放送局: CBS
プレミア放送日: 10/6/2000 (Fri) 21:00-22:00
製作: アライアンス・アトランティス・コミュニケーションズ、CBSプロダクションズ、ジェリー・ブラッカイマー・フィルムス
製作総指揮: ジェリー・ブラッカイマー、アン・ドナヒュー、キャロル・メンデルスゾーン
クリエイター/脚本: アンソニー・ズイカー
監督: ダニー・キャノン(プレミア)
撮影: ロイ・ワグナー
編集: アレックス・マッキー、アレック・スマイト
音楽: ジョン・キーン
出演: ウィリアム・ピーターセン(ギル・グリッソン)、マーグ・ヘルゲンバーガー(キャサリン・ウィロウス)、ゲイリー・ドーダン(ウォリック・ブラウン)、ジョージ・イーズ(ニック・ストークス)、ジョラ・フォックス(サラ・サイデル)、ポール・ガイルフォイル(ジム・ブラス)
物語: ラスヴェガスの犯罪調査班は、キャプテンのブラスの指揮の下、リーダー格のギルとキャサリンを中心に、ニック、新人のサラらが各自事件を分担してひっきりなしに起こる事件の事後調査に追われていた。死後1週間経った死体を前に自殺か他殺かを見極め、カジノで出会った女性とアヴァンチュールを楽しもうとして薬をかがされ、身ぐるみ剥がされたビジネスマンを助け、強盗に押し入られた酒屋の調査をし、正当防衛で暴漢を撃ち殺した男の供述がおかしいことを、最先端の科学機器を用いて裏付ける。次々と事件解決の手掛かりとなる証拠を発見する調査班だったが、しかし、まだ新米のサラはアカデミー上がりでまだ要領を得ない。そして一人で大丈夫と行った事件現場で、舞い戻ってきた犯人にサラが撃たれるという新たな事件が起こる‥‥
_______________________________________________________________
アメリカのTV界の秋の新シーズンの楽しみの一つは、思いもかけなかったところからヒット番組が出現するところにある。メイジャーなプロデューサーが製作し、スターを起用して売れ線路線を狙うヒット間違いなしの番組もそれはそれで面白いが、最初全然目をつけていなかったのに、いつの間にやら視聴率上位に食い込んでいた、という意外なヒット番組を慌てて見直すのも、また結構楽しいものだ。先シーズンのそういうサプライズ・ヒットの代表格はCBSが放送した「ジャッジング・エイミー (Judging Amy)」だし、今シーズンは、やはりCBSの「C.S.I.」がその代表だと言うことができるだろう。
「C.S.I.」とは、Criminal Scene Investigation の略で、訳すと犯罪現場調査とでもなるか。日本でいう科研が担当しているやつだ。犯罪が起こった場所で、指紋をとったり、死体を調べたり、その他もろもろの犯罪に関する残留物件を集め、調べ、犯罪解決に役立てる証拠物件とする、事後調査のことである。「C.S.I.」は、もちろんそのC.S.I.を担当する、ラスヴェガスの Criminalistics Department で働く人々の活躍を描く (それにしてもCriminalistics って単語初めて見た。「犯罪学」って感じか? 近年の新語か、あるいはプロデューサーの造語のような気がするが‥‥)。
この番組が事前にそれほど話題にならなかったのは、以前似たような番組が多くあったのに、そのどれもがヒットせず、すべてとうの昔にキャンセルされていたという理由による。私も、まったく同じ理由でこの番組に注意していなかった。昨年、ジョエル・シルヴァーが製作した「ストリップ (The Strip)」なんて、ラスヴェガスのカジノ・セキュリティの活躍を描くという似たような設定の番組だったのに、一と月も放送されないうちに消えてしまったし、やはり同系統と言えるだろうデイヴィッド・E・ケリー製作のアクション、「スヌープス (Snoops)」も年を越せなかった。そういう経緯があったから、たとえジェリー・ブラッカイマーという現在のハリウッドを代表するアクション映画のプロデューサーが製作する番組だろうと、映画とTVは違うんだから、まずはお手並み拝見、くらいにしか思っていなかった。
ところがこの番組、今シーズンの新番組の中では、視聴率1位をキープしているのである。その直前に、今シーズン、事前に最も話題になった番組の一つである「逃亡者 (The Fugitive)」が編成されているのに、それなんかものともせず、FOXでジェイムス・キャメロンが製作する「ダーク・エンジェル」と並んで、早々と今シーズンのヒット番組の中に仲間入りしてしまった。私が慌てて「C.S.I.」を見たのは言うまでもない。
さて、見てみると、やはりそれなりに結構面白い。C.S.I.班の主要人物は、チーフを入れて総勢5名。プレミアの回ではそれに新人の女性が加わり、合わせて6名でひっきりなしに起こる事件に対応を迫られる。いかにもギャンブルの街ラスヴェガスらしい犯罪が次から次へと起こり、それを現代科学の粋を凝らした最先端機器によって解決する‥‥もちろん彼らに逮捕権はなく、ただ、犯罪の決め手となる証拠を提出するだけなのだが、その辺うまく演出して、彼らの活躍があったからこそ事件が解決したんだと思わせるようになっている。
登場人物も、ホルマリンづけの瓶に囲まれながら、嬉々として人が嫌がりそうなことを率先して行うリーダー格のジルとシングル・マザーのキャサリンを中心に、若いメンバーを絡めて退屈させないような布陣。ジルに扮するウィリアム・ピーターセンは、最近では「悪魔の恋人」でリース・ウェザースプーンの父として、マーク・ウォールバーグと共演していた。数年前の大イカの化け物を扱ったミニシリーズ、「ビースト (The Beast)」ってのもあったな。
対するキャサリンに扮するマーグ・ヘルゲンバーガーは、往年のヒット・シリーズ、「チャイナ・ビーチ (China Beach)」でよく知られている。それ以外に今年CBSが放送した、あの6歳のビューティ・クイーン、ジョンベネット・ラムジー殺人事件を扱ったミニシリーズ、「パーフェクト・マーダー、パーフェクト・タウン (Perfect Murder, Perfect Town)」で、ジョンベネットの母役として出演していた。確かニューヨーク・タイムスから、本物の母よりもカメラ映りがいいという大層無茶苦茶な評され方をしていたのでよく覚えている。
他に新人調査官として、「ER」で一時ノア・ワイリとよくつるんでいたマギーを演じていたジョラ・フォックスが出演している。他の2名の捜査官はよく知らない。キャプテン役として出演のポール・ガイルフォイルは結構有名なバイ・プレイヤーで、映画、TVを問わず活躍している。プレミアの回の演出は、「ジャッジ・ドレド」、「ラストサマー2」のダニー・キャノン。アメリカでは、プレミアの回のみ、わりとよく知られた監督を起用してそのネーム・ヴァリューを有効に使うことがよくある。ここでは「ER」ばりの、何が起こっているかよくわからないうちにどんどんストーリーが展開していくという感じを、テンポよく演出している。
