第134回全英オープン

2005年7月14-17日   ★★★

英国スコットランド、セント・アンドリュース、オールド・コース

初日6アンダー66でタイガー・ウッズが首位に立った瞬間からセント・アンドリュース2連勝をほぼ確信していたが、ウッズは3日目1アンダー71で伸びず、他のゴルファーに差をつめられる。2日目終了時点で11アンダー、7アンダーで2位のコリン・モンゴメリに4打差だったものが、3日目終了時点でウッズ12アンダー、10アンダーで2位のホゼ・マリア・オラハボルに2打差とマージンを狭められる。とはいえメイジャーでウッズが3日目終了時点で単独首位か首位タイにつけていた場合の優勝率はこれまで100%、とりこぼしなしと、別に本気で心配していたわけではない。


実際、最終日、ウッズはこの上なく安定、スコアこそ2アンダー70と初日、2日目に及ばなかったものの、6番パー4、7番パー4、8番パー3と連続してアイアン・ショットがフラッグに直撃するかボールがカップをかすめるショットを連続して放つ。フラッグを直撃したせいでボールがグリーンからこぼれたり、パットが決まらなかったせいで全部パー上がりになってしまったが、これだけアイアン・ショットがピンに絡むなら、全然問題ないと思わせた。実際、運さえよければそのうち一つはイーグルになっていてもおかしくなかった。


一方、オラハボルやモンゴメリ等、他のゴルファーはスコアを伸ばすことができない。ウッズと集団の差は徐々に開き始め、案の定、バック・ナインに入ってウッズの優勝は誰の目にも明らかになった。結局最終スコアはウッズ14アンダー、2位のモンゴメリが9アンダーと、5打差つくウッズの完勝となった。3位8アンダーがオラハボルとフレッド・カップルス、5位7アンダーにヴィージェイ・シング、レティーフ・グーセン、セルジオ・ガルシア、マイケル・キャンベル、バーンハルト・ランガー、ジオフ・オグルヴィが入った。ちゃんと上位にワールド・ランキング上位ゴルファーが入ってくるところがいかにもメイジャーらしいが、今回はフィル・ミッケルソンとアーニー・エルスの調子は今一つだった。


ところで今回は、ジャック・ニクラウスの最後の全英でのプレイだったのだが、3オーヴァーで予選落ちしたニクラウスが、予選落ちが決まった2日目の18番ホールで、有名なあの石橋の上で立ち止まって記念撮影をしていたのがなんともおかしかった。そりゃあ一つの時代を作ったニクラウスの最後のトーナメントであるからして、わからないではないが、しかし、プレイの途中だぞ。その後にもパーティは続いているってのに、プレイを中断してまで写真撮るか。


まあ、ウッズ以前にセント・アンドリュース2連覇の記録を持つニクラウスを称えるというのはわかるし、それに対して他のゴルファーが何も文句を言わないというのもいかにも全英らしい。全米ならこんなセレモニーはプレイの前か後ならともかく、プレイ中には絶対やらないだろう。全英では優勝ゴルファーが表彰セレモニーでカップを持ってその辺を歩き回るというのもいかにも英国らしい。まるでウィンブルドンみたいだ。やはり手順というのを大事にする歴史のある国なんだなという気がする。


さて、この週末はアメリカでは全米アマチュア・パブリック・リンクスのマッチ・プレイ・ゴルフがあり、15歳の少女 (というにはもう身長は170を超えているわけだが) ミシェル・ウィーが準々決勝まで進出して話題を振りまいた。全英ではニクラウスが引退、ウッズがちゃんとその後釜に収まり、ウィーはLPGAだけでなくゴルフ界そのものに激震を与えるなど、世代交代、ゴルフ界の変革を印象づけた。もしウィーがLPGAに目もくれず、PGAや男子ゴルフに挑戦し続けるなら、たぶん遠からず誰もLPGAなんか見なくなるだろう。





< previous                                    HOME

 
 
inserted by FC2 system