ビュイック・クラシック

2004年6月10-13日   ★★★

ニューヨーク州ハリソン、ウエストチェスター・カントリー・クラブ

2日目を終わった時点で9アンダーで首位はフレッド・カップルスで、先週も首位に絡んだカップルス、腰の方は完治とは行かず、鍼を打ちながらのプレイだが、とにかく彼のファンである私としては応援してしまう。しかしカップルスは3日目に3オーヴァー74と崩れ、代わって12アンダーで首位に立ったのはロレン・ロバーツ。ウエストチェスター・カントリー・クラブは、パー5も長くなく、ほとんどすべてのゴルファーが2オンを狙える上に、パー4でもワン・オンを狙えるホールが二つあり、ロバーツのような短距離ヒッターでも充分上位を狙える。ロバーツがウエストチェスターで上位に絡むのを何度も見ており、カップルスやシングのような長距離ヒッターが飛ばすのを見るのは気分がいいが、テクニシャンのロバーツがじりじりと順位を上げていくのを見るのも、またゴルフの醍醐味の一つだ。


しかしロバーツは最終日、パットがまったく決まらない上にツキもなく、フロント・ナインであえなく脱落する。その隙をついて一瞬トム・バイラムが抜け出たかと思ったが、こちらもバック・ナインで集団の中に沈む。他に特にチャージをかける者がいないため、一時は2ストロークス以内に10人くらいがひしめくなど、勝負は混戦となり、誰が勝つかまったくわからなくなった。


結局勝負は、12アンダーまでスコアを伸ばしたパドレイグ・ハリントン、ロリ・サバティーニ、セルジオ・ガルシアの3人のプレイオフになった。バイラム、カップルス、シングは3人ともチャンスあったかに見えたが、揃って10アンダー4位タイに終わった。


18番パー5のプレイオフは、3人ともパーで上がる。特にハリントンは15フィートの充分入れ頃のウィニング・パットがあったが、わずかに右にそれた。そして勝負はプレイオフ2ホール目の17番パー4へ。そしてなんと、このトーナメントを中継しているABCは放送を打ち切ってしまったのだ。


当然おしているから、これは7時までに決着はつきそうもないな、これは7時になったら姉妹チャンネルのESPNに鞍替えかなと思っていた。そしたらそれもなく、いきなり実況/解説のイアン・ベイカー・フィンチが、これで残念だけどお別れです、なんて言って、その後はどこのチャンネルが続きを中継するとのアナウンスがない。なに、もしかして、これって、本当にこれで終わりってこと? まさか、そんなことないでしょうと思っていたが、本当にそこで終わってしまった。いくらなんでも、まさかと思って、ABCの姉妹チャンネルを全部回してみたが、どこでもやってない。スポーツ専門局のESPNでも、ESPN2でも、ESPNクラシックでも、ESPNewsでもやってない。さらに可能性は低いとは思ったが、ディズニー傘下のライフタイムもABCファミリーもディズニーも、トゥーン・ディズニーまで全部チェックしてみたが、本当にやってなかった。


なんで? ABCがそこで中継を打ち切ったのはわからんではない。しかし、ESPN2やESPNewsなんて、こういう時のためにこそあるようなチャンネルじゃないか。それなのにこの仕打ちはなんだ。私は、ゴルフ中継では実況と解説、特に解説はネットワークの中でABCが最もいいと思っていたのだが、こんなことされちゃたまらない。スポーツ専門の姉妹チャンネルをこれだけ持っていても最後まで中継しないABCと、ペブル・ビーチのプロ-アマでくだらないアマばっかり映すCBSと、いったいどちらがサイテーか、なんてことを考えてしまった。


結局勝負の方は、プレイオフの2ホール目でハリントンが脱落、3ホール目の18番でガルシアがバーディを奪い、サバティーニをうっちゃって、バイロン・ネルソン・チャンピオンシップに続いて今季2勝目を上げたということを、その後しばらくしてインターネットのスポーツ・ニュースのアップデイトで知ったのであった。


ABCは今、佳境に入っているNBAのファイナルズも中継している。ゴルフ中継よりもそちらの方に力が入っているのは明らかで、ビュイックの後でレイカーズ-ピストンズ戦を見ていたら、普段はゴルフの実況を受け持っているマイク・トリコがこちらに回されていた。だからゴルフでは解説のベイカー・フィンチが実況まがいのことまでやらされていたのか。その試合の合間に、ビュイックのガルシアの優勝シーンをお情けで流していたが、その時は既に結果は知っていたよ、ABCのバカタレ。







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