初日、ロリ・マキロイが9アンダー63という驚異的なスコアでトップに立つ。しかし2日目は午後から強風が吹き荒れ、8オーヴァー80を叩いて後退。なんせグリーン上でマークしたボールが、風のために転がっていってしまうのではゴルフはできない。途中でマーシャルがプレイを中断したが、それでも午後いっぱい風に悩まされた。


ついていたのは風のない午前にプレイしたゴルファーで,2日目を終わって上位陣は、すべて午前中にプレイを終えたゴルファーだ。中断の後では、アンダー・パーでコース・アウトしたゴルファーが一人もいなかったことからでも、その影響が知れる。勝つためには実力だけでなくツキも必要という、いかにも全英らしい展開となった。折り返し時点での首位は南アフリカのルイス・ウーストハイゼンが,12アンダーと断トツ。7アンダーでマーク・カルカヴェッキアが続く。6アンダーにはポール・ケイシー、リー・ウエストウッド、スティーヴン・ティリーら英国勢が3人。


ウーストハイゼンは3日目も好調で3アンダー69、15アンダーで首位をキープする。11アンダー2位で追うのはケイシー、8アンダーでマーティン・カイマー、7アンダーでアレハンドロ・カニザレス、ウエストウッド、ヘンリク・ステンソンが続く。


最終日は誰も伸びてくるものがいず、早々に勝負はウーストハイゼンとケイシーの二人のでき如何に絞られる。そのケイシーが12番パー4でティ・ショットをブッシュに打ち込み、トリプル・ボギーで9アンダーと後退、一方のウーストハイゼンがバーディで17アンダー、二人に8打差ついたところで、勝負あった。全英はカヌースティのように後半何が起こるかわからないコースと、特にドラマティックなことはあまり起こらないコースがある。セント・アンドリュースは後者の典型であり、勝負としての興味はそこで潰えた。


結局ウーストハイゼンは16アンダーでメイジャー初優勝、9アンダー2位にウエストウッド、8アンダー3位に挽回してきたマキロイとステンソンとケイシー、7アンダー6位ににレティーフ・グーセンが入った。タイガー・ウッズは3アンダー23位タイと今回もいいとこなし。フィル・ミッケルソンも1オーヴァー48位。石川遼は2アンダーで27位タイ。今回は終わったばかりのサッカー、ワールド・カップの影響もあり、南アフリカのウーストハイゼンが首位になった時からなんとなくそのまま行きそうな気はしていたが、アーニー・エルスでもグーセンでもなく、初耳のゴルファーというところがいかにも全英らしい。 同日程で行われたレノ-タホ・オープンはマット・ベテンコートが11アンダーでツアー初優勝を飾った。








 

第139回全英オープン   ★★1/2

2010年7月15日-7月18日、英国、スコットランド

セント・アンドリュース、ジ・オールド・コース


 
inserted by FC2 system