ベル・カナディアン・オープン

2004年9月9-12日   ★★★

カナダ、オンタリオ、グレン・アビー・ゴルフ・クラブ

3日目終了時点で10アンダーで首位は地元カナダ出身のマーク・ウィアー。ウィアーはツアー初優勝も99年のエアー・カナダ・チャンピオンシップだったし、地元だと燃える上に、ギャラリーの応援も追い風になるのだろう。しかし気になるのは、クリフ・クレスゲ、ジャスパー・パーナヴィクと共にその下7アンダーにいるヴィージェイ・シングで、本当に時間さえ許せばすべてのトーナメントに出るんじゃないかとすら思われるこのスタミナと安定度は、とにかく他の追随を許さない。


このトーナメントの最終日は毎年テニスのUSオープンの男子シングルス決勝と重なるので、とにかくテニスが始まるまではゴルフを見て、テニスが始まってからは、コマーシャルになったらちょっとだけゴルフを見る、という見方が定着している。当然今年もそういう風に見ていたのだが、今年はもしかしたら現在敵なしのシングがまたなにかやらかしてくれるかもしれないと、テニスを見ながらもずっと気になっていた。


そしたらこの日ウィアーの調子がよくなかったため、本当にシングが追いついてしまい、二人が9アンダーでプレイオフとなった。ウィアーは何度もシングを突き放すチャンスがあったのだが、その度にことごとくパットを外し、ついにプレイオフ3ホール目の18番パー5で第3打を池に落とし、ツキからも運命からも見放された。シングはこのホール、安全にパーで上がり、これで今季ツアー7勝目、文句なしの世界No. 1を証明した。ギャラリーのほぼ全員がウィアーを応援しているのに勝っちゃうんだから、今のシングはツキも実力も完全に他から頭一つ抜きん出ている。負ける気がしないだろうなあ。それでもシングが勝つトーナメントが、タイガー・ウッズが勝つトーナメントよりエキサイティングなものにならないのは、やはり淡々とプレイするゴルフのスタイルのせいかなあと思いながら見ていた。







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