Buying Naked   バイイング・ネイキッド 

放送局: TLC 

プレミア放送日: 6/28/2014 (Sat) 22:00-22:30-23:00 

製作: TLC 

製作総指揮: アラン・ラガルデ 

出演: ジャッキー・ヤングブラッド 

  

内容: フロリダのネイキッド・コミュニティで不動産案内をする。 

  

  

Dating Naked   デイティング・ネイキッド 

放送局: VH1 

プレミア放送日: 7/17/2014 (Thu) 21:00-22:00 

製作: ライトハーティド・エンタテインメント 

製作総指揮: ロブ・ラプランテ、ハワード・シュルツ 

ホスト: エイミー・パフラス 

  

内容: 完全に素っ裸で男女をデートさせるリレイションシップ・リアリティ・ショウ。


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近年、参加者が裸になるリアリティ・ショウというと、サヴァイヴァルものと相場が決まっている。ディスカバリーの「ネイキッド・アンド・アフレイド (Naked and Afraid)」や「ネイキッド・キャスタウェイ (Naked Castaway)」等、番組参加者、登場人物を、衣類や各種装備を持たせないすっぽんぽんの裸にし、そこから果たしてサヴァイヴできるかを観察する。参加者にとってはやたらと被虐度の高いジャンルが、このネイキッド系リアリティ・ショウだ。


今回、また登場人物が裸になるリアリティ・ショウが編成されると聞いて私が思ったのは、今度もまたサヴァイヴァル系の番組か、今回の差別化のための新機軸は何かということだった。ところがあにはからんや、TLCの「バイイング・ネイキッド」、VH1の「デイティング・ネイキッド」は、サヴァイヴァル系のリアリティ・ショウではない。前者が家探し、後者がリレイションシップ系の番組なのだ。


「バイイング・ネイキッド」は、実は昨冬、特番という形で2回放送されている。少なくともそれなりの話題は提供したようで、今回晴れてシリーズ化された。登場人物が裸で出てくる家探しリアリティというとなんのことやらよくわからないが、この番組、実はヌーディスト・コミュニテイで家探しをする者たちのお手伝いをする番組だ。だからといって番組に出る時まで登場者が裸でいることもないかとも思うのだが、まあヌーディスト村にいるわけだし、そこはそれ、彼らが裸じゃないと番組を作る意味がない。


一方、その手伝いをする不動産エージェントのジャッキー・ヤングブラッドもヌーディストだが、番組内ではちゃんと服を着て現れる。アメリカでは一般番組はヌード映像はご法度で、女性の胸や局部にはぼかしがかかる。番組ホストであるヤングブラッドまでがヌードで登場すると、いちいちぼかさざるを得ないショットが多くなって手間暇がかかるだけでなく、見た目にも煩わしいという判断だろう。


本人がヌードでこのコミュニティに住んでいることが番組製作に一役買ったのは明らかで、既に顔を知られているヤングブラッドに、人々は気軽に声をかけて行く。一方ヤングブラッドの手伝いをする他のエージェントはヌーディストではない普通の者たちで、一歩門で閉ざされたコミュニティの中に入ると、往来をすっぽんぽんで闊歩している人々に目を丸くしている。


ヌーディスト・コミュニテイの家探しには、独特の癖がある。すっぽんぽんなのだ。急所である男性のイチモツ、女性のおっぱいが常に露出している。そのため、男性の場合はテーブル等の高さが問題となる。テーブルの角が急所と同じ高さだと、危険度は高い。そのためだか、だいたいどの家も調度はあまりなく、広いという印象がある。とにかく怪我をするリスクは小さければ小さいほどいい。また、ヌーディストといえども、前の人が使用していたカウチをそのまま使用するのはためらわれると思う。前住人がSTDを持っていなかったという可能性はゼロではなく、そうであった場合に感染の怖れは払拭できない。そういうヌーディスト独特の価値観を考えながら物件を紹介していく。


撮影に当たっては、様々な家の調度がちょうどおっぱいや下半身の局部に被さって見えないよう角度を調整しながら撮っている。もしかしたら一部は後付けのCG処理かもしれない。最近のCG技術は進歩しているから、事後処理だかどうだかよくわからない。むろん局部のぼかし処理を施されている部分も多い。それにしても、ヌーディスト・コミュニテイがあるということだけではなく、その中でエージェントを雇って物件を探す必要があるほどそのコミュニティは大きなものであるというのは意外だった。


VH1の「デイティング・ネイキッド」は、こちらはよくある恋人探しリアリティを、参加者を裸にして進行させる。参加者は付き合う異性探しのために参加しており、要するに勝ち抜きではないABCの「ザ・バチェラー (The Bachelor)」を見ているような感じだ。


とはいうものの、それを衣服を着用しているかそれとも裸でやるかでは、それこそ月とすっぽん (ぽん) の差がある。共に最初から異性を求めることを前提に番組に参加している。女性が裸になって意図的にセックス・アピールを強調して異性の気を惹こうとした場合、TVクルーが傍にいようとも男性がついくらくらと来て勃起してしまうなんてことは起こらなくていいのだろうか。気になってしまう。


この番組に関しては最初から最後までほぼ全編ぼかしのオン・パレードで、いったん参加者が衣服を脱ぐと、後はとにかくここでもあそこでもぼかしだらけだ。なんてったって一般ケーブル・チャンネルの場合は男女性器部分だけでなく、女性の場合は胸のぼっくんだけでも映すのはご法度だ。番組製作で最も忙しいのは、参加者でもプロデューサーでもなく、ポスト・プロダクションでいちいち画面を見ながらぼかしを入れていく担当の者だろう。ほとんど日本のアダルト・ヴィデオ並みのぼかしが入る。いや、日本のAVでは、最近ではこれ、見えているけど構わないの? というくらいぎりぎりまでぼかしがぼかされている。それを考えると、ヘアーが見えるのは許されない「デイティング・ネイキッド」のぼかしの方が徹底している。しかしぼかしが入ると約束されると、女の子でもあれだけ平気で大股開きできるものなのだろうか。


これだけどこもかしこもぼかしだらけでしかもいちいちマニュアルでの手作業となると、人間のことだ、どんなに熟練した者でもミスは避けられなかったりする。私は見ていないが、「デイティング・ネイキッド」でも参加者の女の子の一人の局部が、あろうことかチェックを逃れてぼかされずに放送されてしまったそうだ。アップでのショットが続くAVと違い、シーンが頻繁に変わるだけでなく、アップになったりロングになったりと構図が何度も変わるこの手の番組では、こういうことの起きないようたぶんダブル・チェック以上していると思うが、それでもチェックの網を逃れて手が入れられないまま放送されてしまったようだ。


女の子は精神的な打撃を被ったとして番組を訴えている。しかしたとえプロデューサーが放送にはすべてぼかしが入ると約束したとしても、自分から率先して脱いで出ているはずの番組ですべてが露出されてしまうと、そんなに大きな精神的打撃を受けるものだろうか。そのくらいのリスクは最初から覚悟して番組に出てんじゃないの?


番組は前半部はメインの男性と女性が一人ずつ登場して色々なアクティヴィティを通じて交流を深め、後半はそれこそ「バチェラー」さながら他に何人も男女を混成させ、目移りさせてどういう反応を示すかを観察する。そして最後にその後も付き合っていくかを判断する。当たり前のことだが、たとえ裸でも人はすべてをさらけ出したことにはならない。その人を本当に知ろうとすると、逆に、裸であることがむしろその人の見えない部分を気にさせる。裸だからといって、というかだからこそ、恋人探しは難しい。











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バイイング・ネイキッド   ★★

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デイティング・ネイキッド   ★★1/2

 
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