・グループ
製作総指揮: アダム・チェイス、アイラ・アンガーレイダー、マイケル・カーティス
共同製作総指揮: スティーヴン・ウェーバー
製作: パトリシア・パーマー
監督: ジェイムス・バロウズ(プレミア)
クリエイト/脚本: ミッチェル・ケイトリン、ナット・バーンスタイン
撮影: ニック・マクリーン
編集: ビル・ロウ
音楽: ジョナサン・ウルフ
美術: グレッグ・グランド
出演: スティーヴン・ウェーバー(ジャック・ネイグル)、クリス・エリオット(ラリー・ヘックマン)、エイミー・ピーツ(メリッサ・テイラー)、ウェンデル・ピアース(ウェンデル・シムス)
物語: シカゴの大手広告代理店に勤めるジャックは、これまで成功のレールを上を歩く文句ない人生を送っていた。別れたりくっついたりを繰り返すガールフレンドのメリッサとの仲も最近は申し分なかったのだが、一人の女性に深入りすることを怖れるジャックは、彼女と別れる決心をする。ジャックは会ったこともない相手とデートするブラインド・デートに赴くが、ギリシア系のその女性は超のつくおしゃべりで、一時たりともしゃべることをやめない。ついにぷっつんときたジャックは思わずストップと怒鳴り、もう会わないでおこうと提案する。
怒った相手はジャックの髪を数本引きちぎると得体の知れない言葉を呟き、ジャックにキスをしてこれで呪いがかかったと宣言する。実際、ジャックはその後いきなり不運続きになり、会社でも約束されていた昇進どころか逆に格下げになってしまう。なんとか人生を元のレールに戻したいジャックは、これまで邪魔だと思っていたルームメイトのラリーも、彼がいなくなってしまうと家賃も払えなくなるため説得して引き留め、メリッサとの仲もやり直そうと彼女のアパートに出向くのだが‥‥
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長らく続いたシットコム「ウィングス」で知られるスティーヴン・ウェーバー主演のシットコム。ここでウェーバーが扮するのは、これまで順風満帆の人生を歩いてきたのにひょんなことからとある女性に呪いをかけられ、いきなり人生の坂を転落していくついてない男ジャックという設定。共演はガールフレンドのメリッサにエイミー・ピーツ、ルームメイトのラリーにクリス・エリオット、会社での同僚ウェンデルにウェンデル・ピアースが扮している。製作総指揮は、「フレンズ」出身のアダム・チェイス、マイケル・カーティス、アイラ・アンガーレイダーの3人。ウェーバー自身も共同製作総指揮として参加している。プレミア監督は、米TV界の重鎮、ジェイムス・バロウズが担当している。
「カースド」は今年、新シーズンが始まる前に結構話題を提供した。というのも、この番組が現在NBCが誇る「マスト・シー・TV (Must See TV)」と呼ばれる木曜夜の最強の時間帯に編成されることが決まっていたからである。この時間帯、8時に「フレンズ」、9時に「ウィル&グレイス」、9時半に「ジャスト・シュート・ミー (Just Shoot Me)」、そして10時からは「ER」が編成され、現在のアメリカTV界で最強の人気を誇る。今シーズン、この時間帯で8時半からの唯一の新番組となる「カースド」が注目されていたのも当然のことだった。
しかしその「カースド」、当然のことながら番組自体にそれなりのレヴェルが要求されたが、いかんせんできあがったパイロットがNBC首脳陣に受けがよくない。結果、何度も撮り直しが命ぜられ、ついには当初10月12日に予定していた、既に発表されていたプレミア放送日に間に合わなくなってしまった。「呪われた」を意味する番組タイトルを持つ「カースド」は、やっぱり呪われていたと大きく報道され、そのためか番組タイトルが「カースド」から主人公を演じるウェーバーの名を冠した「スティーヴン・ウェーバー・ショウ」と改題された。二転三転の末、結局また元の「カースド」に落ち着き、やっとのことで予定から2週間遅れで10月26日にプレミアが放送されたのだ。
と、これで決着がついたと思っていたら、12月になって一応この番組も視聴者に定着したと判断したNBCは、番組名をまた「スティーヴン・ウェーバー・ショウ」に戻すと発表した。もう「カースド」で始まってしまったのに、視聴者もそれに慣れたのに、なんでまたわざわざ混乱を起こすような真似をするんだか。この番組は呪われていると散々マスコミに叩かれたのが、よっぽど不服だったと見える。意地でも「カースド」という番組名は維持しないと決心したようだ。はいはいお好きなようにして下さい。視聴者は結局面白ければ見る、面白くなければ見ない、それだけのことです。
しかしまあ、プレミアを見てみると特に悪いということもないんじゃないの、というのが私の第一印象である。それとも撮り直しが功を奏したのか。滅茶面白いとも言わないが、一応水準はクリアしているように見える。ただし、その中ではトップ・クレジットの主人公を演じるウェーバーが、とりたてて特筆に値するような印象を残さないところが、難と言えば難である。ウェーバーは3年前、スティーヴン・キングの原作を映像化した「シャイニング」で新境地を得たかと思ったんだが、今回は別に貶そうとも思わないが、感心もしなかった。
一方、共演の悪友のハリーを演じるエリオットとガールフレンドのメリッサ役のピーツはよい。同僚のウェンデルを演じるピアースもうまい感じにボケている。シットコムには主人公より脇のうまさで笑わせるものが結構ある。主人公に知名度のある役者を持ってきて、とにかく最初視聴者の興味を惹き付け、笑い自体はうまさのある脇でとるというタイプである。一昔前にブルック・シールズを主人公に起用した「サドンリー・スーザン」なんてその典型だし、今シーズンABCで始まった「ジーナ・デイヴィス・ショウ」もそうだ。ウェーバーは7年も続いた「ウィングス」に主演していたわけだから実力がないとは言わないが、少なくともプレミアを見る限りぱっとしない。
実際、「カースド」でのウェーバーなんて、ただツキが落ちて右往左往するだけで、彼が中心になって笑いをとるシーンなんてほとんどなかった。少なくとも、私はウェーバーを窮地に追い込む脇役の方に笑わされた。その中では、医者でありながらせこいルームメイトのラリーを演じるエリオットが、嫌みったらしくて最もいい。元々TV界ではよく知られたコメディアンだが、「メリーに首ったけ」のウージー役で一気に知名度を上げた。父のボブ・エリオットも著名なコメディアンだそうだが、残念ながら私はそちらの方はよく知らない。
個人的には、メリッサを演じるピーツが私が現在最も好きなTV界の女優の一人でもあり、印象に残った。ブロンド主流の米シットコム界で頑張る数少ない主役級のブルネットで、健康的なお色気がいい。「キャロライン・イン・ザ・シティ」では主人公のレア・トンプソン演じるキャロラインの隣りに住む男狂いの女性という役柄で、とにかくいつもいい男を漁っているほとんど色情狂的な役柄だったが、彼女の印象にうまくマッチしていた。そういえば「キャロライン」も笑い自体は主人公のトンプソンよりはピーツの方がとっていたな。
「カースド」は現在のところ、直前に放送されている「フレンズ」には視聴率は及ぶべくもないが、放送するNBCが番組に追加オーダーを与え、少なくとも今シーズンは生き延びることが決定している。しかしこの枠は、過去、好視聴率をとりながらもキャンセルされた番組の例が跡を絶たないのだ。私としては、定期的にピーツを見ることのできるこの番組に生き延びてもらいたいと思っているのだが。
