放送局: HBO

プレミア放送日: 11/18/2001 (Sun) 20:00-22:00

製作: クリーム・チーズ・フィルムス・プロダクション

製作/監督: マーティ・コールナー

製作: ランドール・グラッドステイン

出演: ブリトニー・スピアーズ


内容: 11月18日にラスヴェガス、MGMグランドで行われたブリトニー・スピアーズのコンサートのライヴ中継。


曲目: Oops!... I Did It Again

Crazy

Lucky

Boys

Stronger

I'm Not a Girl, Not Yet a Woman

I Love Rock and Roll

Anticipating

I'm a Slave 4 U

Baby One More Time、他


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イン・シンク、クリスティーナ・アギレラと並ぶ現在ティーンエイジャーに絶大的人気のある御三家の一人、ブリトニー・スピアーズのラスヴェガスにおけるステージの生中継。若者の間での流行りすたりは速いから、既にアギレラはシャキーラに取って代わられたという印象もないではないが、ブリトニーはいまだに根強い人気がある。まあ可愛いし、ペプシみたいな大型スポンサーがバックについてるし。


ステージはまず「Oops!... I Did It Again」で幕を開け、「Crazy」と続く。それから驚いたことにはジョン・ヴォイトが現れ、子供 (ブリトニーの子供時代?) にお伽噺を聞かせているという構成。また、このコンサートはアフガニスタンと戦争を始めた米軍人の志気顕揚のために全米各地の基地にも中継され、そこでこのコンサートを見ている軍人の様子も挿入される。


相も変わらずダイナミックなダンスで観衆を魅了するが、実はブリトニーのステージには一大欠陥がある。口パクということだ。まあ、あれだけ激しいダンスをこなしながら歌うのは非常に難しいとは思うが、しかし、マドンナはそれをやっている。イン・シンクだって、まあ、あれはヴォーカルは一人だけじゃないがやはり本当に皆歌っているし、こないだ見たマイケル・ジャクソンだって、休み休みだったとはいえ、やはりきちんと本人が歌っていた。


もちろんブリトニーは口パクだとはいえ、大昔のミリ・ヴァニリみたいにまったく他人が歌っていたということはなく、本人が歌っているのを本人のステージに合わせて被せているのだが、しかし、やはり録音だというのがはっきりわかる。ステージ上での本人の息遣いがまったく聞こえないのだ。ダンスしながらでは歌わないバラード・タイプの曲では録音ではなく実際に歌っているのがわかるが、ダンスを始めると、録音に切り替わる。それでも最初は実際に歌っていたりするのだが、彼女は動きながらだとまったく歌えないようで、途端に音程がぶれる。そうすると、いきなり声が録音に切り替わるのだ。所々でその切り替えのタイミングがずれて、いきなり声の大きさが変わったりする。なんだ、これ。


ステージを見に行って生の臨場感を殺す口パクなんかをされたら、もう、それだけで私にはそのステージを見る意味なんかまったくなくなる。まだあのダイナミックなダンスを見る楽しみが残っているではないかという意見があるかも知れないが、しかし、ダンスを見るだけだったら、TVの方がよほど細かいところまで見れる。だいたい、マドンナのステージが面白いのは、あれだけ激しい動きをしながら歌うために、彼女がどんなに腹筋があって肺活量があろうとも、どうしても所々音をぶらしてしまうところを、力でねじ伏せて歌いきるところにあるんじゃないか。生のステージというのは、そういうのを見るところに醍醐味があるんじゃないか。それを歌えないからということで録音なんかに切り替えられたりしたら、私にとっては金を出してまで見る意味はない。


それでも、彼女のダンス・パフォーマンスが今若手で最も面白いものだということにけちをつけるつもりはない。あのコレオグラフィや群舞は見事なものだし、バック・ダンサーのレヴェルが高いことも一目瞭然だ。雨が降ったり宙に浮いたり自分自身の分身と一緒に踊ったりダンサーの身体から花火が噴き出したりと、様々な工夫も凝らしており、観客を飽きさせない。ステージ自体の完成度はかなり高いと思う。私が最も堪能したのは「Boys」で、ああいった健康的なお色気こそブリトニーが他の同年代の女性アーティストと一線を画して人気のある最大の理由に違いない。


このコンサート中継があってから少しして、ブリトニーは今年の「ビルボード・ミュージック・アウォーズ」にもゲスト・パフォーマーとして出演していた。多分あれはベラッジオだと思うが、ベラッジオは表通りに面して巨大な池がある。そこで様々な噴水のパフォーマンスをやって観光客を楽しませるのだが、なんと今回はその池の真ん中にステージを浮かべ、ブリトニーおよびダンサーたちはそこでパフォーマンスを行ったのであった。その時はショウのオープニングで「I'm a Slave 4 U」を一曲歌っただけで、バンドなんて置くスペースはないから当然ここは口パクであるわけだが、こういう場合は口パクでも構わない。ポイントは屋外でのスケールの大きさとショウ・アップされた演出にあるからで、バックに様々な噴水ショウを見せながらのパフォーマンスで、しかも結構遠くにいるブリトニーに対し、口パクだと文句を言う観光客はいまい。


実はブリトニーは9月にマイケル・ジャクソンのソロ30周年記念コンサートにもゲスト・パフォーマーとして登場し、「The Way You Make Me Feel」をマイケルとデュエットしたのだが、その部分はそのコンサートを中継した「サーティース・アニヴァーサリー」ではカットされていた。それが放送された直後に、このブリトニーの「ライヴ・イン・ラスヴェガス」が放送予定だったので、HBOが、先にブリトニーのパフォーマンスが他局で放送されるのを嫌がったからだ。ところが「サーティース・アニヴァーサリー」は結構高い視聴率を獲得したために、年明け早々もう一度再放送されることになり、この時点ではブリトニーの「ライヴ・イン・ラスヴェガス」も放送を終えていたため、今度はブリトニーとマイケルのデュエットも放送されることになった。


私は前回も見たのだが、今回もブリトニー見たさにまた見た。もちろん他人のコンサートだから、わざわざブリトニーに合わせて口パクで録音を被せることはしない。というか、マイケルは実際に生バンドに合わせて歌っているから、事前の録音なんか被せようがない。それでブリトニーも実際に歌わざるを得なかったわけだが、歌いだして30秒もしないうちに声が聞こえなくなった。彼女は本当に動きながらだと歌えないのだ。しかし、その時は動きながらとはいってもほとんど歩いているだけで、それで声がすぐに出なくなるのでは、これはダンスも持ち味のシンガーとしては致命的な欠陥と言ってしまっていいのではないか。実際、その横でマイケルはもっと派手な動きをしながらちゃんと歌っている。ブリトニーは可愛いし、ミュージック・ヴィデオは面白いし、曲だって面白いのだが、口パクコンサートを続けている限り、いつかはファンに見放されはしないかと心配だ。


こないだニュースを見ていたら、今年のワースト・ドレッサーの第2位にブリトニーが選ばれていた。実はブリトニーは去年は栄えある? 第1位だったのだが、今年はNBCのクイズ番組「ウィークスト・リンク」で解答者を罵倒しまくるホストのアン・ロビンソンに1位を奪われたのだ。ロビンソンの衣装はブランド物だというのはわかるが、確かにあまり似合っているとは言い難いからな。おかげでブリトニーは今年は2位に順位を下げたのだが、それでも「まったく調子の出ない日のマドンナの二番煎じ」と、結構な暴言をいただいていた。人気者は風当たりも強い。 







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Britney Spears: Live in Las Vegas

ブリトニー・スピアーズ: ライヴ・イン・ラスヴェガス   ★★1/2

 
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