ブリジストン招待

2007年8月2日-8月5日   ★★★

オハイオ州アクロン、ファイアストーン・カントリー・クラブ

全英から一週、間をおいて開催される今年のブリジストン招待、その全英の覇者パドレイグ・ハリントンも、セルジオ・ガルシアも、アンドレス・ロメロもいる。先週のカナディアン優勝のジム・フューリックも、ヴィージェイ・シングもいるし、そしてもちろんタイガー・ウッズもいる (結局フューリックは腰痛で途中棄権した。)

勝負は2日目を終わった時点で首位は6アンダーのロリ・サバティーニ、4アンダーでザック・ジョンソンが続く。3日目、ジョンソンは途中までまったく危なげなく見えたが、9番パー4でティ・ショットをラフに打ち込んだ後、何がなにやらわからぬ間にあっという間に大叩きしてこのホール、クアドラプル・ボギー8で沈む。結局3日目終了時点で4アンダーで首位はサバティーニ、1打差3アンダーでウッズ、その下にはケニー・ペリーが1アンダーと、アンダー・パー・プレイで回っているのはこの3人だけで、たぶん優勝はこの3人のうち誰かだろう。

最終日はサバティーニとウッズが共に1番パー4でバーディ、ウッズが続く2番パー4もバーディを奪って6アンダーが首位に並ぶ。4番パー4は、ウッズはまたまたバーディ、一方のサバティーニがボギーの2ショット・スウィングで、ウッズがいきなり2打差をつけて単独首位に立つ。その後はウッズと後続の差は広がるばかりで、この日ウッズは5アンダー65、最終スコアはただ一人アンダー・パーの8アンダーで、イーヴン・パーで2位のサバティーニとジャスティン・ローズに8打差をつけての完勝。調子のいい時のウッズに勝てるゴルファーはこの世にいないことを改めて確認させた。

それが最も端的な形ででたのが9番パー4で、最終パーディでプレイするウッズ、サバティーニ、ペリーの3人共ティ・ショットがフェアウェイを外す。特にウッズは左に曲げて、第2打はほとんど隣りのフェアウェイに近いラフから林越えのショット。グリーン脇のギャラリーに当たってフリー・ドロップの後の第3打はカップを15フィート・オーヴァーしてフリンジへ。そこからチップ・ショットを沈めて派手なアップ&ダウンのパー・セイヴを拾う。

一方のサバティーニとペリーのボールもほぼウッズと同じフリンジ/ラフに集まるが、ペリーはボギー、サバティーニはダブル・ボギーと、その日の明暗をはっきりと象徴するようなホールだった。ウッズは12番パー3でもグリーンそばからのチップ・ショットを直接カップ・インさせてバーディを奪い、18番パー4でも9フィートのパー・パットを沈めるなど、ただ一人ボギー・フリーのラウンドで、勝つ時のウッズは勝負強さだけでなく、ツキも強引に引き寄せるという感じだった。

ウッズはこれでファイアストーン、1999-2001年および2005-2007年と、同一トーナメントを3年連続で勝つことを2度繰り返して6勝するというツアー記録を達成。ツアー通算では58勝目。特にフィールドがランキング上位者で占められるWGCシリーズで強く、これまで25回のWGCトーナメントで14勝目。WGCにおける勝率5割以上という圧倒的な強さを見せた。ところで足切りのないブリジストン、80余名がエントリーして途中棄権のマイク・ウィアーを除き全員4日間プレイしたわけだが、最下位のホゼ・マリア・オラハボルの最終スコアは34オーヴァーだった。プロとしては内心忸怩たるものがあるだろうなあ。

ところでブリジストンと並行して開催された通常ツアーのレノ-タホ・オープンは、スティーヴ・フレッシュが初日から最終日までワイヤー・トゥ・ワイヤーで首位を譲り渡さず、15アンダーで10アンダーのケヴィン・ステドラーとチャールズ・ウォレンに5打差をつけて勝った。さて、今週は今年最後のメイジャー、PGAチャンピオンシップか。



 
 
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