放送局: FOX

プレミア放送日: 10/23/2000 (Mon) 20:00-21:00

製作: デイヴィッド・E・ケリー・プロダクションズ、20世紀FOXテレヴィジョン

製作総指揮/脚本: デイヴィッド・E・ケリー

共同製作総指揮: ジョナサン・ポンテル

製作: パメラ・ワイスン

監督: トマス・シュラム

撮影: ゴードン・ヴァーユール

編集: フィリップ・ニール

音楽: ダニー・ラックス

美術: ポール・イーズ

出演: チャイ・マクブライド(スティーヴン・ハーパー)、ジェサリン・ギルシグ(ローレン・デイヴィス)、ファイヴッシュ・フィンケル(ハーヴィ・リプシュルツ)、アンソニー・ヒールド(スコット・グーバー)、ニッキー・カット(ハリー・セナト)、シャロン・リール(マリリン・サドア)、ジョーイ・スロトニク(ミルトン・バトル)


物語: ボストンのハイ・スクール、ウィンスロウ・ハイは、全米の他の学校と同様、様々な問題を抱えていた。朝から学校に乗り込んできているのは、息子が落第かどうかの瀬戸際にいる父親で、しかも学校の花形フットボール・プレイヤーである息子は、Fをもらって落第したら今度の試合に出られない。しかし社会担当のローレンは恩情でDを与えるのを拒否、校長のスティーヴンもローレンをサポートする。問題の生徒の父親は学校を訴えると脅し、弁護士が仲介に立つ。驚いたことに、その弁護士は部外秘のはずの学校内部の事情を知っていた。


一方、教頭のアンソニーは堅物だが、ローレンに好意を持っていた。学校中のものがそれを知っており、新聞部の生徒がそのことをおちょくったウェブ・サイトを公開して初めてアンソニーは自分が学校中の笑い者になっていることに気づく。昔気質の歴史の教師ハーヴィは、ノーブラで学校に来る女生徒をほっておけず口論となり、廊下のロッカーには苛められっ子がおしめをされて閉じ込められている。


そしてある日、ついにぷっつんときた教師のハリーが拳銃持参で現れ、教室内で発砲、力づくで生徒の態度を改めようとする。校長室は事態の説明を求める父兄で溢れ、スティーヴンは事態の収拾に奔走する。それなのにハリーは、落第が間違いないと思われていたフットボール・チームの生徒にDを上げ、試合に出させてやる。実はハリーは教え子の女生徒と関係があり、問題となっている生徒を試合に出さなければ、関係を皆にばらすと半ば脅されていたのだ‥‥


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「アリーmyラブ」、「プラクティス」等ヒット番組を連発し、波に乗るヒットメイカー、デイヴィッド・E・ケリーが製作する新番組。昨年FOXで製作した短縮版「アリーmyラブ」の「アリー (Ally)」と、CBSで製作したアクション・ドラマ「スヌープス (Snoops)」が共にケリー製作番組にしては珍しくも失敗しているため、今回はその汚名挽回のためにも是非番組を成功させたいところである。


「ボストン・パブリック」は複数の教師を主人公とする群像ドラマであるが、プレミアを見た限りでは焦点は学校を仕切る校長のスティーヴンと、社会の教師ローレンに当たっている。この二人を主軸に、現代の学校システムが抱える様々な問題点に焦点を当てて問題提起をしながら、エンタテインメントとしても楽しめる番組を目指している。


スティーヴンを演じるチャイ・マクブライドは、一昨年、リンカーン時代のホワイトハウスの黒人の召し使いを描いたシットコム、「シークレット・ダイアリー・オブ・デズモンド・ファイファー (The Secret Diary of Desmond Pfeiffer)」なる摩訶不思議な番組に主演していた。もちろんこの番組はすぐキャンセルされた。ローレンに扮するのは、ジェサリン・ギルシグ。「モンタナの風に吹かれて」に出ているそうだが、私は知らなかった。ここでは最も真実味のある役柄であり、好演である。写真では今イチ写りが悪いが、ジョディ・フォスターの若い頃を彷彿とさせるなかなかの美人である。


他には「ピケット・フェンス」等、ケリー作品の常連ファイブッシュ・フィンケルが歴史教師のハーヴィ、「依頼人」のアンソニー・ヒールドが教頭のスコット、「イギリスから来た男」のニッキー・カットが熱心過ぎてすぐに限度を超してしまう熱血教師のハリーに扮している。プレミアの監督は「シカゴ・ホープ」、「プラクティス」、「アリーmyラブ」等、ケリー番組の常連トマス・シュラム。


去年の「アリー」と「スヌープス」が期待外れに終わっただけに、今回はなんかやってくれるだろうとは思っていたが、期待に違わず楽しませてくれた。これまでのケリー作品と比すると、一番感触が近いのは「ピケット・フェンス」だろうか。日本の既知の番組と比較するなら「金八先生」のアメリカ版とでも言えるんだろうが、こちらは基本的に教師が主人公であり、話の進むスピードが段違いに速いことが特色と言える。プレミアだけでも重要なプロットが幾つも並行して描かれ、人間関係や話の展開を追うのに結構手一杯だった。


その中でもやってくれましたねと私が快哉を叫んだのが、生徒に向かって発砲する教師のハリー。いいぞいいぞどうぞやってください。このくらいあっと言わせてくれなくちゃ。さすがケリー、この辺うまく視聴者の裏をかくツボを心得ている。しかもこのハリーが、実は教え子の女生徒とできちゃっているというところもいい。教室で発砲する教師が、後でその女生徒からほとんど脅迫されて落第生に及第点を与えなくてはいけなくなる。この逆転というか、意外性、それに伴う人の心の機微の描写がケリー作品の醍醐味である。まだプレミアということもあり、登場人物の紹介に忙しくて「プラクティス」や「アリー」で確立されている洗練さにはまだまだだと感じたが、そういうものはどうせおいおい追い付いてくるだろう。これからが楽しみな番組である。

 





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Boston Public

ボストン・パブリック   ★★★

 
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