ベター・レイト・ザン・ネヴァー   Better Late Than Never

放送局: NBC

プレミア放送日: 8/23/2016 (Tue) 22:00-23:00

製作: ストーリーライン・エンタテインメント

製作総指揮: クレイグ・ゼイダン、ニール・メロン

出演: ウィリアム・シャトナー、ヘンリー・ウィンクラー、ジョージ・フォアマン、テリー・ブラッドショウ、ジェフ・ダイ


内容: 不良老人4人組+一人がアジアを旅する。


オジー・アンド・ジャックス・ワールド・デツアー   Ozzy and Jack’s World Detour

放送局: ヒストリー

プレミア放送日: 7/24/2016(Sun)22:00-23:00

日本行エピソード放送日: 9/4/2016 (Sun) 22:00-23:00

製作: Tグループ・プロダクションズ

製作総指揮: デイヴ・コンウェイ

出演: オジー・オズボーン、ジャック・オズボーン


内容: オジーとジャックのオズボーン父子が世界中を旅する。


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こないだのリオ・オリンピックの開会式の翌日、NBCのニューズキャスターが、最も印象的だったのは安倍総理のマリオだったと言っていたが、観光日本の努力が功を奏しているのか、近年アメリカのTVを見ていても日本を目にする機会は多い。「ベター・レイト・ザン・ネヴァー」と「オジー・アンド・ジャックス・ワールド・デツアー」はその例に連なる最新例だ。


NBCの「ベター・レイト・ザン・ネヴァー」は、韓国のリアリティ・ショウ「花よりおじいさん (Grandpas Over Flowers)」のリメイクで、アメリカの不良老人軍団が、これをやらずに死ねるかとばかりにアジア旅行を企画する。その第一歩が日本だ。その面々はウィリアム・シャトナー、ヘンリー・ウィンクラー、ジョージ・フォアマン、テリー・ブラッドショウの4人。彼らだけでは不安なので、お目付役としてコメディアンのジェフ・ダイが同行する。


一見して気づくのは、4人のうち二人は元プロのアスリートということ。ボクシング・へヴィ級元世界チャンプのフォアマン、4度スーパーボウルで優勝したアメリカン・フットボールの伝説的クオーターバックのブラッドショウは、アメリカ人なら知らぬ者のない超有名人。むろんTVの「スター・トレック (Star Trek)」でエンタープライズ号のカーク船長を務めたシャトナー、および70年代の人気コメディ・ドラマ「ハッピーデイズ (Happy Days)」のウィンクラーも、負けず劣らずの知名度がある。


日本を含めアジアは、特に年配のアメリカ人にとっては、かなり縁遠い、よく知らない世界だ。そのアジアで最初に足を踏み入れるのが、東京だ。それにしても渋谷のスクランブル交差点は、マンハッタンのタイムズ・スクエアに負けない頻度でアメリカのTVでも目にしているような気がする。


ディープなアジアを経験する、みたいな企画だから、もちろん4つ星ホテルなんかには泊まらない。一行が宿泊するのは、新橋のカプセル・ホテルだ。歳とったとはいえ、へヴィ級のフォアマンやフットボール・プレイヤーのブラッドショウは、当然今でも身体はでかい。これをあのカプセルの中に押し込まないといけないと考えただけでぞっとするに違いない。閉所恐怖の気があるなら、もうアウトだ。


一行はその後、居酒屋でよくわからない不気味なものを食べさせられ、日テレ? のヴァラエティ・ショウにゲストとして招かれ、小型バスでカラオケしながら富士見物に出かける。とはいっても富士山に登るのではなく、富士がよく見える絶景スポットに行く。元アスリートでも、今さら富士登山はきつい。それでもかなり階段を登らされていたが。


たぶん翌日? は京都行きで、むろんそこでもご乱行。正直言って芸妓遊びは外国人には退屈じゃないかと思うのだが、やはり痺れを切らして障子を破り、やりたい放題しまくるのだった。その後彼らは香港、韓国等を巡るのだが、最年長のシャトナーは83歳であり、それを考えるとこのヴァイタリティは感心ものではある。


一方「オジー・アンド・ジャックス・ワールド・デツアー」は、オジーとジャックのオズボーン父子が世界の気になる場所を旅行するという企画。オジーはもちろん元ブラック・サバスのリード・ヴォーカルの、あのオジー・オズボーンであり、オズボーン家に密着したMTVのリアリティ・ショウ「ジ・オズボーンズ (The Osbournes)」は、当時世に出始めたセレブ密着型のリアリティ・ショウの先駆けとして、多大な人気を博した。


当時まだティーンエイジャーだったジャックも今では成人して大人であり、顔には髭を蓄え、結婚して確か子供もいる。一方のオジーは、当時も今も呂律の回らない廃人一歩手前という印象は変わらない。しかし妻のシャロンは「オズボーンズ」をきっかけにオジーよりも人気が出てしまい、今では様々なトークやリアリティ・ショウのホストやコメンテイターとして引っ張りだこで、オジーより稼いでいるのは間違いない。そしてついにオジーを見限って、離婚して家を出て行ってしまった。


そういう境遇のオジーとジャックが、二人の興味ある世界の様々な場所へ足を運んでみるというのが、今回の企画だ。そしてその中の一回が日本であるわけだが、この時に限ってはわざわざ番組のために日本まで出張ったわけではない。たまたま幕張メッセでヘヴィメタの祭典オズフェストがあり、オジーが出演するのに合わせての撮影だ。それにしても日本でもオズフェストが開かれているとは知らなかった。


オジーは一応主賓格だから、むろんカプセル・ホテルなんかには泊まらない。どうやら滞在しているのは丸の内のシャングリ・ラ東京の、しかもスイートのようだ。オジーは電動で便座の開閉するウォシュレットを見て肝を潰している。そういやあんたは昔から使い方のよくわからないガジェットには弱かった。今回もやはりスマート・フォンでのカメラ撮影に四苦八苦している。


今では死にそうなほどクスリをやっているわけではなさそうだが、代わりにカフェイン中毒のオジーは、街中で自販機を見つけると、ジャックにコインを投入させて満足そうに缶コーヒーを飲んでいる。なんだか不思議と絵になる光景だ。要するに普通のじじぃになったってことか。それにしてもオジーが喋ると英語のはずなのに画面に字幕が出る。


こういう二人が日本で訪れるのは、もちろんありふれた観光地ではない。メインは日本刀の製作現場を訪れることと、ジャックに刺青を彫ることにある。新幹線で京都にも行き、知恩院を訪れてここでトム・クルーズが「ラストサムライ (The Last Samurai」を撮ったんだと感心してたりもする。


日本刀製作現場では、そこで働いている人がやけに二人に愛想がいい。こんなの、たとえ相手がセレブでもここまで詳しく手取り足取りみたいな感じで説明するかと思っていたら、帰り際にオジーにCDにサインをもらっていた。どうやらオジーのファンだったようだ。ヘヴィメタ・ファンの刀工か。


横浜では三代目彫よしに、ジャックの右肩に達磨を彫らせる。見るとジャックは背中に結構な彫り物をしていて、しかもなかなか悪くない。それに達磨が加わった。しかもジャックは最初から達磨のことを知っていた。日本古来の文化も、地道に海外に広まっているらしい。










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