3日目を終わって17アンダーで首位はティム・クラーク。15アンダー2位にスティーヴ・マリノ、ジェイソン・デイ、スティーヴ・ストリッカー、13アンダー5位にヴィージェイ・シングが続く。ディフェンディング・チャンプのフィル・ミッケルソンはワイフのエイミーの乳ガンが発覚し、治療を受ける彼女のそばについてやるために、今後無期限のプレイ休止だそうだ。正直言って、今後働かなくても食っていけるくらいの金が既にもうあるのかということの方に感心してしまった。私よりも若いのに。
さて、最終日は前半クラークの調子が今一つだったために伸び悩み、一時は首位をストリッカーに譲る場面もあったが、クラークも盛り返し、19アンダーとなって一時は後続に2打差つける。一方連続ボギーで沈んでいくように見えたストリッカーも後半持ち直して踏ん張り、マリノもパー・プレイながら粘る。そしてクラークがまた最後にボギーが続いたことで、結局クラーク、ストリッカー、マリノの3人が17アンダーでプレイオフとなった。
18番パー4でのプレイオフは、マリノが40フィートのバーディ・パットをあわや沈めそうになるなど3者とも勝つチャンスがあったが全員パーで上がり、勝負はプレイオフ2番目の17番パー4へ。マリノはティ・ショットを左に曲げ、木の下からのショットは枝をかすめてグリーンまで届かない。一方、ストリッカーの第2打はカップまで3フィートにつける。これを見て打ったクラークの第2打はなんとフラッグを直撃、20フィート跳ね返ってしまう。フラッグに当たってさえなければカップに絡んだのは必至だっただけに、なんともアンラッキーなショットになってしまった。一瞬、いつぞやのドラールでのプレイオフでクレイグ・ペリーが第2打を直接カップ・インさせるサヨナラ優勝を思い出させたが、今回はそうは問屋が卸さなかった。
そしてマリノがまずボギーで脱落した後、クラークも20フィートのバーディ・パットを外す。ストリッカーはバーディ・パットを沈め、プレイオフを制した。ストリッカーは最終日、ショート・パットをいくつも外していたが、レギュレイションでは17番でまさかのグリーン下からの50フィートのチップ・ショット・バーディを奪っており、このホールと相性がいい。一方クラークはレギュレイションの18番で入れ頃のパー・パットを外し、プレイオフでも6フィートのバーディ・パットを外した。さらにプレイオフ17番でのフラッグ直撃は大きくこたえたようで、ストリッカーが優勝を決めた後、握手もせずにストリッカーのそばを通り過ぎた。本当にがっくり来たんだろう。