バトル・アット・ザ・ブリッジス

2004年8月2日   ★★1/2

カリフォルニア州ランチョ・サンタ・フェ、ブリッジス・アット・ランチョ・サンタ・フェ

今年で6回目を迎えるタイガー・ウッズ主宰のプライムタイムのエキシビジョン・ゴルフ。コースは昨年と同じく、ブリッジス・アット・ランチョ・サンタ・フェ。3年前にLPGAのアニカ・ソーレンスタムとキャリー・ウェブを招き、1個のボールを交互に打ったフォーサム・プレイ以来、一昨年のシニア、昨年のPGA (アーニー・エルス、セルジオ・ガルシア、フィル・ミッケルソン) と、一人一個ずつボールを持って、よい方のスコアをとる、ペアを組んでのフォー・ボール・プレイの対抗戦ということで近年は定着している。ウッズと誰かもう一人のマッチ・プレイとするよりも、その方が勝負が華やかになるからだろう。


今回この勝負に招かれたのは、昨年同様のミッケルソンと、ジョン・デイリーとハンク・キーニーだ。名前を聞けば一発でこの人選の意味がわかるが、要するに、今回はツアーの飛ばし屋が招かれたわけだ。特に今年は、ミッケルソンがマスターズで初のメイジャー制覇を成し遂げ、デイリーがビュイック招待に勝って復活、つい昨日まで、ウッズとデイリーがビュイック・オープンで優勝を争うという面白い勝負を演出しており、以前から招待は決まっていたとはいえ、時宜的にはこの上ないタイミングとなった。思わず中継のABCもにんまりしたことだろう。


この中で最も飛ばすのは、デイリーとキーニーだろう。これでキーニーが、せめてツアーで一勝でもしていればもっと箔がついたんだろうが、致し方あるまい。一方、最近このゴルフの常連となっていたセルジオ・ガルシアは、今回は招かれなかった。彼だって飛ばすんだけどね。


ペアの方は、ウッズがキーニーと、ミッケルソンがデイリーと組んだ。まず、双方一つずつホールをとってオール・スクエアとなった後、4番パー3と5番パー4をミッケルソン/デイリー組が奪い、これで2アップ。その後は双方譲らないままバック・ナインに入り、13番から16番までを連続してウッズ/キーニー組がとって逆転、逆に2アップとなって、ドーミーの17番パー3を迎える。ここでミッケルソン、デイリーの二人ともバーディがとれず、このホールは引き分けとなって、結局2&1で決着がついた。


飛ばし屋が揃っているために、勝負の行方とは逆に、当然興味の大部分は、今回4つ設えてあるドラコン・ホールに集中する。最初の3つはほとんど文句なしにデイリーがとり、最後の一個は、一人だけフェアウェイをキープしたミッケルソンがとった。しかし、ほとんど暗くなって満足にフェアウェイが見えない中でのドライヴで、ミッケルソンだって、当たりそこねのボールがたまたまフェアウェイをキープしたという感じで、このメンツで268ヤードでドラコン貰ったって、あんた、そりゃあるまいと思ってしまう。実際、それまでのデイリーは、ほとんど全部340ヤードかっ飛ばしているわけだし。第一、打った後のボールの軌跡なんてまったく見えないよ。次回からは、もしドラコン・ホールを設けるなら、日が落ちる前のホールにしてもらいたい。さもなければ、ティからグリーンまですぺてライト・アップするとかさ。


翌日の新聞を読んでいたらキーニーのコメントが載っており、やはりこのメンツでは自分が一番小物だということを自覚しているキーニーは、ゲーム前は「無茶苦茶ナーヴァス」になっていたと言っていた。TVの画面を通しても緊張しているのがよくわかったからなあ。特に10番でティ・ショットを大きく左に曲げた時は、思わずどこかの石の下に潜り込みたくなったと述懐していたが、たぶん、このショットで逆にふっ切れたんだろう、それからウッズ/キーニー組が逆転勝ちするのに貢献した。たぶんキーニー念願のツアー初優勝も、来年あたり見れるのではないか。







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