ビュイック招待

2007年1月25日-28日   ★★★

カリフォルニア州ラ・ホヤ、トリー・パインズ・ゴルフ・コース

とにかくこのトーナメントでは優勝率が高いタイガー・ウッズが今年初めてクラブを握るビュイック招待、昨年、一昨年と2連勝中だが、果たして今年はどうか。

3日目を終わってスコアは首位が11アンダーのアンドリュウ・バックルとブレント・スネデカー。10アンダー3位にケヴィン・サザーランド、そして注目のウッズはトロイ・マティソン、チャールズ・ハウエル3世、ビル・ハーズらと共に9アンダー4位タイで、ずばり圏内。これは最終日が面白くなってきた。ハウエルは一昨年、あわやウッズとプレイオフというチャンスを惜しくも逃している。

最終日は前半バックルが安定、そこへジェフ・クイニーが伸びてきて、二人が13アンダーで首位に立つ。そこへ追いついたのがウッズ。ウッズは8番パー3でバーディ、9番パー5でイーグルを奪い,3人が13アンダーで首位に並ぶ。ウッズのイーグル・パットなんて、ボールがカップに吸い込まれるかどうかという直前にたぶん同じパーティのマティソンのキャディが転がっているボールの前を横切り,あっと思ってキャディがTVの画面から消えた次の瞬間にはボールはカップの中に吸い込まれて消えた後だったという、ドラマかなんかの演出みたいなパットだった。こういうことが起こるのがいかにもウッズらしい。

しかしバックルはウッズの影に脅えることなくスコアを伸ばし、10番パー4を終えた時点で15アンダーとウッズ、クイニーに2打差。しかしバックルは12番パー4でダブル・ボギーを叩き、13アンダーまで後退してまた3人が首位に並ぶ。そして直後にウッズが13番パー5で、またもやあわやイーグルというバーディで14アンダー。クイニーは14番パー4でバンカーからのアップ&ダウンに失敗してやはりダブル・ボギーで11アンダーまで後退と、5分間でゲームが大きく動き、あっという間にウッズが単独首位に立つ。わーお、11番までならバックルが崩れそうな予兆なんてまるでなかったんだが。

最終日のバック・ナインで首位に立ったウッズを誰かがとらえるという可能性は皆無に近く、バックルとクイニーに代わってハウエルが追撃する姿勢を見せたが、しかしウッズは17番パー4でもバーディを奪って15アンダーとし、あとは守りのゴルフで逃げ切った。ハウエルが13アンダーで2位、12アンダー3位にスネデカー、11アンダー4位にバックル、バッバ・ワトソン、マーク・カルカヴェッキアが入った。クイニーは結局バート・ブライアントと共に10アンダー7位に終わった。

ウッズが18番でパー・パットを沈めた時、当然まだ最終パーティのバックル、スネデカー、サザーランドの3人はまだプレイしていたわけだが、その時点で最もスコアがよかったスネデカーが11アンダーと既にウッズの勝ちが確定していたため、彼らがプレイを終えるのを待たずしてCBSは中継を打ち切った。まあ、そんなもんでしょう。

これでウッズはツアー通算55勝。ストローク・プレイでは、昨秋、日本、中国、ヨーロッパで計3度破れているが、もちろんアメリカのメディアはそれには目をつぶって、PGAツアー7連勝と明るい話題だけを見ている。確かに間違いではないし、こうなったらツアー記録のバイロン・ネルソンの11連勝に並ぶことは果たして可能かどうかが気になってくる。もし可能ならそれができるのはウッズ以外なく、たぶんこの機会を逃したらあと100年はこの記録が破られることはないことが確実であることを思うと、この目が黒いうちに記録が破られることがあるなら、是非とも見てみたいと思う。



 
 
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