放送局: NBC
プレミア放送日: 5/31/2000 (Wed) 21:30-22:00
製作: ミラマックス・テレヴィジョン、タッチストーン・テレヴィジョン
製作総指揮/クリエイター: ケヴィン・スミス、スコット・モシエー、デイヴィッド.マンデル
製作総指揮: ハーヴィー・ウェインシュタイン、ボブ・ウェインシュタイン、ビリー・キャンベル
ストーリー: スティーヴ・ルックナー
脚本: スティーヴ・ルックナー、デイヴ・マンデル、ケヴィン・スミス
監督: スティーヴ・ローター
アート監督: アラン・ボドナー
編集: ジョン・ロイヤー
音楽: ジェイムズ・ヴェナブル
声の出演: ブライアン・オハロラン(ダンテ)、ジェフ・アンダーソン(ランドール)、ジェイソン・ミューズ(ジェイ)、ケヴィン・スミス(サイレント・ボブ)、アレック・ボールドウィン(レオナルド・レオナルド)
物語: ダンテはニュー・ジャージーのコンヴィニエンス・ストアで働いているしがない店員。悪友のランドールはいつもダンテをひやかしているのだが、こんな仕事、誰にでもできると言って憚らない。それならとランドールに仕事を任して朝寝を決め込んだダンテだったが、やっぱりランドールは揉め事を起こしていた。そんな時、遊びに来たジェイが店の中でスリップして転んでしまう。頭に来たジェイは店を訴えてやると息巻き、1,000万ドルの訴訟を起こす。驚いたことに裁判での陪審員は皆NBAのスターばかり。無論裁判は紛糾、事態はまるで収拾がつかなくなる‥‥達は彼を遠巻きにするようになり、マルコムは一人孤立してしまう‥‥
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ケヴィン・スミスが製作/脚本/監督/主演/編集した94年のカルト・ヒット作「クラークス」をアニメ化。こういう番組を放送するのはてっきりFOXかNBCだと思っていたら、どちらかというと家族向け番組の多いABC。最近ネットワークは局のカラーが薄れてきたなあ。とにかく見込みがあると見ると何にでも手を出したがる。製作総指揮に、インディ系のメイジャーという、ほとんど矛盾した映画製作会社ミラマックスを運営する ハーヴィーとボブのウェインシュタイン兄弟の名を見つけて、なおびっくりというか、納得。そうか。「クラークス」はミラマックスが配給したし、そのミラマックスは今やインディペンデントの配給会社というのは名ばかりで、ディズニー傘下である。その経路で、同じディズニー傘下のABCで放送されるわけね。なるほど。
「クラークス」は基本的に映画と登場人物は同じ。ニュー・ジャージーのコンヴィニ・ストアの冴えない店員の日常を描く、いわゆる人生のルーサー(負け犬)たちの物語。しかし、映画と登場人物は同じでも、ここで描かれる話はまったくのフィクショナルな奇想天外な物語である。アニメーションということもあり、思いっきりはめを外して作り手自身が楽しんでいるという印象を受ける。
プレミアの話は、なんといっても有象無象のセレブリティが大挙して出演する後半の裁判のシーンがメイン。スポットライトに照らされて登場するチャールズ・バークリー、レジー・ミラー、グラント・ヒル、パトリック・ユーインら、プロ・バスケットボールのNBAのスーパースターを取り揃えた陪審員の面々から、証言台に立つジョージ・ルーカスやスティーヴン・スピルバーグまで、まるで物語に脈絡はなく、ただ単にお遊びである。もちろんこんなんでは辻褄が合わないからまるで収拾がつかなくなり、しまいには「この話の後半のスクリプトは失われ、韓国人が残りの部分を製作した」というテロップと共に、いきなり画面にハングル文字らしきものが現れ、眼の中に星がきらめいているアジア系のアニメ・タッチの絵となって、強引に話を終える。こりゃ、どっちかというとコリアン・アニメというよりも「ポケモン」をおちょくっているような気がしたが。
それなりにおかしいんだけれどもね、私は子供時代は骨の髄まで手塚治虫や石森章太郎のマンガに浸っていた口だからして、どうしてもこの手の極端にデフォルメした欧米のアニメーションには惹かれない。手塚治虫だってここの人から見れば極端にデフォルメしたマンガということになるのだろうが、とにかく、どうしても好きになれない。ディズニー映画だって、「ライオンキング」や「ノートルダムの鐘」はともかく、「ポカホンタス」や「ヘラクレス」なんて、なんであんなに魅力のない絵にしちゃうんだろう、あれじゃあどんなにストーリーがよくても見に行く気がしないよと思っていた。
だから当然「クラークス」にも惹かれない。下手くそな絵だなあと思っていた。ところが、あんなにデフォルメした絵なのに、登場するセレブリティなんか、うまく本人の特徴をつかんでいて一見しただけですぐに誰だかわかる。「シンプソンズ」よりうまい。ということは本当に下手なわけではなく、最初からそういう風にしようと思って描いているわけだ。しかしなあ、あんな絵じゃ、アメリカ人だって惹かれないと思うんだが、本当のところはどうなんだろう。別に皆気にしないんだろうか。アニメで絵に魅力がなかったらそれだけでもう失敗作のような気がするんだが。でも、皆似たような絵の日本のアニメよりはこちらの方が製作者の個性が出てていいと思っているのか。よくわからない。
ところで、アメリカではよく日本のアニメーションってなんであんなに登場人物の眼が大きいんだ?って訊かれる。その後で、実際に口には出さないが、本当には眼が小さくて一重まぶたの人たちばかりだから、その反動か?と思っているのがありあり。考えてみれば、その通りかも知れない。アメリカのアニメーションで筋肉もりもり男かグラマラスな女性ばかり出てくるのは、そういう風になりたいと思っている大衆心理の現れと言えるかも。アニメーションに見る国際文化の相違もしくは民間深層心理の研究なんて論文を書けそうな気がする。誰か書いてくれないかなあ。
‥‥とここまで書いてアップしたら、その翌日、ABCが「クラークス」をたったの2回放送しただけでキャンセルしたとの発表が。なんてこった。これがあるからシリーズについて何か書く時は、プレミア放送後2、3回放送するまで待ってから書いてたのに。視聴率が極端に低いとも思えなかったので、なんとなくま、いいかと思って書いたらこれだ。やっぱりシリーズものは怖い。
