タイガー・ウッズを中心としたエキシビション・マッチ、バトル・アット・ビッグホーン。今年はウッズがジャック・ニクラウスとペアを組んで、セルジオ・ガルシア/リー・トレヴィノ組を迎え撃つというマッチ・プレイ。昨年、LPGAのアニカ・ソーレンスタムとキャリー・ウェブを招待してのフォーサムは、ウッズとソーレンスタム、デイヴィッド・デュヴォールとウェブが交互にボールを打つというオールタネイト・ショットだったが、今回はそれぞれが自分のボールをプレイし、よい方のスコアをとるというベスト・ボール・フォーマットである。LPGA/PGAフォーマットはよりエキシビションの色彩の方が濃かったが、ニクラウスとウッズにオールタネイト・ショットでプレイさせるというのはあまりにももったいなさ過ぎるので、ま、フォー・ボールのフォーマットは当然と言える。


マッチの方は、1番、2番と連続してウッズがバーディを奪ってあっという間にニクラウス/ウッズ組の2アップになるが、トレヴィノ/ガルシア組も4番から6番までバーディを奪い返し、1アップと逆転する。しかしニクラウス/ウッズは今度は7番から10番まで4連続バーディで、またまた3アップと再逆転。11番はトレヴィノ/ガルシアがとって2ダウンとなるが、13番パー3でまたニクラウス/ウッズが3アップ、14、15と共にバーディで分け、16番パー3のドーミー・ホールを迎える。両チーム共パーとなって分けた時点で、3&2でニクラウス/ウッズ組がトレヴィノ/ガルシア組を下した。


特に見応えがあったのが8番211ヤード・パー3で、2アイアンのニクラウスが10フィートにきちりと寄せると、直後のウッズは5アイアンで2フィートとその内側にぴたりとつける。トレヴィノは3アイアンで6フィートにつけ、3つのスーパーショットの後、自分だけがミス・ショットしたら恥とプレッシャーがかかるガルシアも5アイアンで6フィートにつける。211ヤードで10フィート以内に寄せられなかったらミス・ショットとみなされるなんて、レヴェルが異様に高い。


それにしてもこの日のアメリカは暑く、ニューヨークでも暑かったが、ビッグホーンでは100度 (約38℃)、日中のコース内は110度 (約43℃) あったそうで、特に腰を痛めた直後でまだリハビリ中のニクラウスはきつそうだった。バック9に入ってプレイに精彩がなくなり、最後の方はほとんど投げやりに打ったショットも幾つかあった。これが夕方のプレイじゃなかったら倒れてたんじゃないだろうか。結局、ニクラウス/ウッズ組が奪ったバーディは、9番パー4と13番パー3でニクラウスがとったバーディ以外はすべてウッズがとったもので、ウッズ一人が9バーディでトレヴィノ/ガルシア組を下した格好。13番もニクラウスのパットが入らなければ、それよりもホールに近いところにウッズがおり、バーディを決めるのはほぼ確実と思われた。しかし、それでもニクラウスとウッズが組んでのチーム・プレイは、見ていて確かに印象的ではあった。一方、のべつ幕無しに喋り続けるトレヴィノと、にこにことそれに応対するガルシアもまたなかなかいいコンビで、二人共いかにも南方の血が入っているなあと思わせ、見ていて飽きなかった。このチーム同士でまた来年もやったらどうか。







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バトル・アット・ビッグホーン

2002年7月29日   ★★★

カリフォルニア州パーム・デザート、ビッグホーン・ゴルフ・クラブ

 
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