2日目64を叩き出し首位に立ったタイガー・ウッズが、後は最終日まで一度も首位を譲ることなく優勝。アンダーソン・コンサルティング後の休養はちゃんと効いているようだ。最終日3打差でウッズを追うデイヴィス・ラヴ3世は一時は2打差に詰め寄ってゲームを面白くするかに見えたが、14番、15番の連続ボギーが祟って万事休す。それにしてもウッズは‥‥凄いとしか言い様がない。彼は現在、出場トーナメントの優勝率が20%を上回る。5回出れば必ず1回は勝つ。プロのゴルフ・トーナメントでこれは凄い。あのジャック・ニクラウスですら優勝率は12%前後なのだそうだ。昔に較べ断然今の方がゴルファーの層は厚いはずだが、それでもこの勝率である。彼はいまツアー18勝なのだが、ここまでかかったのがたったの3年半。グレッグ・ノーマンやマーク・オメアラあたりだって同じだけの勝ち星を得るのに20年近くかかっているのだ。いかにウッズが今のPGAで圧倒的な存在であるかがわかる。


今回面白いことに気づいたのだが、3日目ウッズと一緒にラウンドしたのはマイク・ウィアーで、最終日がラヴ3世。ウィアーは昨年の最後のメイジャー、PGAプロ選手権で最終日ウッズと一緒に廻り自滅したが、今回もまったく同じことの繰り返し。ラヴ3世は、ウッズが3年半前PGAツアー(ディズニー)で初優勝した時、プレイオフになって破れ、以来ウッズと一緒に回るラウンドで調子がよかったためしがない。特にこの間のアンダーソン・コンサルティングではそれが顕著で、準々決勝で絶好調だったのに、同じ日の午後に行なわれた準決勝でウッズと当たったら、途端にいいとこがなくなってしまった。


ウッズと回るゴルファーは彼のパワーに圧倒されて自ら崩れていくパターンが多いが、まだツアーに入って日の浅いウィアーに較べ、ラヴのようなヴェテランですらこうか。もっともラヴの場合、昔まったく同じようなことをフレッド・カップルズと一緒にラウンドした場合経験しているそうで、なぜだか苦手意識を持ってしまうとそれが後々まで後を引くらしい。いずれにしても、ラヴのようなヴェテランにすらそういう印象を植え付けるウッズの存在の大きさこそを誉めるべきなのだろう。ウッズがこの調子をキープするならば、来週のプレイヤーズ・チャンピオンシップ、4月のマスターズももしかしたらもしかするかも。大いに期待してしまう。







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ベイ・ヒル招待

2000年3月16-19日   ★★1/2

フロリダ州オーランド、ベイ・ヒル・コース

 
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