先週細川和彦が頑張っているなあと思ったら、なんとその直後、丸山茂樹が全米オープンの出場予選で58をマークしたというニュースが。出場権のみを争うこの予選はPGAイヴェントではないからPGAの公式記録にはならないが、しかし、ここでもニュースにはなった。ちゃんとニューヨーク・タイムスにも記事が出てましたよ。日本人ゴルファーも頑張ってるじゃん。


と思ってたらこのビュイック・クラシック、先週頑張った細川は今回は予選落ち、3日目まで何とか頑張っていた丸山も最終日早々に消えて行った。勝負の方は初日、2日目と首位に立っていたデニス・ポールソンが3日目に崩れ、代わって昨年の優勝者、ダフィ・ウォルドーフが8アンダーで首位に立つ。ポールソンとウォルドーフの二人は昨年も優勝争いを演じ、その時はプレイオフでウォルドーフがポールソンをうっちゃっていたところを見ると、二人ともこのコースとは相性がいいようだ。しかしウォルドーフに1打差ですぐ後ろにいるのが、デイヴィッド・デュヴォール、フィル・ミッケルソン、アーニー・エルスら錚々たるメンツ。ウォルドーフもほとんどリードしているという気はしないだろうな。こりゃ最終日が楽しみだ。


最終日はやはりウォルドーフが早々と崩れ、代わって浮上したのが前日まで4アンダー、ぎりぎりで優勝圏内にはいるものの、チャンスはそれほど大きくないと見られていたセルジオ・ガルシア。ガルシアは初日74で、予選通過も危なかったのがここまで挽回してきた。一時は10アンダーまでスコアを伸ばし、2位に2打差をつけて首位に立つ。最近姿を見なかったグレッグ・ノーマンも結構いいところまで上がって試合を盛り上げてくれた。


しかしガルシアはここからまた崩れる。エルス、ミッケルソンは精彩がなく、代わってデュヴォールと、最終日にガルシアと一緒に廻り、またじわじわとスコアを伸ばしてきたポールソンとの優勝争いになる。結局ガルシアは7アンダーまでスコアを落とし、プレイオフになったデュヴォールとポールソンの8アンダーに一つ足りなかった。ポールソンは最終18番パー5で、30フィートのバーディ・パットを決めたのが効いた。一方デュヴォールは、突き放すチャンスがいくつもあったのにパットが入らなかったのが痛い。


途中雷雨のおそれがあったために30分程度プレイが中断したおかげで、プレイオフが始まったのが6時半過ぎ。デュヴォール、ポールソンともパーで上がり、勝負はセカンド・ホールへ。もうほとんど7時。そこでやっぱりというか、このトーナメントを中継していたABCは中継を打ち切った。だいたいゴルフ中継は7時を超えるとどこのネットワークも中継を打ち切るというのはこれまでの経験からわかっているので、慌てずに他のチャンネルを探す。案の定、ABCの姉妹チャンネルESPNが中継を続けていたので、安心して続きを見る。


プレイオフのセカンド・ホールは二人ともパー、サード・ホールはポールソン絶対有利と見えたが、デュヴォールが40フィートのバーディ・パットを決め、譲らない。これで流れは完全にデュヴォールに傾いたかに見えたんだが。17番パー4のフォース・ホールでフェアウェイをキープしたデュヴォールに対し、ポールソンは左ラフへ。ウェストチェスター・カントリー・クラブは全米オープン並みの深いラフで知られる。そのためデュヴォールはパーでも勝てるチャンスは高いと見てグリーンの中央狙い。これがあまりにも消極的過ぎて、ボールは本当にグリーンに乗っただけ、カップまで50フィート残す。


ポールソンの第2打はグリーンをとらえるが、やはりラフからでバック・スピンのかからないボールはグリーンを超えてバック・ラフへ。パットがイマイチのデュヴォールのバーディ・パットは5フィートショートし、逆に絶妙の返しのチップを見せたポールソンは、ピンそば4フィートとデュヴォールの内側に寄せて逆に有利に。案の定、デュヴォールはパー・パットを外し、4フィートのパットを沈めたポールソンがツアー初優勝を飾った。面白かったがミッケルソン、エルスあたりも頑張ればもっと面白くなったのにな、と言ってもしょうがないか。いずれにしても全米オープンまであと4日。デュヴォールももう少しで本調子と見た。去年並みの白熱した勝負をまた見てみたいものだ。







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ビュイック・クラシック

2000年6月8-11日   ★★★

ニューヨーク州ハリソン、ウエストチェスター・カントリー・クラブ

 
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