Belmont Stakes

ベルモント・ステイクス

2014年6月7日

東京に住んでいた時は、大きなレースの時中心とはいえ、わりと府中や中山に足を運んでいた。それがアメリカではぷっつりと競馬を見なくなったのは、ここではレースがダート中心で、芝と馬の対比の美しさに慣れた私の目には、あまり魅力的に見えなかったことが大きい。アメリカではダートの力強さの方が重要視される。


それでもカリフォルニア・クロームの快進撃によって36年振りのトリプル・クラウン、三冠馬が今度こそ誕生しそうと巷が湧いているので、ここで初めての競馬を見に行くなら今日しかないと、女房と共にベルモント・パークに行く決心をする。


ペン・ステイションからLIRRの臨時便も出ているが、ベルモントの駐車場は広いと聞いていたのでクルマを出す。そしたら、とにかくフリーウェイがべた混みで、クイーンズに入ってLIEに乗った途端、いきなり渋滞に巻き込まれる。土曜とはいえ既に2時を回っており、これからロング・アイランドに向かうのはそれほどいないだろうと考えたのが甘かった。


それでもクロス・アイランド・パークウェイに入ったらなんとかなるだろうと思っていたら、そしたらLIEより混んでて、今度こそほとんど牛歩の歩みで前に進まない。もしかしたら、これ、みんな歴史的偉業をこの目で見ようとしている者たちがベルモント目指しているとか。


案の定そうだったようで、スムーズに行けば20分程度で着くはずのところ、LIEに乗った時点からやっとのことで約2時間半かけてベルモントに到着するも、当然のごとくパーキングは満杯、クルマを停める場所を求めて住宅街を遠く遠く探し回り、やっと見つけたスペースはそこから徒歩でベルモントまで30分近くかかるところだった。だいぶ余裕を持って家を出て、最終のベルモント・ステイクスの前に1レースくらいは見て馬券も買ってみようと考えていたのが大甘も大甘、ステイクスになんとか間に合うぎりぎりの時間になって、しかも混みに混んでてスタンドに出れない。


3階をトライするもやはりだめで、結局3階スタンドの報道席のようなところの後ろの網の間から、大向こうを走っている馬群が見えるだけで、最終コーナーを立ち上がって最後の直線になると、ただただ観衆の大歓声が聞こえるのみで、何が起こったかさっぱりわからない。ただ最後の悲鳴とどよめきで、カリフォルニア・クロームが勝てなかったことだけはわかった。最後の大歓声の臨場感はすごかったが、しかし、ゴール・シーンが見たかった。


日本ではダービーの時でもパドックで馬を見て馬券を買って、それからスタンドに出て間近にレースを見れた。しかし今回の混み方は、記録とは言っていたが、しかし混み過ぎだ。帰りもこんな人混みは想定外なのだろう、ゲートが小さいので押し合いへし合いになり、レース場の外に出るまでまた30分かかる。柵を壊して外に出ようとしている奴もいた。


その後フリーウェイはまた混んでいると判断、最初から下で行こうとジャマイカ・アヴェニューを走ってクイーンズを突っ切って帰る。マンハッタンに戻る橋も混んでいるだろうと、途中フラッシングの中華レストランに寄って晩飯を食って時間を調整する。その後うちに辿り着いたのは10時半で、その後11時のニューズを見ていたらベルモント・ステイクスがトップ・ニューズ、それもカリフォルニア・クロームが負けたことよりも、記録的人出のために、11時というのにまだ電車に乗れなくてベルモントで足止めを食っている者たちがフィーチャーされていた。やっぱりクルマで行ってよかったと、女房と顔を見合わせたのだった。因みにベルモント・ステイクス、勝ったのはトーナリスト、カリフォルニア・クロームは2馬身の4着だった。










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