初日、2日目とコリン・モンゴメリが首位をキープ、ついに念願のタイトル獲得なるかと思われたが、3日目に崩れる。代わって6アンダーで首位に立ったのはデイヴィッド・デュヴォール、バーンハルト・ランガー、イアン・ウーズナム、アレックス・チェッカら4人で、1打差でそのすぐ後ろにもモンゴメリ以外にニック・プライス、ジャスパー・パーナヴィク、ダレン・クラーク、そのまた1打差でアーニー・エルス、セルジオ・ガルシア、それに全米を制したレティーフ・グーセンらの名があり、この日2オーヴァーで通算1アンダーとなってほとんどチャンスは潰えたかのように見えるタイガー・ウッズには悪いが、こういう接戦はやはり面白い。特に3日目のバック9は、午後になって風が吹き出したこともあって、上位陣に全英特有のフェスキュー草のラフにつかまっていきなり大叩きするゴルファーが続出、勝負の行方がまったくわからなくなった。しかし3日目、ベスト・スコアの65を出していきなり上位に顔を出したデュヴォールの名前を見た時は、ウッズの調子次第でこれはもしかして昨年の最終ペアの再現かと一瞬期待したんだが。


最終日もバック9に入ってデュヴォールが完全に頭一つ抜け出すまでは混戦で、まったく誰が勝つかわからない。ウッズはフロント9順調にスコアを伸ばしていたが、12番パー3で最近の彼のゴルフでは見たことがないトリプル・ボギー6を叩き、完全に脱落。一番可哀想だったのはウーズナムで、彼は1番パー3であわやエースと思えるバーディをとって首位に並んだのも束の間、2番ティでクラブが1本多いのがわかって2ストロークスのペナルティとなった。あれがなければ勝負がどうなったか全然わからなかったのだが。怒ったウーズナムがいきなりバッグからドライヴァーを取り出して投げ捨てていたのが印象的だった。これはもちろんキャディの責任なのだが、その後どういう気分でコースを回ったのだろうか。


結局勝負の方は、この日安定してスコアを伸ばしたデュヴォールが10アンダーまでスコアを伸ばし、7アンダーで2位のスウェーデンのニコラス・ファースに3打差をつけて初メイジャーを制したのだが、彼はこの日、はっきり言ってついていた。ウッズがよく「You need a good break to win a Major (メイジャーを勝つためにはツキも必要なんだ)」と言うが、最終日のデュヴォールは、バンカーに入りそうなショットがうまく逆の方に弾んだり、ラフにつかまったと思ったボールがうまく転がってグリーンに乗ったりと、思わず「ラッキー」と呟いてしまいそうなショットが4、5回はあった。これがウッズの言う「Good break」であるわけだな。まあ、デュヴォールはこれまで何度もメイジャー制覇を目前にしながら辛酸をなめてきたわけだから、ここらで勝ったのは順当と言えば順当と言える。しかし、これで今後プレッシャーがかかるのはフィル・ミッケルソンだな。これまではデュヴォールと二人、メイジャー優勝なしのベスト・ゴルファーと言われていたが、今後その形容を一人で引き受けなければならない。内心、相当焦っているだろうな。







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130回全英オープン

2001年7月19-22日   ★★★1/2

英国ランカシャー、ロイヤル・リザム&セント・アンズ・ゴルフ・クラブ

 
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