今年のジ・オープン、なんとタイガー・ウッズがまさかの予選落ち。初日1オーヴァー71と確かによくはなかったが、2日目パー続きの後7番パー5でバーディを奪ってイーヴンに戻し、さあこれからというところで2連続ボギー、10番パー4ではティ・ショットを右に曲げてロスト・ボールのダブル・ボギー。しかしプロのトーナメントで、しかもマーシャルがいたるところに立っているのにロスト・ボールが出るというのが全英だ。ウッズがポケットに手を入れてとぼとぼとフェアウェイに戻ったり、打ち直しにティに帰るなんて姿を見ることができるのは、全英以外にない。
ウッズはさらに12番パー4もボギー、13番パー4では第2打をグリーン・オーヴァー、返しのチップは届かず転がり落ち、第4打を乗せたもののボギー・パットを外してここでもダブル・ボギーと、よくわからないままあれよあれよという間に7オーヴァー。解説のイアン・ベイカー・フィンチらもいきなりウッズの予選落ちを頭に入れながら解説しないといけなくなった。特にウッズの調子が悪いからというよりも何をしてもうまく行かないという感じで、こういう運の悪い時に運の悪さを倍増させるのが全英だ。
ウッズは16番パー4、17番パー5とバーディをとって5オーヴァーとなるも後の祭り。足切りラインは4オーヴァーで、こうなったら今、線上のゴルファー全員に大叩きしてもらい、足切りラインが5オーヴァーになればなんとか滑り込みセイフなんだがと願うこちらの一縷の希望もむなしく、プロ入りして7回目の予選落ち。これで去年、今年と週末にウッズのいない全英か。
勝負の方は3日目を終わった時点で4アンダーで首位はトム・ワトソン。ワトソンは初日5アンダーで首位タイで、そこからずっと踏ん張っている。しかし過去5度全英制覇のワトソンといえども、59歳、ツアーでは10年くらい前だかのコロニアル以来勝ったのを見たことがない。本当に最終日も踏ん張れるのか。昨年のグレッグ・ノーマンという例もある。ワトソンの下は3アンダーにロス・フィッシャーとマシュウ・ゴギン、2アンダーにレティーフ・グーセンとリー・ウエストウッド、1アンダーにスチュワート・シンクとジム・フューリックがいる。
最終日は1番、2番と連続でバーディを奪ったフィッシャーがあっという間にワトソンを逆転、2アンダーに後退したワトソンに2打差をつける。やっぱりそういう展開かと思わせといて、フィッシャーは5番パー4でティ・ショットを右ラフに打ち込み、あれよあれよという間にクアドラプル・ボギー、戦線から脱落する。
一方、今度は7番でイーグルを奪ったウエストウッドが4アンダー。しかしそこからワトソンも粘り、ゴギンも踏ん張る。一時ウエストウッドとワトソン、ゴギンの3人が3アンダーで並び、後続に2打差ついてバック・ナインに入った時点で勝負はこの3人の誰かと思われた。
しかし3人もじりじり後退、その中で踏ん張るのが誰あろうワトソン。本当にワトソン、行くかと思わせといて、最後の最後の18番パー4でバーディを奪い、2アンダーとなって首位タイに躍り出たのはシンク。しかしワトソンは17番をバーディで一人3アンダー。18番をバーで上がれば史上最年長の全英、どころか史上最年長メイジャー制覇、しかも全英6勝という偉業がかかる。実力だけでなく運も必要という全英で、しかも現代ゴルフで6勝か。こりゃすごいわ。
しかしワトソンは18番で第2打をグリーン・オーヴァー、そこからのアップ&ダウンに失敗してボギー、勝負は2アンダーのワトソンとシンクのプレイオフになった。5番、6番、17番、18番の4ホールで行われたプレイオフは、5番で二人とも第2打をバンカーに打ち込み、シンクがパー・セイヴを拾うがワトソンはこれに失敗してボギー。
6番パー3ではワトソンのティ・ショットが大きくグリーン右のほとんど谷底といったところに外れ、もうワトソン、ダメかと半分観念する。しかしワトソンはフラッグはまったく見えないそこから絶妙の寄せを見せてパー・セイヴ、首の皮一枚残す。シンクはパーで上がる。
勝負の最後のカンどころは17番で、それまで安定していたワトソンがティ・ショットを左に曲げ、ラフから抜け出すことができずに結局ダブル・ボギー。一方のシンクがバーディだったことからこのホールだけで3打、合計4打差ついて、さすがに勝負あった。ワトソンは18番もティ・ショットも左に曲げ、力尽きたという感じだった。結局ワトソンは18番もボギー、シンクはここでも絶妙の第2打でバーディ、死者に鞭打って4ホールだけでワトソンに6打差をつけ、メイジャー初優勝。私だけでなくギャラリーもワトソンを応援していたんだが、ここはシンクの健闘を称えるべきだろう。特にレギュレイション最後の18番のバーディ・パットはでかかった。1アンダー3位にはウエストウッドとクリス・ウッド、イーヴン・パー5位にグーセン、ゴギン、ルーク・ドナルドが入った。
全英と並行して行われたUSバンク・チャンピオンシップは、ジョン・メリンジャーとボー・ヴァン・ペルトが13アンダーでこちらもプレイオフとなり、2ホール連続してバーディを奪ったペルトが勝った。しかし、ああワトソン、勝たせてやりたかった。
