ブラッド・ドライヴ   Blood Drive 

放送局: SyFy 

プレミア放送日: 6/14/2017 (Wed) 22:00-23:00 

製作: ストロング・アンド・ドブス 

製作総指揮: フレドリク・マームバーグ 

クリエイター: ジェイムズ・ローランド 

出演: アラン・リッチソン (アーサー・「バービー」・ベイリー)、クリスティーナ・オチョア (グレイス・ダルジェント)、トマス・ドミニク (クリストファー・カーペンター)、マラマ・コーレット (アキ)、コリン・カニンガム (ジュリアン・スリンク) 

 

物語: 1999年、別の次元のLA。アメリカはミシシッピ川を境に文字通り分裂しており、水とガソリンは超高価で人類の富は一部の超大企業が独占し、関係のない一般市民は底辺を彷徨って一日一日を生き延びていた。警官のバービーはケチな犯罪人からドラッグの情報を仕入れ、裏のパーティに潜入する。しかしそこで主宰のジュリアンに見つかり、同様にパーティに入り込んでいたグレイスと共に身体にチップを埋め込まれ、抱き合わせでアリゾナまでの命を賭けたレースに強制参加させられる。最下位になると待っているものは死だった‥‥


_______________________________________________________________

Blood Drive


ブラッド・ドライヴ  ★★

特に事前に番組のことを知っていたとか惹かれていたということもなかったのだが、たまたま垂れ流し的に点いてたTVでやってて、目に入ったイメージが強烈で目に焼きついてしまったというのが、「ブラッド・ドライヴ」だ。 

 

だいたい、ふと目を上げて見たものが、人がクルマのエンジンに頭を突っ込んで血飛沫を上げているというシーンだったら、誰だって多少は仰天するだろう。私の場合は元々特にスプラッタ・ホラーを得意にしているわけではないので、なおさらだ。 

 

1999年の別の次元のLAでは、アメリカはミシシッピ川を境に南北に縦断され、すべての富は一部の大企業が握っている。ガソリンは効果で一般人が簡単に手に入れられるものではなく、そのため、クルマはガソリンではなく、人の血を吸って走る。どうやらその方が安いようだ。騙されてボンネットの下に頭を突っ込まされようなものなら、そのままエンジンが頭を挟み込んで砕き割り、クルマは飛び散る血飛沫を燃料にしてまた走り始める。 

 

主人公の正義感の強い警官のバービーと一癖ある悪女タイプのグレイスは、潜入した地下パーティで捕らえられ、首筋に生死を司るチップを挿入され、命を賭けた大陸横断的なカー・レースに強制的に参加させられる。レースに負けたら、待っているものは死だ。 

 

最初のレースでバービーとグレイスのクルマは、途中オーヴァーヒートを起こしてしまう。グレイスはエンジンを冷やすため、バービーにパンツを脱いでおしっこをかけろとせっつく。水が高価で使えないという伏線を活かすためか。 

 

これだけでもかなり下世話と思わせるのに、ゴール寸前でグレイスは、いきなり服を脱ぎ始めたかと思うとバービーに跨がり、こんな時だというのにセックスをせがむ。実はそれによってクルマが興奮してスピードが上がるのだ。それでもまだ足らず、グレイスは四つん這いになると、バービーに後ろから突いて、もっと激しくと要求する。それでもちゃんと足先でステアリングは操作している。絶頂に達すると共にゴール、なんとか制限時間は守れたという、言語道断もろ失笑の展開になる。 

 

エッチのシーンでは二人の間に大きな黒い四角のぼかしが入るところを見ると、思うにこの番組、半分はエロヴィデオとして大人の男性向けに製作されたに違いない。正直言って、どこからどう見てもB級もB級なんだが、あまりにもB級で、逆に楽しめることも確かだ。エンジンが左右にばかっと開いて、まるで歯のある食人花のように人を食い千切り呑み込み、これでもかとばかりに血飛沫が飛ぶ。やっぱり、なんでこうなるのって理由を訊いちゃいかんのだろうな。 

 

バービー役のアラン・リッチソン、グレイス役のクリスティーナ・オチョア、共に初めて目にすると思っていたが、リッチソンはスパイクTVの、これまたお下劣系のコメディ、「ブルー・マウンテン・ステイト (Blue Mountain State)」に主演級で出ていたそうだ。まあ、真面目に見ていたわけではなかったから全然気づかなかった。それよりもハッチソン、そもそもの業界デビューは2004年のFOXの「アメリカン・アイドル (American Idol)」のオーディション篇に登場して、歌ではなくムキムキボディを披露していたそうだ。もちろん覚えているわけがない。 

 

ついでにオチョアの経歴も調べてみたら、なんとノーベル生理学・医学賞を受賞したセベロ・オチョアの兄弟の孫だそうだ。父のビクター・オチョアもスペインではよく知られた彫刻家ということだ。科学にも芸術にも秀でた血を引いていることは間違いないようだ。それがこんな番組に出ているのか。 












< previous                                    HOME

 
 
inserted by FC2 system