マイ・ビッグ・ファット・ペット・メイクオーヴァー   My Big Fat Pet Makeover 

放送局: AP 

プレミア放送日: 9/30/2017 (Sat) 22:00-23:00 

製作: キャッスルヴュウ・プロダクションズ 

製作総指揮:  テッド・バーンヒル、ジェシカ・レイノルズ 

ホスト: トラヴィス・ブローセン 

  

アニマル・クリブス   Animal Cribs 

放送局: AP 

プレミア放送日: 11/3/2017 (Fri) 22:00-23:00 

製作: パンチ・ドランク・ピクチャーズ 

製作総指揮:  ロブ・ヒル、デイヴ・グライダー 

ホスト: アントニオ・バラトリ 

  

キャット vs. ドッグ   Cat vs. Dog  

プレミア放送日: 11/11/2017 (Sat) 22:00-23:00 

製作: マジカル・エルヴス 

製作総指揮:  ダン・カットフォース、ジェイン・リプシッツ 

ホスト: ジャクソン・ギャラクシー、ゾーイ・サンダー 

  

内容: ペット関連のリアリティ・ショウ3種。 


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私は元来イヌ派なのだが、女房がネコ好きなのと、狭いコンド住まいで庭がなく、イヌを散歩に連れて行く時間もなく、女房の勧めるまま、ネコをシェルターから引きとって17年経ち、一昨年、そのネコも寿命を迎えた。 

  

そうなると寂しいもので、それから数か月も経たないうちに、女房は外をうろついていた、捨てられたと思われる黒ネコを、このままではクルマに轢かれてしまうとうちに連れて帰って2代目ニャンコに据えた。 

  

以前飼っていたのはメス猫、今回はオス猫で、性別が違うと運動量が違うと認識を新たにする。毎晩風呂上がりの女房の生足に飛びかかって嚙みつくので、やってられん、友だちネコがいるといいんじゃないかと、女房は以前地域ネコに餌を与えている時に知り合ったキャット・パルの伝手で、やはり近くのビルの地下に居ついていたという同様のオスの黒ネコを引きとってきた。 

  

最初の日こそお互い警戒心丸出しだったが、すぐに慣れ、2匹で走り回ったり取っ組み合いをするのに忙しくなった。それまでは毎夜噛みつかれてなんとかしなくてはと焦っていた女房は今では完全に忘れ去られ、わざわざ生足を出してネコの目の前を歩いても無視されるので、寂しいと言い出し始める始末。世の中うまく行かないもんだ。 

  

いずれにしてもおかげで私も影響されて結構ネコが気になるようになった。改めて周りを見渡すと、目と鼻の先がコンクリート・ジャングルのマンハッタンのくせに、そこから川を渡ったこちら側のニュー・ジャージーは、実は結構地域ネコが多い。毎朝夕の通勤がてら、そういう地域ネコが根城にしている辺りの前を通って、今日はどうしているのかを観察するのが結構楽しみになった。 

  

とまあ、世の中ネコ・ラヴの人間は多い。そしてイヌを散歩させている者の数の多さを見てもわかるように、もちろんイヌ好きも多い。そういう動物好きが対象のチャンネル、アニマル・プラネットが今秋編成した3本の新番組は、なかなか捻っていて面白い。 

  

「マイ・ビッグ・ファット・ペット・メイクオーヴァー」は、今では人間ものでは一ジャンルとして定着しているメイクオーヴァーもの、端的には減量ものを、ペット限定で行う。 

  

肥満は、アメリカではいまや人間だけの問題ではない。過保護的に愛されているペットにも、肥満の波は押し寄せている。イヌ、ネコだけでなく、ペットとして飼われている肥満のブタというのもいるし、肥満のモモンガという本当かと思われるものもいる。太り過ぎでお腹が地面に擦りそうになっているそれらの肥満のペットを、人間同様食餌療法とエクササイズで減量させる。 

 

ペットが太るのは、当然その責任は100%飼い主にある。飼い主が必要以上に餌を与えるから、太る。愛情のお仕着せでやたらと餌を与える場合もあるが、プレミア・エピソードに登場した家庭は、餌を与える時の標準量の1カップというのを、カップの大きさをカン違いして倍以上の大きさのカップを使って餌を与え続けていたため、尋常じゃなく太った。気づけよと思うが、それを残さず食べ続けていたイヌもイヌだ。 

  

「アニマル・クリブス」は、今度は家屋リノヴェイションを、ペットのために行うというものだ。イヌの場合は裏庭を中心にリノヴェイトする感じになるだろうが、ネコの場合は家の中にいることが多いため、壁際のネコ階段や天井際にネコ道を取り付け、さらに2階にはネコ専用ドアを設置、庭に立っている木の大振りの枝の上にネコハウスを作りつけ、自由に外に行き来できるようにした。 

  

ネコ・ラブに満ち溢れた家だが、あっと思ったのがこのリノヴェイションを担当した毛むくじゃらのむくつけき濃い男で、どこかで見たことがあると思っていたが、実はHGTVの「デザイン・スター (Design Star)」の第4シーズンで勝った、アントニオ・バラトリだった。どうりでやたらとリノヴェイションの手際がいいと思った。イヌ好きのバラトリが、世のすべてのペット好きのために一肌脱ぐのが、「アニマル・クリブス」だ。 

  

番組の内容とは別に非常に印象に残ったのが、バラトリに仕事を依頼した母娘で、どうやら二人で西海岸の一軒家に住んでいるようで、未婚の母? バツイチ? という邪推はともかく、このまだロウ・ティーンの娘が、もう、尋常じゃないくらいに可愛かった。アメリカには結構可愛いなと思う子はそこここにいるが、それでもこのくらいのレヴェルの子は滅多にいない。一番可愛い時のエマ・ワトソンとキャリー・マリガンを足して割ったような感じで、番組を一緒に見ていたうちの女房までもが、ついペット番組ということを忘れて、この子めちゃくちゃ可愛いねと言っていたくらいだ。バラトリと一緒の画面に収まると、芸のない言い方だが、まるで美女と野獣という言葉そのままだ。 

  

「キャット vs. ドッグ」は、アニマル・プラネットでネコの躾け番組「マイ・キャット・フロム・ヘル (My Cat from Hell)」のホストとして知られているジャクソン・ギャラクシーがネコ派、一方、イヌの調教師のゾーイ・サンダーがイヌ派として、それぞれが、イヌとネコの両方を飼っているが相性がよくなくて困っているという家庭で、問題解決に挑む。 

  

イヌもネコも両方飼っているという世帯は結構多いが、考えたらそれらがすべてうまくいくわけではなく、相性が悪く相容れないという関係もあるだろう。特にアメリカではバツイチバツニを経験して家族が増えた世帯が一緒になることで、以前から飼っていたペットも一緒になり、結果として既に成長したイヌネコがいきなり一緒に住むという境遇に置かれることがある。前もって家族が増えることを教えられないから、かなり大きいストレスがかかることは間違いない。 

 

私んちのようにまだ若いオスネコが一匹しかいない家に同様に若いオスネコが一匹来ただけでも、最初の日は新参者はほとんどメシも食わずに様子を窺っていた。緊張していたのだろう。同様に元からいた古参ネコ (とはいえまだ2歳になるかならないかくらいだ) も、ドア越しに威嚇の声を上げるなど、二匹ともちょっと周りの環境が変わっただけでかなり警戒していた。 

 

それが今ではラヴラヴの二匹は、夜中に一緒に走り回って運動会を繰り広げ、お互い舐め合って一緒にくるまって寝ているという話はさておき、歳をとったイヌとネコがいきなり同じ部屋に入れられて共同生活を強いられた場合、かなりのストレスであろうことは想像に難くない。「キャット vs ドッグ」のプレミア・エピソードに登場した家族のイヌは、ある時ちょっとしたきっかけでネコに噛みついて大怪我させてしまい、ネコは病院に運ばれて危うく死ぬところだったそうだ。 

 

そのため二匹は以降同衾が禁じられ、イヌを家の中に入れるのはご法度になった。イヌ好きの旦那さんは、常に庭にいて家の中に入れられないイヌを可哀想に思っているのだが、いかんせんしょうがない。それでギャラクシーとサンダーが呼ばれ、お互いにイヌとネコをそれぞれ調教すると共に、飼い主夫婦にも注意する。 

 

ナショナル・ジオグラフィック・チャンネルの「ドッグ・ウィスパラー (Dog Whisperer)」のドッグ・ウィスパラーことシーザー・ミランは、よく、犬を躾けるのではなく、飼い主を教育するのだと言っていたが、要するに、そういう事件が起きる最大の要因は、飼い主側にある。だから本当のポイントはイヌネコを躾けるというよりも、飼い主の気持ちのあり方、正しい反応、行動にある。 

 

そうやって飼い主としての正しいあり方を教え、指導の甲斐あって無事イヌとネコが仲良くなると、入れ墨入れまくりヒゲ面強面のギャラクシーが、目をうるうるさせて喜んでたりする。彼はエモーショナルな人間なんだよというのは、よく「マイ・キャット・フロム・ヘル」を見ているうちの女房の弁。そうやってまた一軒、イヌネコが仲良く暮らす幸せな家庭が世の中に増えるのだった。 










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My Big Fat Pet Makeover

マイ・ビッグ・ファット・ペット・メイクオーヴァー  ★★1/2

Animal Cribs

アニマル・クリブス  ★★1/2

Cat vs. Dog

キャット vs. ドッグ  ★★1/2

 
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